成形について
ペレットの予備乾燥
1.グラマイド® は通常は乾燥ペレットとして防湿袋に入れて出荷されるので、開封後すぐに成形する場合、予備乾燥は不要です。
2.しかし、開封後そのまま放置すると、吸湿しますので長時間の放置は避けてください。
3.吸湿したペレットの一般的乾燥条件は80~120°Cで3~5時間です。ただし、長時間乾燥すると、酸化による着色が起こりやすいので、ご留意ください。
グラマイドの金型内流動について
「流動」の段階では樹脂の先端(圧力はゼロ)は、後(圧力がある)から押されて前進します。金型表面に、接触した 「スキン層」は冷えて固まりますが、内部の「コア層」は冷えずに流動します。スキン層の直下で流動への抵抗が起き、これをせん断応力として、せん断応力/せん断速度を粘度とします。粘度は、一般の流体では一定ですが、プラスチックで はせん断速度によって大きく異なります。これが、プラスチック独特の難しい流れの性質で、ポリアミド樹脂では、 せん断速度が大きいと粘度が低下します。射出速度が速いと流れが良いということです。
シリンダー温度の設定
(注)
実際のパージ樹脂の温度は、通常ポリアミドで300°C以下、6Tポリアミドで330°C以下にしてください。それ以上の温度になると熱分解して劣化を起しガス焼け、色調不良などのトラブルのもとになります。
成形品に現れる不良について
不良 原因
寸法の不均一 1. チップ供給の不均一。
2. シリンダー加熱温度に大きなバラツキがある。
3. キャビティ数が多すぎ、ランナー系が複雑すぎる。
4. ゲートの不均一。
5. 再使用のポリマーが新しいポリマーと均一に混合されていない。
6. ホッパー内のチップが不均一な加熱を受けている。
7. サイクル不正。
8. 金型締付力または射出圧の不正。
フラッシュ
ゲート中心に線上の模様となる
1. チップが吸湿している。
2. ポリマーの加熱。
3. 添加剤を入れたとき、添加剤の沸点が低すぎる。
ウェルドマーク 1. 排気の不完全。
2. 金型温度が低すぎる。
3. 射出圧が低すぎる。
4. 射出速度が小さすぎる。
シルバー
1. 流動時の剪断によるもので、ゲート径を大きくする。 あるいは、樹脂温度、充填速度調整することで剪断力の少ない良好な成形条件を出してください。
2. コールドスラッグウェルの強化。
ガス焼け 1. ポリマーの加熱。
2. 射出速度が大きすぎる。
3. 排気の不完全。
“す”及び 表面の“ひけ” 1. ゲートが長すぎる、または小さすぎる。
2. ポリマーの加熱。
3. 射出圧の損失によるフィードバックがある。
4. 射出圧が小さすぎる。
5. スプールまたはランナーが小さすぎる。
6. スクリューの前進している時間が短すぎる。
7. 射出速度が大きすぎる。
着色 1. ポリマーの加熱。
2. チップの乾燥時間が長すぎるか、または乾燥温度が高すぎることによる酸化。
3. 製品成形前のシリンダー内の着色ポリマーの除去不完全。
突き出しの困難 1. サイクルが短すぎる。
2. ポリマー温度が高すぎる。
3. 突き出し系の設計が不正。
4. 抜き勾配の不正。
5. ゲートが長すぎる、または小さすぎる。
6. ポリマーの加熱。
強靱性の不足 1. チップが吸湿しているか、またはポリマーの加熱。
2. ゲート位置の不正。
3. キャビティ内のポリマーの流れの角度が鋭すぎる。
4. 充填剤、顔料による汚損またはこれらの添加量が多すぎる。
5. 樹脂温度が低く、末溶融ポリアミドが含まれている。
金型について(特に強化ポリアミド)
(1)金型材質
一般にガラス繊維などの充填材入り強化ポリアミドは 、非強化のものよりも成形中の金型摩耗が大きいので、次のような点に留意してください 。特にゲート部については 下記のような金型材質を選定してください。
  • SK、SKS、SKDなどの合金工具鋼を焼入れ焼きもどし処理をして、HRC55~60として使用する。
  • プリハードン鋼、折出硬化鋼を使用する。
  • 表面硬化処理をする。
  • 硬質クロームメッキ処理
  • 窒化処理
  • サーメット処理
(2)ゲート
ゲートを設 計する場合は、ガラス繊維の切損が起こらないように注意しなければなりません。ガラス繊維強化ポリアミドは、非強化ポリアミドよりも流動性が良くないので、特にランナーとゲートの接続部のコーナーには、充分Rをとって流動抵抗を少なくすることが大切です。またゲートの位置によっては、ウエルドラインが目立ったり、 強度低下、変形などが発生するので、この点についても充分にご配慮ください 。ゲートの寸法は、通常サイドゲートでは、厚みは成形品肉厚の約60%、幅はゲート厚みの1.5~3倍、ランド長さはゲート厚みの約50%、ピンポイントゲートの場合は、0.8~1.5φを目安にしてくだい。
(3)ベント
強化ポリアミドは、非強化のものよりもガスが発生しやすいので、樹脂の流れが会合するところには、なるべく深さ50μm位 のベントをつけて、ガス逃げをよくしてください。