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新開発品紹介

耐屈曲ピンホール性はそのままに薄肉化を実現!温室効果ガス削減にも貢献できるONYフィルムの正体とは?


薄肉耐ピンホールONYフィルム
「ハーデン®DN036/DN037-10μm」

バイオプラーナ®に続く環境配慮型ナイロンフィルムを開発

当社の取り扱うパッケージングフィルムは、食品・飲料ボトルのラベル・レトルト・トイレタリー・雑貨包装等、幅広い用途に展開しており、二軸延伸されたフィルム 3素材と無延伸フィルム 2素材を取り扱っています。2022年5月26日に公表した長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」において、フィルムのグリーン化比率を2030年度に60%、2050年度には100%とすることを目標の一つとして掲げており、環境負荷低減を意識したパッケージングフィルムの開発を日々進めています。
一方、強靭性や耐ピンホール性に優れたナイロンフィルム(以下、ONY)は、袋としての強度を要求される様々な用途に使用されており、パッケージングフィルムとして欠かせない素材の一つとなっています。
当社ではこれらONYフィルムについても、様々なアプローチから、環境負荷低減に貢献できる商品の開発を進めており、既に原料の一部に植物由来原料を使用したバイオプラーナ®DN029/DN031を上市していますが、この度プラスチック使用量削減(reduce)に貢献できる薄肉耐ピンホールONY「ハーデン®DN036/DN037」を開発しましたので、ご紹介させていただきます。※DN037は両面コロナ処理タイプです。

DN036は、どんなONYフィルム?

「ハーデン®DN036」は、当社の耐ピンホールONY(N2100-15μm)の耐屈曲性を維持しつつ、フィルムの厚みを10μmまで低減した環境配慮型フィルムです。
「ハーデン®DN036」を用いることで、従来15μmのONYを基材としてきた包材と比較して、包材の面積当たりのコストアップすることなく包材のトータル厚みダウンや重量の低減を可能にし、プラスチック使用量及び温室効果ガスの削減に貢献できます。

【表1 「ハーデン®DN036」の使用によるCO2削減効果(例)】

「ハーデン<sub>®</sub>DN036」の使用によるCO2削減効果(例)

※21年度弊社生産状況を基に試算レジンのGHG排出原単位等はIDEA v2.3を使用、算定はMiLCAを使用
ラミ品の算定には一社プラスチック循環利用協会「樹脂加工におけるインベントリーデータ調査報告書<更新版>第三版」(2020年3月)の印刷、ラミネートでの結果を利用

フィルムの性能を、下表に示しました。

【表2 「ハーデン®DN036」の一般物性】

「ハーデン<sub>®</sub>DN036」の一般物性

注)これらのデータは特定条件下のもと、当社の測定機関で評価した実測値です。品質を保証する数値ではありません。
F面:コロナ処理面 B面:未処理面

フィルムを屈曲した時の穴の開きにくさを評価するため、「ハーデン®DN036」を用いたラミネートフィルムと従来品(N2100)を使用したラミネートフィルムのゲルボフレックス試験の結果を下図に示しました。

【ゲルボフレックス試験】

ゲルボフレックス試験

【図1 ラミネート積層体のゲルボフレックス試験結果】

ラミネート積層体のゲルボフレックス試験結果

「ハーデン®DN036」は、フィルム厚みが薄くなってもN2100-15μm同等レベルの耐屈曲ピンホール性を有しています。このような特性を活かし、例えば液体用の小袋などの包材のプラスチック使用量を削減に期待ができます。
ただし、薄肉化に伴い、突き刺し強度や重量物に対する落下破袋性については低下する可能性があり、内容物/スペックに応じて使い分けは必要となりますので、内容物、内容量により使用可能かをご確認いただくため、事前のテスト投入をお願いいたします。

※DN036/DN037は、開発品番となります。

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