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このたび当社は、高濃度のリンを共重合した難燃性の高いポリエステル樹脂難燃材を開発しました。従来から成型材料や接着剤の難燃性の付与には、難燃性フィラー(充填材)や有機リン系難燃剤が使用されていますが、ブリードアウト*や接着性低下が問題とされていました。今回、これらの課題を解決できる成型材料用と接着剤用の2つのタイプの難燃材を開発しました。
*ブリードアウト:時間経過により、各種添加剤が樹脂表面に析出してくること
| 1. | 背景および経緯 |
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さまざまな電気・電子材料で樹脂の難燃性への要求が高まる中、難燃性の付与には、難燃性フィラーや有機リン系難燃剤が多く使用されています。これらの材料には、有害と考えられる物質やハロゲンがいまだに使用されているものもあり、人体や環境への悪影響が懸念されています。
成型材料用途においては、多量の難燃性フィラーを添加する必要があり、重量増加や透明性低下の問題が生じます。特に透明性が必要な用途では、難燃性フィラーに代わる難燃材が望まれていました。
また、接着剤用途においては、難燃性フィラーはハロゲンを含むかどうかに関係無く、接着性を低下させることが多く、有機リン系難燃剤も分子量が低いためにブリードアウトし易く、接着性を低下させるという問題がありました。
これまで、リンを共重合したポリエステル樹脂難燃材はほとんど市販されていませんでした(当社調べ)。当社は以下の技術を保有し、これらの技術を融合することで、高濃度のリンを共重合した分子量の高いポリエステル樹脂難燃材(以下、本開発品)を開発し、上記の課題を解決しました。
- 従来から販売している難燃性ポリエステル繊維「ハイム®」の開発で培った、リン系有機モノマーをポリエステル樹脂に高濃度で共重合し、ポリエステル樹脂を高分子量化する技術
- 共重合ポリエステル樹脂である「バイロン®」の接着剤用途の開発で培った、ポリエステル樹脂に接着特性を付与したり、溶剤可溶にしたりする技術
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| 2. | 本開発品の特長 |
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(1)高い難燃性(リン濃度)と高い分子量
本開発品のリン濃度は市販されている樹脂難燃材の中で最も高いレベルにあり、高い難燃性があります。リン濃度が高いので、用途や難燃性の要求に応じて添加量を調整し、高濃度でのリン濃度調整が可能です。また、リンを共重合しており、かつ分子量が高いため、ブリードアウトが発生しません。
(2)ハロゲンフリー
本開発品には、ハロゲンが含まれていません。
(3)各種ポリマーへもブレンド可能
リン系有機モノマーをポリエステルに共重合した難燃材なのでポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステルや、ポリ乳酸などのエステル結合を持つ各種ポリマーとの相溶性も良く、ブレンドが可能です。
(4)成型材料用と接着剤用の2つのタイプ
①成型材料用
難燃マスターバッチ*に適し、難燃性フィラーで問題だった成型材料の重量増加も無く、透明性も損ないません。20%以上添加することで、難燃性の国際標準であるUL 認証のV-0相当の難燃性を持つ製品を作製することが可能です。
*マスターバッチ:最終製品と同種の材料に添加剤などを高濃度に配合した樹脂
②接着剤用
別途難燃剤を添加する場合に比べ、ブリードアウトせず接着性が低下しません。
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用途 |
リン濃度 (ppm) |
ガラス転移点 (℃) |
極限粘度 |
数平均分子量 |
溶剤溶解性 |
| ① |
成型材料用 |
30,000 |
70 |
0.64 |
- |
難 |
| ② |
接着剤用 |
28,000 ~39,000 |
4~68 |
- |
10,000 ~30,000 |
易 |
※上記数値は代表値であり、規格値ではありません。
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| 3. | 今後の予定 |
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既に成型材料用途および電子材料用途に販売を開始しており、海外も含めたさらなる販売展開を進め、2012年には10億円の売上高を目指します。
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