バイオメディカル分離膜
豊富な実績と用途に適したファインチューニング
当社は、1980年代から培ってきた技術と経験を活かし、さまざまな分野のニーズに対応しています。用途に応じた調整や設計が可能で、カスタムメイドの対応にも柔軟に取り組んでいます。
膜分離の種類と適応範囲
膜ろ過とは、供給液側とろ過液側を隔てる膜の壁にある、無数の微細孔や分子配列の隙間を利用して分離操作を行うものです。分離対象物の大きさと、ろ過の駆動力によって、逆浸透(RO=Reverse Osmosis)、ナノろ過(NF=Nano Filtration)、限外ろ過(UF=Ultra Filtration)、精密ろ過(MF=Micro Filtration)などに分かれます。

様々な性状の工程液で確実なウイルス除去を実現
十分なろ過量を確保
独自の膜構造により、夾雑物の目詰まりによる処理量低下を抑制し、十分なろ過量を確保します。
高いタンパク質回収率
素材の親水化によりタンパク吸着を抑制し、他素材と同様の高回収が可能です。
工程処理時間の短縮に寄与
効率的なろ過とタンパク吸着抑制効果により、工程処理時間の短縮に寄与します。

精密な孔径制御による独自の膜構造
- 精密な孔径制御により、ウイルスの捕捉と有用成分の透過を両立。
- 内側から外側にかけ孔径の異なる傾斜構造を構築し、目詰まりを抑制。

独自の膜構造により高いろ過容量を実現
IVIGを含む試験液をデッドエンドろ過した際のろ過時間に対する積算処理液量を示しています。一般的にろ過を行うと、夾雑物の目詰まりにより時間経過とともに処理量が低下します。
東洋紡ウイルス除去膜は、独自の膜構造により十分なろ過量を確保しています。ろ過20minの時点では、天然高分子中空糸膜、合成高分子平膜いずれをも超える処理液量を得ることができます。
ろ過時間120minの時点でも、合成高分子平膜を凌駕する処理液量を得ることができます。

IVIGを含む試験液をデッドエンドろ過した際のタンパク質回収率を示しています。東洋紡ウイルス除去膜は、素材の親水化により、タンパク質が表面に吸着されず、他素材と同様の高い回収率を示しています。効率的なろ過、かつ十分な有用成分の回収率から、医薬品の生産性向上やフィルター交換頻度の低減に寄与します。

ウイルス捕捉に関するテクニカルデータ
1. 処理圧力を上げたときのPP7除去能
高い圧力負荷の条件下でも十分に除去性能を保持しています。

2. pHを下げたときのPP7除去性能
低いpHの試験液でも十分に除去性能を保持しています。

3. IVIGのタンパク質濃度を上げたときのPP7除去性能
高いタンパク質濃度の試験液でも十分に除去性能を保持しています。

1〜3は、PP7とIVIGを含む試験液をデッドエンドろ過した際のPP7除去性能を様々な条件下で試験した結果です。

IVIG : Intravenous Immunoglobulin 静脈注射⽤免疫グロブリン、
PP7 : PP7バクテリオファージ細菌を宿主とするウイルスでパルボウイルスのモデルとされている
*東洋紡ウイルス除去膜タイプA・天然⾼分⼦中空⽷膜・合成⾼分⼦平幕が重なっています。
製品全体の特徴
軽量で取り扱いやすいDryタイプの中空糸膜です。中空糸膜束の仕様はお客さまのご要望に合わせて調整することができます。

導入事例:ワイン製造用中空糸ろ過膜

当社は、ワイン製造用中空糸ろ過膜を開発するなど、食品分野への用途拡大を行っています。
従来のワイン製造では、珪藻土を用いるろ過が行われてきましたが、最近では膜を用いた「クロスフローろ過法」が注目されています。当社の中空糸ろ過膜は、高い処理速度と耐久性を実現しており、欧州の大手プロセスメーカーとの共同作業やワイナリーでのフィールドテストを経て、欧州、南米など多数のワイナリーで採用されています。
血液や体液からの対象物質の分離を実現
血液中の有害物質を除去するアフェレシス向けの医療機器に複数の採用実績があります。
細孔径サイズを調整した様々な分画特性を有する中空糸膜が提供可能です。
陰性および陽性荷電を付与した荷電吸着を有する特別な仕様があります。
また、除去したい対象物質、目的に合わせた中空糸膜のカスタマイズも可能です。
1. 中空糸膜の細孔径を調整したサイズ分離
細孔径を調整することで、除去したい成分と保持したい成分の分離が可能です。拡散や濾過を用いることで対象物質の分離が可能です。

2. 中空糸膜への吸着による分離
中空糸膜への荷電付与により、血液および体液中の荷電物質を効率的に吸着、除去が可能です。疎水性相互作用を活用した吸着、除去も可能です。

様々な分画特性を有する中空糸膜ラインナップ
当社は、さまざまな分画特性の中空糸膜を取り揃えています。用途や除去したい対象物により、中空糸膜を選択することが可能です。

- 1 水系試験
- 2 ふるい係数:分子の透過度を表す指標。1.0は分子の100%透過を意味し、0は分子の透過がないことを意味する。