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新用途提案
「(*1)フードロス削減」は、2015年の国連総会でSDGs(持続可能な開発目標)の12番「つくる責任 つかう責任」のターゲットとして設定されました。
SDGsでは2000年を基準に、2030年までに食品の廃棄量を半減させることを達成目標としています。
日本の達成目標は廃棄量489万tですが、2023年時点、家庭系および事業系の廃棄量が合わせて523万tあり、これらを廃棄するために約2兆円もの処理費用がかかっていることも問題となっています。目標達成のため、2001年に(*2)食品リサイクル法が、2019年には(*3)食品ロス削減推進法が施行されました。
「食品の鮮度を長持ちさせる」ことが、これらの社会課題を解決するひとつの方法と考え、鮮度保持ができる当社の熱収縮フィルム「スペースクリーン®SC821」をご紹介します。
「スペースクリーン®SC821」は、当社独自の技術により12μmまで薄肉化を実現した環境にやさしい熱収縮ポリエステルフィルムです。透明性、光沢性、保香性、耐油性、高いシール性があり、多色印刷も可能です。また、少ない熱量で凹凸のある形状にもフィットしますので、きれいに仕上がります。また従来のシュリンクフィルムと比べて厚みが薄いためプラスチックの使用量の削減ができます。
当社では野菜包装用途でオレフィンフィルムを展開しておりますが、鮮度保持フィルムとしては課題があることも認識しており、SC821の特長を活かして鮮度保持フィルムとしての可能性を検討してきました。
野菜包装として、多く使用されているオレフィン系シュリンクフィルムと今回ご提案するポリエステル系フィルムでは、酸素や二酸化炭素などのガスの透過度および水蒸気の透過度が違います。野菜が劣化する原因は多くありますが、この2点に着目し鮮度保持の検証を行ないました。
フィルムの性能を活かして、以下の2点の特長があることがわかりました。
①酸素・二酸化炭素を制限することにより、野菜の呼吸量を抑える。
②水分が適度に通過することにより、カビの発生を抑制する。
併せて実包テストも行い、実際に野菜の鮮度保持の効果がある事を確認しました。
野菜が長持ちすることにより、店頭での販売期間の延長や消費者での保管期間の延長によりフードロスの削減に貢献ができます!またフィルムの薄肉化によりプラスチック使用量削減も期待できます!
ご興味がありましたら、是非、お問い合わせください。
(*1)フードロス
フードロスとは、形が崩れて規格外となった食品、賞味期限が切れた加工食品、食べ残しなど、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品のことで、世界で生産されている食品の約1/3が捨てられていると言われています。
(*2)食品リサイクル法
食品の売れ残りや食べ残し、食品製造時の大量廃棄の発生抑制を行なうとともに、飼料や肥料の原材料として再利用を促進する。(事業者向けで罰則規定あり)
(*3)食品ロス削減推進法
食べることができるものは廃棄することなく、できるだけ食品として活用するなど、食べ物を無駄にしない意識の醸成を図っていく。(一般個人向けに啓発や知識の普及)