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【素材紹介】
ナイロンフィルムはどんなフィルム?
ポリアミド(ナイロン-6)樹脂を主原料としたフィルムで、無延伸ナイロンフィルムと二軸延伸ナイロンフィルムに分けられます。二軸延伸ナイロンフィルムは一般的にONYフィルムと表記されたり呼ばれたりしますが、本来Oriented Poly Amideの頭文字をとってOPAフィルムと呼ばれるべきところを、ポリアミド樹脂に対してNylonというブランド名が一般的に使用されるようになりONY(Oriented Nylon)フィルムと呼ばれるようになりました。
ナイロンフィルムは、延伸することにより強靭性や耐ピンホール性といった性能を向上させることができ、その優れた性能から袋として強度が要求される水物包装といった用途を中心に使用されています。
融点が190℃と比較的高くヒートシールができないため、ラミネートをされて使用されるのが一般的です。印刷やラミネート適性にも比較的優れています。
現在、商業化されている二軸延伸ナイロンフィルムの製膜方法としては3つに大きく分けられます。
各製膜方法にはそれぞれ長所・短所を兼ね備えていますが、東洋紡が採用している逐次二軸延伸法は生産性が高く、広幅化、高速製膜が可能で、厚みムラが少ないという長所がある一方で、面方向の物性バランスが他の延伸方法に比べて悪いという短所がありましたが、技術の向上を積み重ねて現在では他の製膜方法に引けを取らないフィルムを生産しております。
ONYフィルムは、物性面では以下の様な優れた特長を備えています。
弱点としては、吸湿により寸法変化や腰感低下、湿熱による衝撃強度の極端な低下には注意が必要です。
図5は、フィルムを保管したときの湿度とONYフィルムの寸法変化率の関係を示しています。保管される場所の湿度が高いと、吸湿によりナイロンフィルムの伸びが大きくなっている様子が判ります。
また図6は15μmのONYフィルム単体を所定の温度条件でレトルト処理した際の、フィルムの突き刺し強度を示しています。
ONYフィルムは湿熱処理により強度低下してしまうため、レトルト処理のような厳しい湿熱処理に使用される用途の場合では、最表層の基材にPETフィルムを積層して使用されるのが一般的です。
これらの特長を活かして一般包装から水物食品、ボイル・レトルト食品、スープ袋、詰替袋など袋としての強度を要求される様々な用途に使用されています。(表1)
東洋紡には、一般タイプ(プレーン)の他にも、耐ピンホール性を向上させたタイプや耐水接着性を向上させたタイプ、環境に配慮したタイプなど多種多機能性を付与した多くのラインアップを持っております。
お困りの事がございましたら、是非東洋紡にご相談下さい!!
※掲載しているデータは参考値であり、保証値ではございません。