TOYOBO流モノづくり

多彩な製品・ソリューション創出の源泉
当社最大の研究開発・生産拠点「敦賀事業所」

創業から約90年、東洋紡の基幹事業所へ成長

敦賀事業所

1934年、敦賀事業所はレーヨンの生産からその歩みを開始しました。以降、長きにわたって時代のニーズに応えながら、フィルム、バイオ、高機能製品などへと事業領域を広げてきました。当事業所は、研究開発から生産までを事業所内で完結できる体制を整えており、「TOYOBO流モノづくり」の基盤としての役割を果たしています。

近年は、ICT/IoTを活用した工程管理の標準化を進めるとともに、生産能力増強の投資を積極的に実施しています。

敦賀事業所の歩み

1934年 東洋紡績 敦賀工場 操業開始(現 敦賀事業所第一)
レーヨン生産開始
1964年 呉羽紡績 敦賀ナイロン工場 操業開始(現 敦賀事業所第二)
  • ※ 1966年 東洋紡績と呉羽紡績合併
1978年 敦賀酵素工場 設立(現 敦賀バイオ工場)
1984年 日本マグファン 敦賀工場 操業開始(現 つるがフイルム工場)
2010年 生産革新活動を本格的に開始
2014年 世界最大級のポリエステルフィルム製造設備を稼働
生産設備新設に100憶円投資
2018年 高耐熱性ポリイミドフィルムを製造販売する
ゼノマックスジャパン(株)設立
2019年 セラミックコンデンサ用離型フィルム製造工場稼働
生産設備新設に60憶円投資

モノづくりを支える生産革新活動

当社の生産革新活動は、「TOYOBO流モノづくり」が最も大切にしている「お客さま視点」と「お客さまが本当に望まれていることを理解した」課題解決(現場力向上)を事業所全体で行うものです。敦賀事業所では10年にわたり生産革新活動を続け、部門の垣根を越えて知恵を集める風土をつくり出してきました。

お客さまから求められるものは常に変化しています。製品の品質だけでなく、情報やソリューションであったり、さらに近年では災害などの緊急事態に対するレジリエンス(回復力)やお客さまの声に応える現場力、信頼できる現場そのものであったりします。お客さまに喜ばれる優れた製品、お客さまへの正しい情報の提供、ICT/IoTを駆使したシステム構築も、活動の重点テーマとして取り上げています。

また、先行する部門の情報は、他の部門に共有・展開されています。部門を超えてさまざまな課題に一体で取り組み、相乗効果を生み出せることが、敦賀事業所の大きな特徴です。

TOYOBO流モノづくりの考え方

TOYOBO流モノづくりの考え方

ICT/IoTを活用した“匠”の工程管理

敦賀事業所の生産革新活動は、2010年度にスタートしました。トラブルやクレームの根絶、コスト競争力の向上、技術・技能の継承といった部門共通の課題を解決しながら、さまざまなノウハウを活用し、安全・安定の現場を実現するための工程管理標準化を図ってきました。

工程維持のために日常的に行う調整作業や自主保全作業を表面化していないトラブルとみなして改善していき、10年間こうした活動に取り組んだ結果、全職場で90%以上のトラブル低減を実現することができました。それに役立ったのはベテランを中心に組織が持っている膨大な暗黙知でした。この暗黙知を顕在化し標準化すれば、大きな力になります。工程管理の要素である「監視」「判断」「処置」について、過去の経験から得た知識やノウハウを新人からベテランまで誰にでも活用可能にすること。それが「“匠”の工程管理」です。

変化を見付ける監視

匠が持っている知識と経験

匠は製品の異常につながる設備や工程などの変化を、ヌケモレなく早く見付けることができます。

これができるのは、彼らがチェックすべきポイントと基準を明確に把握しているからでした。

「匠の工程管理」への挑戦フロー

匠の基準を見える化 監視体制を強化 ICT/IoTによる支援
  • ポイントと基準を明確化
    何を見て、何を聞き、何を触っているのか?「正常」との違いをどう判別するのか?を精緻に調査
  • ポイントと基準を文書化、設備化
    基準書と警報、現場表示などに反映
  • 監視にかける時間を確保
    ヒトやモノの配置、作業内容などを見直して探す・歩く時間を削減
  • 点検巡回を強化
    安全・保安・防災を含めて項目を見直し匠とのレベル合わせ
  • 監視ツールを導入、開発
    視覚は位置センサーや画像解析、聴覚・触覚は振動センサーなどのツールやシステムで監視
  • 解析システムを開発
    変化の兆しを検知して作業者へ通知

早く確実に正常復帰させる
判断処置

匠が持っている知識と経験

匠は設備や工程などの変化を、素早く確実に正常な状態に復帰させることができます。

これができるのは、彼らが迅速かつ的確に原因を特定して処置を行えるロジック(考え方や手順)と技能を身に付けているからでした。

「匠の工程管理」への挑戦フロー

匠のロジックを見える化 知識と技能を向上 ICT/IoTによる支援
  • ロジックを明確化
    原因を特定する考え方や手順、原因に応じた処置方法を整理
  • ロジックを文書化
    迅速かつ的確に行えるように工夫をした基準書と手順書を整備
  • 教育訓練を拡充
    ロジックの理解、匠のような対応に必要となる知識や技術・技能を効率的に習得できる仕組みづくり
  • 支援システムを開発
    原因特定~処置に必要な情報、ロジック、処置方法が記載された文書類を迅速に作業者へ提供

主な成果 スパンボンドの製造:原材料ロス35%削減、製品欠点75%削減。ブレスエアーの製造:原材料ロス40%削減、製品欠点70%削減(2010~18年度の取り組みより)

保安防災の取り組み

敦賀事業所

敦賀事業所では2018年9月に大きな火災が発生しました。その反省として、火災体験者の生の声をまとめ、問題点を整理して事業所で共有しました。それをもとに、それぞれの現場を点検・整備し、事業所全体で新しい設備の導入や消火活動の改善、体制の見直しを行いました。

この際にも、「3S(整理・整頓・清掃)」「トラブル低減」「教育」「品質」「スマート化」についてテーマ別分科会で議論し、全体会議で事業所全体の意思決定をするという生産革新活動の仕組みが役立ちました。

お客さまや地域にも大きな被害を出し、ご迷惑をお掛けしましたが、二度と火災を起こさないために、これらの記憶と経験を生産革新活動で伝承していきます。

また、敦賀事業所の教訓は、全社の防災ガイドラインの設定と防災設備投資にも生かされています。

残念ながら、2020年9月27日、犬山工場にて大切な従業員の命を失う大事故を起こしてしまいました。「安全」「防災」を当社グループの最優先課題として、これまでの保安防災活動に欠けていたこと、不足していたことなどを徹底的に究明し、今度こそ、このような事故を起こさない安全な会社にしていきます。