本内容は医療従事者へ向けたものです
- すべて
- 製品情報
- 臨床
- 使用方法
-
OCPとは?
リン酸オクタカルシウム(octacalcium phosphate)の略です。
リン酸カルシウムの一種で、生体内で骨様アパタイトに不可逆的に転換されます。 -
なぜOCP/Collagenなのか?
OCP単独での課題である賦形性や操作性を改善させるため、Collagenと複合化しております。
-
コラーゲンは安全か?
ブタの真皮から抽出されています。安全性については、製造工程において、バリデートされた条件にてウィルス不活化を行っております。また、抗原性部位を除去するアテロ化処理も行っております。コラーゲンは、弊社の医療機器にて使用前例のあるものと同じで、試験にて生体適合性を確認しています。
-
ボナーク®は吸収するか?
生体内で分解吸収されます。
-
ボナーク®は多孔質か?
他のリン酸カルシウム系の材料は粒子中に細孔を持ちますが、本品はコラーゲンがスポンジ状になっており、全体に多くの細孔を持ちます。
-
ラインナップは?
ディスク:1枚/約0.1mlの10枚入り、ロッド:1個/約0.6mlの1個入りの2種です。
-
ロットとディスクの使い分けは?
特に指定はございません。臨床上の利便性に応じて使い分けてください。
-
柔軟性はあるのか?
血液や生理食塩水を吸うことで柔軟性を獲得し、曲面等にも沿うことが出来るようになります。
-
自家骨やほかの骨補填材との併用は?
治験では確認出来ておりません。
-
止血効果はあるか?
乾燥体を埋入した場合は一定量の血液を吸いますが、止血効果は確認出来ておりません。
-
埋入後の創部は?
閉鎖創にしていただくことを推奨しております。
-
軟組織に対する再生効果は?
現在確認されておりません。治験時、上顎洞粘膜剥離中に穿孔した径5mm以下の孔に対して、本品(ディスク)で穿孔部を覆うように設置し、処置が行われた例がございます。
-
埋入後何カ月でインプラント体の導入が可能か?
治験では上顎洞底拳上術(待機埋入)と抜歯窩温存術にて、ボナーク®を埋入して6ヶ月後にインプラント体を導入し、上部構造設置後4週経過時におけるインプラント体の動揺等を含むインプラント成功度は、各々96.0%、100%を示しております。また、即時埋入も実施しており、85.7%のインプラント成功度を確認しました。
-
治験で埋入トルク値が低い理由は?
下記2点が要因と考えられます。
①既存骨の骨厚が薄いため
②インプラント体を埋入するまでの6ヶ月の間に、ボナーク®はほぼ全て分解吸収されて新生骨のみとなるため 追加フォローアップとして、上部構造設置後4週経過時において、インプラント体の動揺等を含むインプラント成功度を評価し、96.0%以上の有効性を示しました。 -
ボナーク®はX線に映るのか?
ボナーク®はX線不透過像として映りにくく、通常診療における線量では、埋入・設置状態の確認は困難です。骨の再生に伴い新生骨が不透過像として映るため、再生骨の確認は容易です。
-
予後(インプラント体導入後)はどうか?
治験症例の内、学会にて経過報告があった約30例/47例については継続して予後のフォローが行われており、現状重大な問題の発生はありません。治験前に実施された臨床研究全2例において、両症例でボナーク®を埋入して約6年、および7年が経過しておりますが、予後は良好でトラブル等は発生していません。(2019年 学会発表時点)
-
顎裂症例での実績は?
治験において8症例に本品が使用され、全症例で骨欠損部の新生骨生成と永久歯の萌出、移動が確認されております。歯列矯正の開始時期も、自家骨移植術実施時と同等でした。
-
適用される症例は?
上下顎骨、歯槽骨の骨欠損部または空隙部への充填による骨再生治療を目的として使用されるものであり、以下に示す骨再生治療を含みます。
①顎裂における骨再生 ②インプラントの植立を前提とした骨再生 -
保管方法は?
室温(1~30℃)にて直射日光の当たらない場所で保管してください。
-
再使用してよいか?
禁止事項となりますためお止め下さい。また、再滅菌することも禁止事項となります。
-
使用期限は?
滅菌日より3年間となります。
-
使用に際して年齢制限はあるのか
治験では、7歳~68歳の患者様に使用されました。
-
抗がん剤との併用は可能か
確認出来ておりません。
-
放射線照射との併用は可能か
確認出来ておりません。
-
治験時の有害事象はどのようなものがあるか
治験機器漏出により、治験中止に至った症例が2例/62例ありました。いずれの症例も、創部の縫合不十分による哆開が原因とされ、本品との因果関係は無いと判断されております。
その他、有害事象の詳細は、「治験結果」ページをご覧ください。 -
切断して使用して構わないか
使いやすいサイズに加工してご使用いただけます。
-
嚢胞腔治療の際、保険は適用か?
現時点で口唇口蓋裂の顎裂治療のみ保険申請中です。嚢胞腔への保険適用は、今のところ申請予定はありません。
-
上顎洞底挙上術にてボナーク®を使用して造成された骨は、インプラント植立に対して十分な硬さがあるのか?
