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(1)iPCR法を用いる部位特異的変異導入の利点
部位特異的変異導入法(Site-Directed Mutagenesis)は、タンパク質の機能改変のみならず、蛋白質へのタグやストップコドンの挿入、及びプロモーターやシスエレメントの解析など、様々な実験に必須の手法となっています。ここでは、InversePCR(iPCR)法に基づく部位特異的変異導入法について、部位特異的変異導入キット「KOD -Plus- Mutagenesis Kit」を中心にプロトコール、及びコツをご紹介します。


変異導入は、大きく分けて3種類に分類することができます。また、部位特異的変異導入方法としては、iPCR法以外にも様々な方法が知られていますが、その中で最も広く行われている方法は、プライマー全体もしくは一部を相補的に重なるように設計し、PCR酵素を用いて熱サイクル反応を行い変異導入する方法です。この方法は、産物が指数的に増幅しないため、厳密にはPCR法ではありません(ここではNon-PCR法と表記します)。
表に比較を示しますが、iPCR法の方が優れた性能を示すことが分かります。iPCR法の難点とては、PCR法を用いるため、目的外変異(2nd-site mutation) が導入される確率がNon-PCR法に比べて高いことが挙げられます。 しかし、KOD -Plus- Mutagenesis Kitでは、極めて高い正確性を示すPCR酵素「KOD -Plus-」を用いることによって、目的外変異の導入ついては、他社のNon-PCR法キットとほぼ同等の値を示すように設計されています。
(2)KOD -Plus- Mutagenesis Kitを用いる変異導入の手順本キットを用いる変異導入の手順は以下のとおりです。
①Plasmid DNAを鋳型として、変異を導入したプライマーを用いてInverse PCRを行います(欠失変異体を取得したい場合には、その欠失させたい領域の外側を増幅するようにプライマーを設計します)。
②PCR産物に制限酵素Dpn Iを加え、鋳型Plasmidを消化します(Dpn Iは認識サイト(GATC)中のアデニンがメチル化されている時のみ切断を行います。一般的なDamメチラーゼ(+)の大腸菌株(JM109やDH5αなど)を用いて調製されたプラスミドはメチル化されており、Dpn Iにより切断を受けます)。
③直鎖状プラスミドであるPCR産物をSelf-ligationすることにより環状化した後、大腸菌を形質転換し、変異導入クローンを取得します。 |
2.iPCR法におけるプライマー設計のコツはコチラからご覧いただけます。
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