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ニュースリリース
抗体医薬を安定的に高効率で生産するための
新規発現ベクターの開発に成功
<2009.06.11>
(223KB)
ニュースリリース

  当社は大阪大学大学院との共同研究により、抗体を安定的に高効率で生産する動物細胞を、迅速かつ簡便に取得できる新規な発現ベクター(以下「高発現ベクター」)の開発に成功しました。製薬会社への技術供与、ならびに当社の子会社である東洋紡バイオロジックス株式会社(以下「TBI」)での「高発現ベクター」を用いた抗体医薬の原薬受託製造を開始する予定です。


1.「高発現ベクター」開発の背景と経緯
  近年、がんやリウマチの治療薬として抗体医薬の市場は急速に拡大しており、世界では3兆円を越える規模に達しています。抗体医薬は治療効果が高く、また副作用も少ないという特徴があることから、今後さらなる市場の拡大が予想されています。
  現在、抗体医薬の抗体は、目的の抗体遺伝子を発現ベクターと呼ばれる環状のDNAに挿入し、これを導入した動物細胞を大量培養することにより製造されています。しかし、従来の発現ベクターを用いた場合は、導入された抗体遺伝子が抗体を生産しなかったり、培養途中で生産しなくなってしまうことが多く、抗体を安定的に高効率で生産する動物細胞を取得するには多大な時間がかかっていました。
  このたび、大阪大学大学院工学研究科 大政 健史(おおまさ たけし)准教授と当社は共同で「高発現ベクター」を開発しました。「高発現ベクター」は、当社が培ってきた遺伝子工学技術や培養技術を駆使して開発したものです。

2.「高発現ベクター」の特長
  この「高発現ベクター」を用いることにより、抗体を安定的に高効率で生産する動物細胞を、迅速かつ簡便に取得することができます。

3.今後の事業性について
  当社は抗体医薬の受託製造事業を、拡大する抗体医薬市場へ参入するための事業の一つとして位置づけています。当社は「高発現ベクター」の抗体医薬製造への利用を期待しており、抗体医薬開発を行っている製薬会社への技術供与、ならびにTBIでの「高発現ベクター」を用いた抗体医薬の原薬受託製造を、2009年9月から開始する予定です。また、TBIでの受託製造を含め、当面年間20億円の売上を目指します。
  この「高発現ベクター」の詳細については、2009年7月1日から3日まで東京ビックサイト(東京都)で開催される「第22回インターフェックス ジャパン」で発表します。

抗体医薬の製造フロー
抗体医薬の製造フロー

用語解説
抗体医薬:タンパク質の一種である抗体を主成分とする医薬品。抗体が持つ分子標的に対する高い特異性と親和性により、例えば、がん治療薬であれば、がん細胞のみを特異的に認識して、これを攻撃することができる。抗体は、もともと我々の体内にあるタンパク質であることから、副作用が少ないという利点がある。

発現ベクター:細胞内で特定の機能を持つタンパク質を発現させるために、目的とする遺伝子を細胞に導入するための環状のDNA(遺伝子の運び屋)のことをいう。抗体遺伝子が挿入された発現ベクターを細胞に導入することにより、導入された細胞を用いて抗体を生産することができる。

<本件に関するお問い合わせ先>
東洋紡績株式会社 広報室
松下・山田
電話:06-6348-4210

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