物性構造解析技術

PBO繊維「ザイロン」
PBO繊維「ザイロン」

高分子の物性と構造には密接な関係があり、高機能な繊維、フィルムなどの開発を構造解析の側面からサポートしています。X線回折・放射光解析、電子顕微鏡解析(TEM, SEM)、原子間力顕微鏡観察(AFM)、X線光電子分光分析(XPS)、核磁気共鳴分析(NMR)など種々の解析技術を活用しています。また、SPring8(大型放射光施設)内に専用のビームラインを運営するフロンティアソフトマター開発専用ビームライン産学連合体にも参画しており、より高度な構造解析技術で開発を支援していきます。

例えば、ザイロン®(PBO繊維)は当社で開発した高強度・超高弾性率繊維であり、その性能は、p-アラミド繊維の2倍に相当します。物性向上を図るため、X線構造解析や高分解能電子顕微鏡解析を用いて、繊維中での結晶配向と弾性率の関係を調べました。その結果、高い力学物性発現の秘密は、結晶配向の高さにあることが分かりました。