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熱や変形によって色が変わる新規ポリエステル素材を開発

2008年2月19日

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当社は米国 ケースウエスタンリザーブ大学の ヴェダー教授らの研究グループと共同で、ポリエステル樹脂に新規な蛍光染料をブレンドした新規ポリエステル素材を昨年末に開発しました。本開発品は熱や変 形といった外部刺激により色が変化します。既存のポリエステル製造工程をそのまま利用でき、パッケージング材料、産業資材、ポリマーの構造解析など広範な 用途への応用が期待されます。

1.開発品の特長
(1) ポリエステルと親和性を持つ新規蛍光染料を含有
本開発品に用いられる蛍光染料は凝集状態では橙色を、分散状態では緑 色を発光します。このような特長を有する蛍光染料はこれまで数多く報告されていますが、当社はポリエステルと親和性を持つ蛍光染料を新規に開発しました。 熱や変形などの外部刺激により、緑色と橙色の間で発光を変えることができます。この新規蛍光染料をポリエステルに練り込みました。

熱や変形などの外部刺激により、緑色と橙色の間で発光を変える

(2) 熱により色が変化
あらかじめ蛍光染料を分散させたポリエステルフィルムは緑色を発光し ますが、熱を加えて蛍光染料を凝集させると発光は緑色から橙色に変化します。1%の蛍光染料を分散させたポリエステルフィルムを加熱した様子を示します (写真1)。同一温度では時間が長いほど、また同一時間では温度が高いほど、緑色から橙色に変化し、色変化は自然光下でも識別できます。検知温度と応答時 間はポリエステルのガラス転移点(急速に剛性が低下する温度)と蛍光染料濃度で自由に制御でき、蛍光染料濃度を2%まで高めれば、数秒の応答時間で色を変 化させることができます。

写真1.本開発品の熱による色変化
写真1.本開発品の熱による色変化(左:紫外光下、右:自然光下) 

(3) 変形により色が変化
あらかじめ蛍光染料を凝集させたポリエステルフィルムは橙色を発光し ますが、延伸などの物理的変形により蛍光色素を分散させると発光は橙色から緑色に変化します。蛍光染料を凝集させたポリエステルフィルムを室温で延伸した 様子を示します(写真2)。延伸部分が橙色から緑色へと変化し、変形センサーとしての利用も期待できます。

写真2.本開発品の室温での延伸による色変化(紫外光下)
写真2.本開発品の室温での延伸による色変化(紫外光下) 

(4) 既存のポリエステル製造工程をそのまま利用可能
本開発品の製造には、既存のポリエステル製造工程をそのまま利用でき るため、安価なセンサー素材の製造が可能です。さらに蛍光染料濃度は数%の微量でも効果があります。ポリエステルが広く利用されている繊維、パッケージン グ材料、産業資材やポリマーの構造解析など、広範な用途への応用が期待できます。
2.今後の展開
熱による色変化を利用し、温度−時間セン サーとして食品や薬品のパッケージに使用して蛍光強度の変化を調べることにより、商品の保管履歴を正確にチェックできます。色変化が自然光下でも識別でき ることから、賞味期限の警告サインとして使用できる可能性もあります。また色変化はポリエステルの構造変化を直接反映しているため、ポリエステル製品の時 間経過による構造変化を追跡する評価ツールとしても利用できます。
変形による色変化を利用し、変形センサーとしてパッケージングフィルムや繊維製品などに応用すれば、亀裂、劣化、応力の検出が可能になると考えられま す。また、ポリエステル加工工程における構造評価のツールとしても利用が期待できます。

以上

<本件に関するお問い合わせ先>

東洋紡績株式会社 広報室
TEL 06-6348-4210

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