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新開発品紹介
近年、サステナブル社会の機運が高まっている中、プラスチックの環境への影響が注目されており、その中でもプラスチック製のパッケージングフィルムにおいては、リユース、リデュース、リサイクルの動きが、サーキュラーエコノミー(循環型経済)には重要になってきています。
弊社のパッケージングフィルムは、食品・飲料ボトルのラベル・レトルト・トイレタリー・雑貨包装等、幅広い用途に展開しており、二軸延伸された3素材と無延伸フィルム2素材の5素材を取り扱っております。その中で、弊社の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)は、帯電防止、艶消、パール、ヒートシール、無静防、鮮度保持があり、それぞれ製品の銘柄をラインナップしています。今回は、弊社OPPの新しい開発品「パイレン EXTOP® XP310」を紹介します。
XP310は、特に「モノマテリアル包装材料」に適したOPPになっています。包装材料は複数のフィルムをラミネートすることが多いため、フィルムの素材が異なると、リサイクル適性が低くなります。「モノマテリアル」は「単一素材」を表す言葉で、その目的はリサイクル適性を向上することであり、材料を循環使用し続けるためには、同種の素材で構成されることが好適になります。ただし、包装材料としては、その利便性や外観、食品を中心とした内容物の保護性、保存性、機械特性などの機能性、また安全衛生性が必要であり、これらの特性を維持・向上しつつリサイクル適性と両立させることが求められます。シーラントは、ヒートシール強度・エネルギーの観点から、ポリオレフィンを使用することが多いですが、表基材に一般的なOPPを用いると、熱収縮率が大きく加工適性(耐熱性)が低いため、高温でのシール適性が必要なチャック袋や高速製袋が求められる用途にはPETフィルムを使用することが多いです。弊社では、既に「高耐熱・高剛性OPP パイレン®-OT P2171」を上市・販売していますが、PETの代替としては「耐熱性の不足」と「厚みは20μmが最も薄く、PET-12μmに比べて重くなるため、プラスチック使用量が多くなる」という課題がありました。その課題を改善したのがXP310で、表1に示すように、P2171よりも(150℃)熱収縮率が低くなっていることが分かります。また、厚みも16μmですので、PET-12μmよりも軽くなり、モノマテリアルには適したOPPで減プラにも繋がると期待しています。
今回、ご紹介したXP310はパイレン EXTOP®の中の「超高耐熱グレード」になります。更なる性能の向上、付与も検討しております。
またパイレン EXTOP®には、より剛性を向上させた「超高剛性グレード」などがあります。それぞれ野菜包装用や帯電防止タイプなどのバリエーションがありますので、合わせて今後ご紹介したいと考えております。