臨床的意義
本項目は酸・塩基平衡異常の代謝性変化を疑う時に検査します。
代謝性アルカローシス・アシドーシスとは、呼吸性の要因によらず、一次的に重炭酸イオンが増加・減少する病態をいいます。
血液のpHが変化すると、肺や腎の働きにより基準値へ近づけようとする二次的変化(代償)が生じます。呼吸性代償は、換気量の増減によって数時間の単位で完了し、代謝性代償は腎により数日を要します。
重炭酸イオン濃度は腎尿細管における再吸収量の増減により調整される。代謝性アシドーシスではHCO3-が減少するが、その減少分がCl-で補われるか、それ以外の陰イオンで補われるかは疾病、病態により異なり、その判別にアニオンギャップ(anion gap:AG)が用いられます。AGは、主な陽イオンの和[Na++K+]と主な陰イオンの和[Cl-+HCO3-]の差で求め、Cl-、HCO3-以外の陰イオン量を示します。一般に血清K濃度はNaに比べ小さく安定していることからAG=Na+-[Cl-+HCO3-]の式が用いられ、基準値は12mmol/Lです。
出典:臨床検査項目辞典 医歯薬出版株式会社
特長
- 血清・血漿検体で重炭酸塩濃度測定ができます。(動脈血採血不要です)
- 多くの自動分析装置に適用可能です。(一部適用できない装置があります)
- 液状濃縮試薬です。自動分析装置で自動希釈対応です。そのまま使用できます。
- 妨害物質の影響はほとんどありません。
- 開封後の保存安定性が良好です。(開封後安定性2~10℃保存で4週間安定)
測定原理
検体中の重炭酸陰イオン(HCO3-)はホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)とMg2+の存在下でホスホエノールピルビン酸と反応してオキサロ酢酸及び無機リン(Pi)を生成します。オキサロ酢酸はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MDH)によりリンゴ酸に還元され、同時に補酵素アセチルニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(還元型)が酸化されます。アセチルニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(還元型)の吸光度の低下は検体中のHCO3-濃度に比例します。その変化量を測定し、検体中の重炭酸塩濃度を求めます。

- PEP:ホスホエノールピルビン酸
- PEPC:ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ
- aNADH:アセチルニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(還元型)
- MDH:リンゴ酸デヒドロゲナーゼ
試薬の構成と包装
品名 | 製品コード | 主成分 | 包装 |
|---|---|---|---|
ダイヤカラー®・CO2 試液R1 | KTCO-801 | ホスホエノールピルビン酸 | 20ml×2本 |
ダイヤカラー®・CO2用標準液 | KTCO-002 | 重炭酸塩 | 15ml×1本 |
ダイヤカラー®・CO2用コントロール | KTCO-010 | 重炭酸塩 | 2水準各 |
試液および標準液、コントロールはそれぞれ別売りです
用法・用量
1. 試液調製法
- 試液R1:そのまま使用します。
- 標準液:そのまま使用します。
- 開封後の安定性:試液は2~10℃保存で4週間使用できます。
2. 適用可能自動分析機例
- 日立 7170,7180,7080,3100,LABOSPECT008,006
- キヤノン c8000,c16000,TBA-120FR
- 日本電子 BM6010,BM6050,BM6070,BM8040
- ベックマンコールター AU680,AU5800,AU480
- R1試薬自動希釈機能が必須です。