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食品製造業D社 商品開発センター

高いバリア性を持ち、電子レンジ使用可能な素材が見つからない

優れたバリア性により長期の賞味期限を確保。電子レンジにも対応。新商品開発が前進!

レトルト食品の製造、販売を行っているD社。戦略的売上拡大を目指し、参入していた介護用レトルト食品に徐々に軸足を移していくことになっていた。一方、担当営業にはD社の介護用レトルト食品に対して不満が寄せられていたが、売上アップを図るためにも、不満改善は急務であった。

課題

高いバリア性を持ち、電子レンジ使用可能な素材が見つからない

商品開発センターは、介護用レトルト食品の改善プロジェクトを早々に立ち上げ、営業から顧客の不満点についてリストアップを行いました。その結果、以下のような課題や要望があることがわかりました。

・えん下のことを考慮し、食品が細かく食べやすいとの声がある一方、食品の風味が薄く、物足りなさを感じる。

・外出を控えていることもあり、緊急事態に備えて買いだめをしているので、賞味期限をもっと長くしてほしい。

・食事の提供者の手間を減らし、事故を防ぐため、火を使いたくない。湯せんなどによる加熱ではなく、レトルトパウチのまま電子レンジで加熱できるようにしてほしい。

聞き取り調査をまとめると、パッケージ素材の改良で解決できる点も多いことが分かりました。そこで、賞味期限や電子レンジでの加熱問題については、バリア性の高いものや電子レンジに対応したものにそれぞれ素材変更の検討も併せて進めることにしました。

しかし、素材の変更には大きな問題があったのです。プロジェクトメンバーのH氏は次のように語ります。
「電子レンジで使用できる樹脂素材の透明レトルト包装を使用すると、バリア性が低下し、時間が経過するとどうしても風味が落ちてしまいます。いくら調理を工夫しても、今以上に賞味期限を延ばすのは困難です。またバリア性を考えると、アルミが使われているレトルト包装では賞味期限は伸ばせますが、電子レンジで使えるようにするのは難しいですね」

試行錯誤を繰り返すも、大きな改善は見られず、時間ばかりが過ぎていきました。

課題のポイント

  • 賞味期限を保ちつつ、電子レンジでも使える介護用レトルト食品を作りたい

  • 電子レンジで使える透明レトルト包装ではバリア性不足で賞味期限を維持できない。バリア性を確保したアルミレトルト包装では電子レンジで使えない

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