肺炎の原因菌を業界最短時間で検出する、体外診断用医薬品を販売
2015年9月29日当社は、肺炎の一種である肺炎マイコプラズマ感染症の原因菌(マイコプラズマ・ニューモニエ)を短時間で自動的に検出できる体外診断用医薬品「ジーンキューブ®マイコプラズマ・ニューモニエ」を開発しました。9月1日から販売を開始しています。
1.開発の背景について
肺炎の原因菌では肺炎球菌が一番多く、次いで肺炎マイコプラズマ感染症を引き起こすマイコプラズマ・ニューモニエが多くなります。肺炎マイコプラズマ感染症は、幼児期、学童期や青年期に多く発症し、咳と高熱を伴い、重篤な場合は死に至ることもあります。
これらの早期治療を行うには迅速に検査を行い、それぞれの原因菌に有効な治療薬を選定する必要があります。肺炎球菌は尿検査で簡易に検出できますが、マイコプラズマ・ニューモニエは遺伝子検査で検出します。従来、マイコプラズマ・ニューモニエの遺伝子検査は、主にLAMP法*で行われていましたが、冷凍試薬の取り扱いや調合が煩雑で、検査に約2時間かかっていました。
当社は、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®」を使用し、煩雑な作業を行うことなく、マイコプラズマ・ニューモニエを検出できる体外診断用医薬品を開発しました。
* LAMP法:遺伝子を増幅させ、目的の遺伝子配列の有無を判定する遺伝子増幅法の一種
2.「ジーンキューブ®マイコプラズマ・ニューモニエ」の特長について

「ジーンキューブ®マイコプラズマ・ニューモニエ」
(1)マイコプラズマ・ニューモニエを短時間・高精度に検出
従来の遺伝子検査と比較し、検査時間は業界最短の1時間以内(最短40分)、判定一致率は97.8%です。
(2)取り扱いが簡単
冷蔵保存の専用キットになっているため、解凍や調合の必要がなく、冷蔵庫から取出し、試料*を添加後、「GENECUBE®」にセットするだけです。
* 試料は、患者の咽頭ぬぐい液
(3)高感度で検出可能
全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®」を使用することにより、必要な遺伝子を自動で増幅するため、少ない試料でも感度よく検出できます。
3.今後について
全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®」は、現在、国内の大学病院や国公立病院などの比較的大規模な病院に販売していますが、今後、海外への販売に向け、承認手続きを行います。
体外診断用医薬品「ジーンキューブ®マイコプラズマ・ニューモニエ」キットについては、2017年度に5,000万円の売り上げを目指します。
当社は、「GENECUBE®」の普及を通して、感染症の早期発見、早期治療および拡大抑制、さらには個別化医療に貢献します。
( 参考 )

■ | 全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®」 | |
本体価格 | :1,600 万円(税抜) | |
外形寸法 | :幅900×奥行550×高さ650(㎜) | |
重量 | :約92 ㎏ | |
■ | 「ジーンキューブ®マイコプラズマ・ニューモニエ」 | |
価格 | :80,000 円(税抜)/キット、80 テスト入り | |
承認番号 | 22700AMX00612000 |
以上
<本件に関するお問い合わせ先>
東洋紡株式会社 コーポレートコミュニケーション室
広報グループ
TEL 06-6348-4210
※掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。