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新開発品紹介

PCR原料使用なのに高い収縮性能を実現!
環境にやさしいシュリンクフィルムの
正体とは!?


シュリンクラベルに求められる環境性能と当社の取り組み

近年、世界的に環境意識が高まる中、消費者によって使用されたプラスチックをリサイクルした(Post-Consumer Recycled、以下PCR)原料を使ったフィルム製品の需要が増しています。PCR原料を使ったフィルムは、製造工程で発生したプラスチックの端材や不良品などは一切使用せず、全て飲料用として消費されたペットボトル由来のリサイクル原料を活用しているため、使用済みプラスチック廃棄物の削減にも貢献します。
また最近は、シュリンクフィルムが使用される製品(ボトルなど)のライフサイクルアセスメントが重要視されてきていることから、シュリンクフィルムが製造されるときだけでなく、使用されるときの環境負荷の度合いにも着目されるようになってきています。
当社のシュリンクフィルム「スペースクリーン®」は、飲料や日用品をはじめとした様々なボトルのラベルとして広範に使用されており、減容化に貢献する薄肉タイプや、メカニカル・ケミカルリサイクル原料を使用した製品を開発してきております。特に、PCR原料として、飲料用ペットボトル由来のメカニカルリサイクル原料を使用した製品は業界に先駆けて上市しており、今回は弊社の新しい開発品「スペースクリーン®SC839」をご紹介いたします。

スペースクリーン®SC839の特長

「スペースクリーン®SC839」は、メカニカルリサイクル原料を25%用いたシュリンクフィルムであり、PETボトルリサイクル推進協議会のPETボトルリサイクル推奨マークを取得しております。通常、シュリンクフィルムは収縮性能を付与するために、一般的なPET原料とは異なる非晶性のPET原料を用いています。そのため、シュリンクフィルムにメカニカルリサイクル原料を用いる場合、相対的に非晶性原料の配合比率が下がってしまうため、高い収縮性能を実現することが困難でした。「スペースクリーン®SC839」は、これまで東洋紡が培ってきたフィルム製膜技術と分子構造制御技術などを駆使し、メカニカルリサイクル原料を25%用いながらも高い収縮性能を発現することに成功いたしました。図1に従来のリサイクルPET25%配合のシュリンクフィルム銘柄との比較で30μmと40μmの収縮カーブを、図2に弊社収縮トンネル(3ゾーン)を用いたPETボトルへの収縮仕上がり性評価結果を示します。「スペースクリーン®SC839」は、従来品に対して収縮率が高いため、トンネル温度を下げてもきれいに仕上がりを維持できます。そのため、収縮トンネルに用いる熱媒(蒸気、熱風)の使用量削減により温暖化ガスの排出量やコストの低減が期待できます。
※実際の収縮トンネル条件出しや収縮仕上がり性のご評価は、事前のサンプル評価でご確認をお願いいたします。

図1 スペースクリーン® の収縮カーブ(温湯浸漬10秒後)
リサイクルPET25%混合品同士の比較

表1 弊社収縮トンネル(3ゾーン)による収縮仕上がり性評価結果
(500mLPETボトル使用)

今回、ご紹介した製品はこちら