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環境コラム

interpack2026から読み解く、
環境対応包装の最新潮流


環境対応包装は「提案」から「標準」へ

環境対応は、近年の包装業界における最重要テーマの一つです。モノマテリアル、軽量化、リサイクル、バイオマスなど、日本国内でもさまざまな取り組みが進められています。

一方で、PPWR(包装および包装廃棄物に関する規則)やEPR(拡大生産者責任)への対応が進む欧州では、環境対応包装はどこまで実用化されているのでしょうか。

今回、PPSツアーで視察した「K2025」と「interpack2026」では、環境対応包装がもはや将来の提案ではなく、実際の製品として広く浸透し始めていることを強く感じました。本稿では、interpack2026で特に印象に残った環境対応包装事例をご紹介します。

世界市場でも環境対応が最重要テーマ

環境対応は、海外展示会においても最重要テーマの一つでした。

モノマテリアル化、軽量化、リサイクル、バイオプラスチックや紙包装など、その方向性は日本と大きく変わりません。しかし、interpack2026では、それら技術がコンセプト提案に留まらず、実際の商品として市場投入されている事例が数多く展示されていました。

こうした展示内容から、環境対応包装が次の段階へ進みつつあることを感じました。今回は、その中でも特に印象に残った3つの事例をご紹介します。

interpack2026とは

interpackは、3年に1度開催される世界最大規模の包装総合展です。2026年は世界65ヵ国から2,800社を超える企業が出展し、161ヵ国から約13万人が来場しました。世界の最先端の包装関連技術や市場トレンドが集結する、包装業界にとっても重要な展示会です。

展示面積 出展社数
(海外比率)
出展国数 来場者数
(海外比率)
来場国数
interpack2026 非公表 2,804(-----) 65 127,000(74%) 161
TOKYO PACK 2026 40,450㎡ 524(未発表) 未発表 60,228( 7%) 未発表
JAPAN PACK 2025 40,450㎡ 563(10%) 12 33,464( 3%) -----
TOKYO PACK 2024 51,380㎡ 725(30%) 18 70,712( 9%) 63
interpack2023 176,598㎡ 2,728(80%) 61 142,060(-----) 156
※TOKYO PACK 2026は速報値を掲載。一部数値は、当原稿作成時点では未発表。

包装材重量を約60%削減する新たな選択肢

1つ目は、PEモノマテリアルの横ピロー・チーズ包装です。

本包装の最大の特長は、従来のトレー容器(10g)からPEモノマテリアルの横ピロー包装(4g)へ置き換えることで、包装材の重量を約60%削減できる点です。軽量化による資源使用量削減に加え、モノマテリアル化によるリサイクル適性向上も期待できます。

この包装には、ExxonMobil社の原料を使用し、Hosokawa Alpine社のEVOHを含む9層インフレーションフィルムを縦一軸に延伸したフィルムが採用されていました。高い機能性と環境対応の両立を図った事例として印象に残りました。

紙使用率87%を実現した次世代チューブ

2つ目は、世界初のリサイクル可能な紙チューブです。

このチューブは、本体だけでなく肩部やキャップを含めて紙使用率87%を実現しており、プラスチック使用量の削減に貢献しています。

展示していたのは、紙チューブ成形技術「Saesa® PaperX FiberTop」を有するAISA Automation Industrielleです。チューブ内面にはPEとEVOHの積層フィルムをラミネートすることで、必要なバリア性能も確保されています。また、そのリサイクル性は4evergreenから認められており、環境性能と機能性を両立した事例として注目されていました。

リサイクルしやすさを考慮した容器設計

3つ目は、家庭用コーヒーメーカー向けの新しいコーヒーポーションです。

この製品の特長は、使用後にコーヒーかすとプラスチック容器を容易に分離できる点にあります。消費者の分別負担を軽減するとともに、リサイクル性向上にもつながる設計となっています。

開発したのは世界有数のスパウト付きパウチメーカーであるGualaPackです。欧州ではNestlé社のDolce Gusto向けに採用が予定されており、今後同様の考え方が日本を含めて他の食品包装にも広がる可能性を感じました。近い将来、日本でも見かける様になるかも知れません。

モノマテリアル包装は標準仕様の時代へ

K2025とinterpack2026を視察し、原料メーカーから包装機械メーカーに至るまで、モノマテリアル包装を取り扱わない企業はほとんど見当たりませんでした。

数年前までは先進的な環境提案として紹介されていたモノマテリアル包装が、今では標準仕様として採用されつつあることを強く実感しました。

PPWR施行に向けた動きが加速する中、今後も世界の展示会動向を注視しながら、次なる環境対応包装の方向性を見極めていきたいと思います。

取材・執筆:㈱東洋紡パッケージング・プラン・サービス
(東洋紡パッケージング事業総括部編集)