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環境コラム

気候変動に対する東洋紡の取り組み
~東洋紡が描くカーボンニュートラルへの道~


はじめに

近年、世界中で異常気象・気象災害(異常高温・低温、異常多雨・少雨、森林火災など)が発生しています。日本においても異常な暑さや大雨など、皆様も日々実感されているのではないでしょうか。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、1850~1900 年の世界平均気温を基準として、2011~2020年は約1.09℃上昇していることが分かっています。今後もしCO2排出量が2倍になると、2100年頃には4℃程度上昇する可能性があると試算されています。これにより、自然災害(洪水、干ばつ、熱波等)の激甚化、生態系の変化、海面上昇、水資源の不足、森林火災の増加などの影響(被害)が予測されています。今以上に暑い生活、想像できますか?
そこで、気温の上昇を1.5℃までに抑えることを目指す「パリ協定」が国際的に取り決められました。

企業が環境問題に取り組むことの必要性・重要性

日本において、企業が排出する温室効果ガス(GHG)は約79%を占め、これらを削減することは気候変動を”緩和”する意味で企業に求められる社会的責任と言えます。
一方、既に起きている気温の上昇や多雨などの気候変動問題へ”適応”し、従業員の安全管理(熱中症対策等)や被害を最小化し事業活動を継続する対策も必要です。

また、近年では気候変動による影響や被害を受けることは「人権の侵害」であるなどとして、企業や政府などを相手に訴訟を起こす事例が増えています。
国際司法裁判所は2025年7月23日、国際法に基づいて全ての国は気候変動を緩和し、影響に適応するための措置を講じる「法的義務」があることを明確にする勧告的意見を公表しました。これにより、改めて気候変動は企業にとっても無視できない法的・経営的リスクであると明確になりました。

気候変動に対する東洋紡の取り組み

東洋紡では、「カーボンニュートラルロードマップ」を策定し、2050年までにGHGの排出をネットゼロとする方針を掲げています。

具体的な計画として、よりGHG排出の少ない燃料への転換、太陽光などの再生可能エネルギーの活用、機器の省エネルギー化などに取り組んでいます。

当社のGHG排出量の推移

2022年にはSBT認定を取得し、当社のGHG削減目標がパリ協定に準拠することが第三者から認められました。

<SBTとは? >

企業が設定している温室効果ガス(GHG)削減目標が、科学的根拠に基づいたものである場合、SBT(Science-based target)認定を取得することができます。つまり、SBTの認定を取得することで、GHG削減の目標がパリ協定に合致していると第三者からお墨付きをもらうことができます。世界では約10,000社、日本では約1,500社がSBT認定を取得しています。(2025年3月時点)

東洋紡が認定を取得している目標

指標 目標
Scope1、2 2030年度までにGHG排出量を2020年度比で27.0%削減
Scope3(カテゴリ1+11) 2030年度までにGHG排出量を2020年度比で12.5%削減

また、自社活動によるGHG排出だけでなく、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減も目標を持って推進し、更には環境配慮型の製品の研究・開発を進めています。
その一例として、「サイクルクリーン®」をご紹介いたします。

「サイクルクリーン®」

当社のサイクルクリーンは、飲料用ペットボトル由来のPCR原料を使用したリサイクル樹脂を80%添加し、従来の石化原料のフィルム同等の性能を持つポリエステルフィルムです。市場回収した飲料用ペットボトルを原料の一部に使用するため、石化由来原料の使用量削減につながり、GHG排出量も従来に比べて約20%削減できます。(自社算定)

この他にも環境に配慮した製品の開発を行っておりますので、ぜひお問い合わせください。

まとめ

地球の気温が上がり続けることで、私たちの生活や企業活動にさまざまな影響が出ています。当社は、こうした課題に向き合い、2050年までに温室効果ガスの排出をネットゼロにすることを目指しています。
そのために、再生可能エネルギーの活用や、エネルギー効率の良い設備への切り替え、お客様のGHG削減につながる製品づくりにも力を入れています。
これからも、環境に配慮したものづくりを通じて、より安心して暮らせる未来づくりに貢献してまいります。


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