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新製品紹介
東洋紡は、兼ねてから定番品としてラインナップしていた耐ピンホールONYフィルム:N2102をリニューアルし、「新・耐ピンホールONY:N6102」として上市することを発表した。でもいったいなぜ今、リニューアルしたのだろう?その開発秘話とは・・・
~ 2021年春 ~
<犬山フィルム研究センターにて>
後輩:「先輩、ONY フィルムのN2102ってどんな製品なんですか? 一般タイプに比べると、販売しているお客様は一部に限られているみたいですが・・」
先輩:「N2102は一般タイプと比べて耐屈曲ピンホール性に優れたONYフィルムだよ。折り曲げた時や、くしゃっとした時に穴が開きづらいのが特長なんだ。」
後輩:「それじゃ、一般タイプのONYよりも優れた特長を持った、いわば『最強の』ONYフィルムじゃないですか!?どうして販売先が限られているんだろう。」
先輩:「いい質問だね。その理由の一つが、N2102は ラミネート強度が一般ONYに比べると劣る、という弱点があるためなんだ。だから、大型の包材やレトルト包材、蓋材といった用途への使用を推奨できていない。デラミ(ラミネート剥離)の危険性が一般ONYよりも高いからね。」
後輩:「耐ピン性に優れたフィルムなのにラミネート強度が一般ONYよりも弱いとは、もったいないですね。なんとか改良できないかなぁ。」
先輩:「この問題がクリアできれば、君の言う通り『耐ピンホール性能を持った最強のONYフィルム』ができるかもしれないね。」
後輩:「開発テーマとしてすごく面白そうですね。世界中での販売も夢じゃないかも!?」
先輩:「あ、あとひとつ課題があったんだ。N2102は、残念ながら海外法規制のFDAなどに対応できていない。だから、海外で販売される製品にはやむなく耐ピンホール性を犠牲にした一般タイプを選定せざるを得ない。」
後輩:「じゃあ、海外でも販売できる処方を念頭において開発する必要がありますね…。先輩、ぜひ僕にこのテーマに取り組ませていただけないでしょうか?開発が成功すれば、僕にとっての夢のフィルムができるんじゃないかと、ワクワクしてきました!」
~ 3年後 2024年 ~
後輩:「先輩、ようやく満足のいく改良型耐ピンホールONYフィルムができました。屈曲耐ピンホール性に優れている、という良い点を残しつつ、ラミネート強度も一般ONYと同等のものができました。また、海外法規制にも対応できる処方で設計しています(※)!こちらが 改良型 耐ピンホールONYフィルム、名前は『N6102』 です!!」
先輩:「すばらしい製品じゃないか。これなら、 耐ピンホール性の要求される大型のパウチやレトルト包材にも提案できそうだ。また、海外のお客様へもご紹介できるな!やったぞ!早速、営業を通じてお客様に紹介しよう。」
※物語はフィクションです。
衛生性、ラミネート強度はN2102シリーズの長年の課題でした。諦めずに検討を続けた結果、N6102シリーズが全方位に優れた商材となったことに喜びを感じます。今後、その性能を皆様にご実感頂けることを楽しみにしています。