東洋紡ライフサイエンス事業部
実施例 PCR関連
ページを閉じる

Exonuclease活性について

α型PolⅠ型PCR酵素の大きな違いはExonuclease活性(以下、Exo活性)の有無です。これは、DNAを端から1塩基ずつ分解する活性であり、3’側から分解する活性と、5’側から分解する活性が存在します。

 DNAは5’側から3’側へ向かって合成されますが、DNAポリメラーゼは稀に誤った塩基を取り込むことがあります。その時に、KODPfu DNA polymerase(以下、Pfu)などのDNAポリメラーゼはスイッチバックして3’側から誤って取り込まれた塩基を除去します(図2)。

20080425Exo_2_2.jpg

この活性は3'→5'Exo活性(校正活性)と呼ばれます。この活性を有するDNAポリメラーゼのDNA合成における正確性は、活性の無いものに比べ格段に高ことが知られています。この活性が校正活性(Proofreading activity)と呼ばれる所以です。よって、KODシリーズKOD Dashを除く)は、遺伝子のクローニング等の正確性が要求される用途に用いられます。

 一方、TaqTth DNA polymerase(以下、Tth)は校正活性がなく、誤った塩基を取り込んでも修復することができないことから、正確性は高くありません。しかし、これらの酵素は、DNAを5’側から分解する5'→3'Exo活性を有しています。この活性は生体中では主に、ラギング鎖の合成の起点となったRNAフラグメントの除去に関与していると考えられています。この活性はTaqManR アッセイなどに応用されています(図3)。

20080425Exo_1_2.jpg


関連記事

<DNAポリメラーゼに関して>
PCRに用いられるDNAポリメラーゼについてはコチラから
PCR用ポリメラーゼ選択の指標はコチラから
各PCR用ポリメラーゼの酵素的性質はコチラから
Exonuclease活性、校正活性についてはコチラから
TdT(Terminal deoxynucleotidyl transferase)活性についてはコチラから
KODシリーズの性能の向上についてはコチラから
混合型の酵素(Barnesらの方法の解説)についてはコチラから

<PCRの技術に関して>
ホットスタートについてはコチラから
cDNA合成(RT-PCR)についてはコチラから
コロニーダイレクトPCRとシーケンス解析についてはコチラから

<トラブルシューティング>
PCR,RT-PCRにおける注意点はコチラから