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オリジナル調査レポート

「プラスチック包装材料に関する消費者の潜在ニーズ」調査【前編】
今、そして将来に向けてパッケージフィルムメーカーができる事を見つけるために


「プラスチックか、紙か?」包装材について、消費者の潜在ニーズを把握するために独自調査を実施

2021年夏、パッケージング事業総括部では、「プラスチックの包装材料に関する消費者の潜在ニーズ」の調査を実施しました。

パッケージメーカーとしてよりよい商材を開発し続けるためには、社会動向の変化をしっかり捉え、消費者のみなさまが求めることに対して真摯に応えていくことが大切だと、私たちは考えています。そのためには消費者の明らかな顕在ニーズだけではなく、潜在ニーズまで深く理解する必要があります。

今、社会で求められている潜在的なニーズを深掘りしていくため、消費者の「不満の声」に着目して調査・分析を行ってきました。消費者が既存のプラスチックの包装材料、パッケージに対してどのようなお困りごとを持っているのか、現状ではどんな要望が出ているのかをさまざまな角度から探り、商品開発に活かしています。

当社では「消費者の不満の声」を集めるために、企業の商品やサービスなどに対する「不満」をデータとして収集する仕組みを提供している「不満買取センター」(提供元:株式会社Insight Tech)を利用しています。

「不満買取センター」には、年齢や性別、居住地などが異なる69万人以上の会員が登録しており(2021年12月時点)、さまざまな角度からの意見が集まる仕組みとなっています。

プラスチックの包装材料に関する消費者の潜在ニーズを調査するための質問をあらかじめ検討し、「不満買取センター」の会員である一般消費者500名に、回答をお願いしました。今回はその集計結果の一部を、前編、後編の2回に分けてレポートします。

※以下掲載の資料は、株式会社Insight Tech運営「不満買取センター」会員へのアンケート調査を当社で集計した結果です。

不満買取センターでの調査結果

レポートの前編となる本記事では、消費者のみなさんに伺った質問の中から、次の2つの調査結果をピックアップしてご紹介します。

1)「プラスチック包装材料」が 「紙包材」などよりもさまざまな機能があることを知っていますか?
2)プラスチック包装材料について、どのような製品で不満を感じていますか?

「プラスチック包装材料」の機能に対するメリットを確認。4割以上が密封性という結果に

1つ目に取り上げる質問は、「『プラスチック包装材料』が 『紙包材』などよりもさまざまな機能があることを知っていますか?」というものです。

プラスチックのパッケージ機能に対する一般消費者の認知度

プラスチックのパッケージ機能に対する、一般消費者の方の認知度は低く、「知らなかった」という回答が7割近くを占めました。知っていると回答した方に、その機能について確認したところ、具体的な回答は少なく、「密封性があり、水やにおいが漏れない」「長期保存や品質保持ができる」といった広く知られているコメントが多数寄せられました。プラスチック包装材料の知られざる機能を発信していく必要がありそうです。

消費者が「プラスチック包装材料」へ抱いている不満の半数以上は「パウチ」だった

2つ目の質問は、「プラスチック包装材料について、どのような製品で不満を感じていますか?」というもの。すると69%の人から「不満を感じている」という回答が寄せられました。

プラスチック包装材料についてどのような製品で不満を感じているか

特に不満が高いプラスチック包装材料としては、「レトルトパウチ」「シャンプー・洗剤などの詰替パウチ」「ペットボトルのラベル」「お菓子の袋」で約9割を占める結果となりました。

具体的に、それぞれのパッケージのどの部分に不満を感じるのか、さらに細かく聞いた結果が以下のデータです。


パッケージのどの部分に不満を感じるか

全体を通して共通する不満は、「開けにくい」「はがしにくい」など、カット性がよくないことに対するものでした。また、「ゴミが増える」「ゴミがかさばる」など、ゴミに対するコメントもあり、ここにパッケージを改善していくための潜在的なニーズがありそうです。

いかがでしたでしょうか?プラスチック包装材料をご評価いただいている理由や、その一方で不満の目がどこにあったのかが、今回の調査で見えてきました。
後編では環境についての質問や、最近増えている個包装についての意見を掘り下げていきたいと考えていますので、ぜひご期待ください。