エクソソームは細胞から分泌される直径100nmほどの脂質二重膜を持った細胞外小胞の一種で、血液や尿などの様々な体液中に存在し、体中を循環しています。
エクソソームは生理活性物質を豊富に包含し、細胞間コミュニケーションを司る重要なメッセンジャーとなることがわかってきています。
がんをはじめ、あらゆる病気の診断や治療、さらには再生医療への応用が期待され、世界中で研究が活発化し注目を集めています。
当社のエクソソーム回収キット(CATAROSEV®)は、吸着・洗浄・溶出と、溶液を通過させるだけの簡便な作業ステップによりエクソソームの精製・回収処理を実現します。
CATAROSEV®は、約200nmの微⼩な孔を有する、陽電荷を帯びた分離膜です。まず、吸着ステップでは、陽電荷を帯びた分離膜に対して負電荷を持つエクソソームが静電的に結合する特性を利用し、エクソソームやマイクロベシクルなどの微粒子を選択的に吸着させます。これにより、生体由来試料中のタンパク質などの夾雑物の大半を除去します。
次の洗浄ステップでは、洗浄液を用いて残存する夾雑物をさらに除去します。
最後の溶出ステップでは、塩を含む溶出液により、吸着したエクソソームを選択的に溶出させ、純度の高いエクソソームを回収することができます。
※本比較は、特定の条件下において当社が独自に調査したものです。各手法の性能などについて保証するものではございません。
東洋紡が開発した新技術法のCATAROSEV®は、
従来の手法と比較して、作業時間が短く、操作性や回収量が優れる。
またエクソソームを豊富に含む50~150nmの粒子を選択的に回収できる。
※当社にて測定した実測値であり、保証値ではありません。
東洋紡が開発した新技術法のエクソソーム回収率は、超遠心分離法の1.5倍程度、競合法の10倍以上優れている。
超遠心分離法、新技術法(CATAROSEV®)により細胞培養上清から取得したエクソソームを超純水でそれぞれ適切な濃度に希釈し、NanoSight NS300により粒子径と粒子濃度の解析を行いました。
NanoSight(ナノサイト)とはNTA(Nano Tracking
Analysis)により溶媒中のナノ粒子のブラウン運動を可視化することで、ナノ粒子の粒子径や粒子濃度の解析を可能にする解析装置です。
溶媒中の粒子が様々な物質の混合物や粒子径のばらつく多分散系であるときでも、可視化技術によって得られたナノ粒子のブラウン運動観察ビデオを用いて各粒子径ごとの粒子数を測定できます。
※当社にて測定した実測値であり、保証値ではありません。
HEK293細胞培養上清から、超遠心分離法と新技術法(CATAROSEV®)で回収したサンプルを電気泳動した後、ウェスタンブロット(抗Tsg101抗体、抗CD63抗体、抗CD9抗体)により検出を行いました。
超遠心分離法よりも多くエクソソームを回収することができた。
新精製技術の特徴や開発背景、今後の展望について
共同開発者である瀬尾尚宏特任准教授にお答えいただきました。