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震災復興対策チームが除染対応資材を開発

2012年7月31日

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 当社は、東日本大震災の復興支援を目的に、事業部および当社グループ会社による「東洋紡グループ震災復興対策チーム」を結成し、放射性物質等の除染対応資材を開発しました。建設会社や設計コンサル、大学、官庁などと共同で実用性の評価を行い、復旧・復興支援を目指します。

1.「東洋紡グループ震災復興対策チーム」

 東日本大震災からの復旧・復興に向けた動きが本格化する中、当社グループも総力をあげて震災復興に対応するため「東洋紡グループ震災復興対策チーム」を結成しました。土木・建築分野で使用される不織布を取り扱う当社スパンボンド事業部を中心に、機能性アクリル繊維を取り扱うAP事業部およびグループ会社(クレハエラストマー(株)、呉羽テック(株)、東洋クロス(株)、東洋紡スペシャルティズトレーディング(株))が参画しており、各社の固有技術を生かして復興支援のための製品開発を進めています。

2.除染対応資材

 今回開発した製品は、当社グループが長年培ってきた技術と経験をもとに作られた、除染または除染作業に対応した資材です。主な特長は以下の通りです。

(1)セシウム吸着性シート「ボランシール™」

 がれきなどから水分と共に漏れ出すセシウムを吸水・吸着し、セシウムの外部流出リスクを軽減します。モデル評価では、セシウム濃度が10mg/Lの場合、約92%除去することを確認しました。万一、釘などが刺さりシートに穴が開いた場合でも、「ボランシール™」は吸水により繊維が素早く膨潤するため、穴からの流出を抑制します。また、「ボランシール™」は、土木工事用の防水材として一般的に用いられるベントナイト(粘土)と比べて、約10分の1の重さで同等の吸着性能があることを確認しました。

<セシウム(Cs)の除去率> ※固液比500ml/g、処理時間24hrで測定

<セシウム(Cs)の除去率> ※固液比500ml/g、処理時間24hrで測定

<用途例> 廃棄物の仮置き場用下敷きシート

<用途例> 廃棄物の仮置き場用下敷きシート

(2)放射線遮蔽シート

 鉄やコンクリートなどの遮蔽材に比べて柔軟性があり、遮蔽フィラーを配合した、環境負荷物質を含まないゴムシートです。シートを重ね合わせることで、より高い遮蔽率が得られます。3m幅で長尺化できるため、継ぎ目なく広範囲を遮蔽することが可能です。
 硫酸バリウムを配合したタイプ(品番:XBW002)では、厚さ6cm(2mmのシート30枚重ね)で、放射線を約50%遮蔽します。タングステンを配合した熱溶着が可能なオレフィンタイプの熱可塑性樹脂シートは、厚さ3cm(2mmのシート15枚重ね)で、放射線を約50%遮蔽することを確認しました。

XBW002
XBW002

オレフィンタイプ
オレフィンタイプ

<XBW002の放射線遮蔽率>

<XBW002の放射線遮蔽率>

<用途例>

<用途例>廃棄物運搬用遮蔽シート

(3)プルシアンブルー「PB-Z」

 プルシアンブルーは、化粧品、インキなどに広く使用されている顔料で、セシウムを吸着する性質があります。
 「PB-Z」は、ゼオライトの表面をプルシアンブルーで被覆したもので、セシウムを選択的に吸着・除去することが可能です。水田などの水溜りや、灌漑水などの貯水槽、集水桝などに袋詰めした「PB-Z」を一定期間投入し、汚染水を処理します。モデル評価では、セシウム濃度が10mg/Lの場合、99%除去することを確認しました。

「PB-Z」
「PB-Z」

「PB-Z」を詰めた袋
「PB-Z」を詰めた袋

<セシウム(Cs)の除去率> ※固液比500ml/g、処理時間24hrで測定

<セシウム(Cs)の除去率> ※固液比500ml/g、処理時間24hrで測定

(4)セシウム吸着機能付き防草シート

 除染後のエリアに敷設するセシウム吸着剤を付与した防草シートです。隣接する山林などからの流入水や、落ち葉やその腐敗物などに含まれているセシウムの吸着を目的に、住宅周辺に敷設します。敷設後、シート敷設エリアの放射線量が基準値を超えた場合、防草シートごと回収・交換し、安全性を高めることができます。また、回収したシートは焼却などにより減容処理(※)が可能です。

(※)減容処理…廃棄物の体積を小さくする処理。物理的・化学的な安定化とともに、貯蔵や処分における負担軽減に有効と考えられています。

セシウム吸着機能付き防草シートのイメージ写真

3.今後

 現在、上記を含む28種類の除染対応資材および技術を、日本遮水工協会を通じて提案(※)しています。また、建設会社や設計コンサル、大学、官庁などと共同で実用性の評価を行い、復興現場での採用を目指し取り組みを進めています。今後も当社事業部およびグループ会社横断による製品開発を通して、復興支援に少しでもお役に立てるよう取り組んでいきます。

(※)ご参考:日本遮水工協会 技術ノート
http://www.nisshakyo.gr.jp/note/note.html

以上

<本件に関するお問い合わせ先>

東洋紡績株式会社 広報室
TEL 06-6348-4210

※掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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