ソリューション戦略フイルム・機能マテリアル

成長戦略

既存製品の売上拡大を図りながら
環境対応などの新たな価値提供にも注力します

森重地加男

専務執行役員
フイルム・機能マテリアルソリューション本部長
森重地加男

当本部は、フィルムや接着、コーティングに関わる事業が集約されて誕生しました。

今後、パッケージング分野では、食品ロスなどが社会課題となる中で、性能と価格競争力を両立した食品保存用透明蒸着フィルム エコシアール®の拡販を進めていきます。工業用フィルム分野では、海外でのOEM(Original Equipment Manufacturing)なども活用してコスモシャインSRF®の提供能力を強化し、市場シェアを現在の35%から50%にまで高めていきます。また、セラミックコンデンサ用離型フィルムは敦賀事業所の設備を増強することで旺盛な需要に応え、市場シェアを25%から30%まで向上させることを狙います。

これら既存製品の売上拡大を追求するとともに、部門の枠を超えた新たな施策も加速していきます。フイルム部門と機能マテリアル部門の協業深化もその一つであり、両部門の情報共有を深め、販売拡大および業務効率化を図っていきます。また、さまざまな分野の資産を最適に組み合わせることによって、新たな価値・ソリューションの創造にも挑戦していきます。

さらに、新設された「リニューアブル・リソース事業開発部」と連携しながらバイオマス原料を使用したポリマー開発にも注力し、環境対応製品・ソリューションにおけるグローバルトップランナーとなることを目指します。

めざす姿

  • 世界No.1の“グリーン”フィルムメーカー
  • 樹脂の総合プロバイダー

定量目標(2025年度)

  • 売上高 2,000億円(2019年度時点1,270億円)
  • 2020年度から、事業セグメントを変更しました。
  • 2019年度の売上高は、監査前であり概算数値です。

<主要製品>
フィルム、機能マテリアル(バイロン®・ハードレン®/化成品加工)

各分野の特徴・SWOT

Strengths
強み
Weaknesses
弱み
Opportunities
機会
Threats
脅威
フイルム 国内人口減により需要は漸減。世帯数、共働き世帯数は増加しており、競合他社も成熟化しているため安定した業界
  • 総合フィルムメーカー
  • 環境に配慮した製品の展開(リサイクル・バイオ樹脂、缶ラミフィルム、薄肉収縮フィルム)
  • 偏光子保護フィルム(PET)展開
  • 製膜から加工まで一貫生産
  • 国内生産中心、海外生産拠点整備
  • SDGsによる「環境・安全・安心」の意識の高まり
  • 食品ロス低減意識の高まり
  • IoT分野でのフィルム需要拡大
  • 帝⼈フィルムソリューション(株)統合による販売・技術・開発シナジー効果
  • 運べないリスク
  • 世界的なマイクロプラスチックの問題
機能マテリアル①
バイロン®
ハードレン®
自動車塗料ではCO2削減、電気・電子分野では5Gの普及などで需要増が期待できる
  • 変性/重合技術と丁寧な技術サービスの提供
  • グローバル生産拠点と豊富な製品ラインアップ
  • コスト競争力
  • 5Gへの移行、車のEV化/軽量化
  • 環境意識の高まり(脱溶剤)
  • 化学物質規制強化(使用原料の制約)
機能マテリアル②
化成品加工
ラベル・シール、パッケージング用途の感光性樹脂印刷版の販売。世界60カ国以上に輸出販売
  • 水現像版(溶剤フリー)
  • 特殊な有機合成技術
  • 国内1工場での製造
  • 環境意識の高まりによる水系市場拡大
  • 環境規制による脱中国の動き
  • 化学物質規制強化(使用原料の制約)

