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新開発品紹介
持続可能な開発目標(SDGs)に掲げられた項目に対して、各業界、各団体、各社での取り組みが進んでいます。当社も、2022年5月26日に公表した長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」において、フィルムのグリーン化比率を2030年度に60%、2050年度には100%とすることを目標の一つとして掲げています。当社の取り扱うパッケージングフィルムは、食品・飲料ボトルのラベル・レトルト・トイレタリー・雑貨包装等、幅広い用途に展開しており、二軸延伸されたフィルム 3素材と無延伸フィルム 2素材の5素材を取り扱っていますが、最近では、環境負荷低減を意識したパッケージングフィルムの開発を進めています。その中でも、表基材にOPPフィルム、シーラントに無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルム)を使用したラミネート構成で、単一素材(モノマテリアル)の袋にすることで、よりリサイクルし易く出来る点からも、OPPは重要な素材となっています。また、フィルムの厚みを下げること(薄膜化)は、プラスチック使用量削減「reduce」の観点から、非常に重要であるため、今回は、「耐熱性」と「剛性」の優れた新しいOPP開発品 パイレン EXTOP® XP610を紹介させていただきます。
XP610は、当社の一般タイプのOPPと比較して、熱収縮率が小さく、引張弾性率が高いことが特徴で、高耐熱・高剛性タイプのOPP P2171と同等です。厚みとしては、20μm、40μmを先行してラインナップを考えており、フィルムの性能を、下表に示しました。
これまで、一般タイプのOPPは、高温では、熱収縮率が高くシワが入り易かったり、フィルムが伸びやすいため、ピッチズレなどが起きており、歩留まり低下に繋がるため、使用範囲が限定されていました。しかし、XP610であれば、見栄え改善(熱シワ低減)、加工ロス低減への対応だけでなく、モノマテリアルや薄膜化などの環境負荷低減を目的とした引き合いに対応出来る可能性があります。
また、XP610は、無静防タイプであり、FDAやEU規制に適合しているため、海外展開の可能性も広がります。また、無静防タイプであることで、加工用原反(コート、蒸着)としての適性が向上し、包装用途だけでなく、工業用途にも展開出来る可能性があると期待しております。
今回、ご紹介したXP610は、当社の新しい商標であるパイレン EXTOP®の中の銘柄になります。パイレン EXTOP®の中には、XP610よりも、剛性を向上させた「超高剛性グレード」、耐熱性を向上させた「超高耐熱グレード」などがあり、今後ご紹介させていただきたいと考えております。