治験結果では、上顎洞底挙上術2回法で測定した症例の内、24週経過時において、78.1%がインプラント体埋入時の最大トルク値は20N・cm未満でした。ただし、その後の追加フォローアップ評価により、上部構造設置後4週経過時において、インプラント体の動揺等を含むインプラント治療の成功度は有効率96%でした。
-
ボナーク®単体使用での垂直方向の骨造成は可能か?
臨床実績はありませんが、開発元である東北大学の研究グループで実施したイヌ下顎骨欠損モデルではOCP/Col(ボナーク®と同等の組成物)+チタンメッシュを併用して使用し、歯槽骨頂付近まで垂直的骨造成が確認されました。OCP/Col単体の使用ではわずかに垂直的に骨が造成されていることが認められております。
-
ボナーク®は乾燥状態、浸潤状態のどちらで埋入する方が良いのか?
治験では他の要因を出来る限り排除するため、乾燥状態で使用しました。臨床での使用方法としては乾燥、湿潤の両状態での使用が可能ですが、臨床部位の状況によって判断する必要があります。詳細は、本品の添付文書の【補填時の注意】欄をご確認ください。
-
ボナーク®は浸潤状態では膨張するのか?
ボナーク®と同等程度の液体を吸水しますが、膨張はほぼしません。
-
ボナーク®の形状からすると埋入時に死腔が出来ると思うが、問題ないか?
治験ではボナーク®埋入後に多少の死腔は生じていましたが、治療成績に大きな問題は生じておりません。
-
ロッド体とディスク体は同じものなのか?使い分けは必要か?
全く同じものであり、裁断サイズが異なるのみです。
-
「ボナーク®埋入後は閉鎖創にすることをメーカー推奨とする」とのことだが、実臨床において抜歯窩温存術では全症例で閉鎖することは難しい。完全閉鎖しなくても良いのか?
治験時のプロトコールでは、閉鎖創にすることと設定しておりました。完全閉鎖しきれなかった抜歯窩温存術2例では、後日ボナークが漏れ出してしまい、プロトコール上その2例は中止としました。開放創での臨床データは今のところありません。
-
ボナーク®は骨伝導能があるのか?骨誘導能があるのか?
ボナーク®には骨再生における足場の役割に加え、細胞分化の一部を促進する特性があることが報告されております。
-
ディスク1枚入りなど少量販売はしないのか?
現在予定はありません。
-
臨床において、ボナーク®埋入6か月後にはどのくらい材料が残留していたか?
上顎洞底挙上術2回法でボナーク埋入6ヶ月後に生体組織診断を行った結果、症例ごとに多少上下動はあるものの、おおよそ新生骨50%、繊維性組織40%、その他10%でした。そのため、ボナーク®の残留割合は10%を超えないと考えております。
-
ボナーク®は埋入した分だけ骨が出来るのか?
治験担当医師のコメントによると、上顎洞底挙上術2回法の場合、ボナーク®埋入後6カ月の垂直骨幅は、ボナーク®埋入直後の高さから10~20%ほど目減りする可能性があります。
-
OCPとCollagenの重量比と体積比は?
重量比でおおよそOCP:Collagenは7:3です。
-
臨床にてボナーク®埋入後、母骨との境界付近にある新生骨はどのような構造を示しているのか?
治験症例におけるボナーク®埋入6か月後の生体組織診断では、ボナーク®埋入部は母骨に近い構造を示しており、「症例によっては母骨と新生骨の見分けが難しい」と治験担当医師よりコメントがあります。
-
ボナーク®とメンブレンを併用する際、メンブレンの素材や吸収性/非吸収性で相性の良し悪しはあるのか?メンブレンと人工骨が触れ合う部分には繊維性組織が多く生成されやすいのか?
動物実験によるボナーク®+チタンメッシュを併用した評価にて、繊維性組織がとりわけ多かったなどの報告はありませんでした。
-
ボナーク®埋入6ヵ月後のインプラント体埋入時の最大トルク値が低い理由として、元々の母床骨の厚さ、およびボナーク®によって再生した柔らかい骨が欠損部の多くを占めることが理由とされているが、インプラント体埋入後の再生骨は成熟して硬くなっていくのか?
ボナーク®埋入6ヶ月~1年後のCT値やISQを見る限り、再生骨が固くなっていくことが推定できます。
-
ボナーク®によって再生した部分にインプラント体を植立する際、ドリリング時に特別な方法を採る必要があるのか?
通法通りとなります。
-
広範囲支持型のインプラント体植立の際、保険は適用されるのか?
現在申請中の内容には含まれません。
-
ボナーク®はどのくらい骨欠損部に詰めるべきなのか?
骨欠損部に満遍なくボナークを埋入します。治験では骨欠損容積の100~150%を目安にボナーク®が埋入されました。
-
治験でボナーク®が使用された嚢胞とは、歯根嚢胞か?
治験では歯根嚢胞、顎骨嚢胞に適用されました。
-
嚢胞腔について、どの程度の大きさまでが適用か?
治験では直径5~25mmの嚢胞腔5例に適用され、全例にて評価基準以上の骨造成が認められております。
-
悪性腫瘍を治療中の患者へボナーク®を使用しても良いか?
治験では悪性腫瘍の患者は除外対象としております。そのため、現時点で臨床実績はありません。