価値創造フロー

プロセス ESG側面
正の影響強化(機会の増大)
正の影響強化(機会の増大)
負の影響抑制(リスクの低減)
負の影響抑制(リスクの低減)
調達

負の影響抑制(リスクの低減)資源循環

  • ペットボトルからのリサイクル原料を調達〈フィルム〉
製造

負の影響抑制(リスクの低減)温暖化防止

  • ガスコージェネレーション設備の導入、石炭からガスへの燃料転換

負の影響抑制(リスクの低減)資源循環

  • リサイクル原料再利用 年間800トン(クリスパー®、カミシャイン®、スペースクリーン®、サイクルクリーン®
    リシャイン®〈フィルム〉
  • スペック外製品再使用 年間2,750トン(コスモシャインSRF®〈フィルム〉
  • ハギプロレジン再使用(建設中)〈フィルム〉
  • ※ リサイクル性低下の原因となるフィルムの表面加工を剥がして混じり物の無いPETとしたもの
販売/使用

正の影響強化(機会の増大)顧客課題・社会課題へのソリューション

  • リサイクル原料の使用や薄肉化などによる省資源化・CO2削減
    熱収縮ポリエステルフィルム スペースクリーン®
    リサイクルPETフィルム サイクルクリーン®
    植物由来原料使用フィルム バイオプラーナ®
  • 食品の長期保存が可能になり、食品ロス低減に貢献
    透明蒸着フィルム エコシアール®
  • 通信関連機器の製品性能向上への貢献
    超複屈折ポリエステルフィルム コスモシャインSRF®
    離型フィルム コスモピール®
  • 金属代替による軽量化
    共重合ポリエステル樹脂 バイロン®
  • 溶剤を使用しないことによる環境負荷低減
    環境配慮型印刷版 プリンタイト®、コスモライト®
SDG2 SDG3 SDG6 SDG7 SDG9 SDG11 SDG12 SDG14
廃棄/再利用

負の影響抑制(リスクの低減)資源循環

  • シリコン塗工フィルムを回収し、再資源化〈フィルム〉

事業プロセスにおける重要なESGテーマ

資源循環

製造工程で出た端材や使用後の最終製品を回収・再資源化した材料を使用することで資源循環に努めています。また、製品自体の高強度化や薄肉化によって、使用する資源量の削減に貢献しています。

温暖化防止

発電時に出る廃熱を有効利用できるガスコージェネレーション設備の導入を進めています。また、燃料の石炭からガスへの転換も推進しています。これらの取り組みによってCO2排出の削減に努めています。

製品・サービスによって提供する価値

食品ロス低減に貢献するフィルム

エコシアールを使用した食品包

エコシアール®を使用した食品包装

優れたガスバリア性を持つ透明蒸着フィルム エコシアール®は、食品の長期保存に力を発揮し、食品ロス低減に貢献します。

金属の蒸着処理がなされていないため電子レンジでの加熱にも対応しています。

液晶ディスプレイの高機能化を実現するフィルム

超複屈折ポリエステルフィルム コスモシャインSRF®は、従来のポリエステルが持つ複屈折による着色現象を解消した製品です。液晶テレビの大型化やベゼルレス化、パネルのオープンセル化が進む中で高いシェアを獲得しています。

省資源に貢献するフィルム

サイクルクリーン

サイクルクリーン®

リサイクル原料の使用や薄肉化によって省資源化ニーズに応えたペットボトルラベル用フィルムを開発、提供しています。例えば、リサイクルPETフィルム サイクルクリーン®は、リサイクル樹脂の使用比率を世界最高レベルの80%まで高めながらも、従来製品の性質を保持しています。

また、熱収縮ポリエステルフィルム スペースクリーン®は、ポリエステル素材としては世界最薄となる20µmのフィルムです。これは従来製品の半分以下の薄さであり、大幅な省資源化に貢献しています。

IoTを支えるセラミックコンデンサ用離型フィルム

セラミックコンデンサは、電流を調整したり、電気を一時的に蓄積したりする汎用的な電子部品です。さまざまな電子回路に搭載されています。

当社の離型フィルム コスモピール®などはセラミックコンデンサの製造に不可欠なフィルムです。原反の製造から離型層のコーティング加工まで一貫して対応できる唯一のメーカーとして、IoTやAIの普及・進展を支えます。