医療機器事業部

本内容は医療従事者へ向けたものです

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Clinical trial results 治験結果 Clinical trial results 治験結果

東洋紡による企業治験の概要

治験の目的

歯科・口腔外科領域の上顎洞底拳上術、抜歯窩温存術、嚢胞腔、顎裂の治療を必要とする患者の骨欠損部に骨再生誘導材を埋入し、
骨再生誘導材としての有効性および安全性を評価する。

治験 評価内容の解説

インプラント治療の成功度
以下6項目全てに該当する場合「良」とした。
著しい感染がない、著しい炎症がない、インプラント体の動揺がない、著しい痛みがない、知覚障害がない、インプラント体周囲の骨吸収がない
インプラント体埋入の最大トルク値
インプラント体の最大トルク値が、20N・cm以上を「良」とした。
生体組織診断
新生骨が認められ、かつ組織学的に異常がないことを「良」とした。
垂直骨幅の変化
術前とボナーク埋入後24週時の垂直骨幅の差を測定した。
再生した骨のCT値
CT画像を用いて、150HU以上を「良」とした。
再生した骨の面積
CT画像検査により、術前の骨欠損断面積/ 24週時の再生骨が占める断面積 にて再生率を評価。0.5以上を「良」とした。

実施施設:9施設

対象疾患:以下のいずれかの歯科・口腔外科領域の治療を必要とする患者:(1)インプラント体埋入を前提とした上顎洞底拳上術を行う患者(2)インプラント体埋入を前提とした抜歯窩温存術を行う患者(3)嚢胞腔を有する患者(4)顎裂を有する患者

解析対象症例
(症例数)
主要評価項目 副次評価項目
評価方法 結果
(有効率)
評価方法 結果
(有効率)
上顎洞底挙上術
〈サイナスリフト〉
1回法 7例 〈上部構造設置後4週時〉
インプラント治療の成功度
85.7% 6/7症例 〈インプラント体埋入直後〉
①ISQ値
〈上部構造設置時〉
②インプラント治療の成功度
③ISQ値
④CT値
⑤垂直骨幅の変化
①-
②100%
③-
④-
⑤-
①63.7 ±12.8
②7/7 症例
③69.4 ±9.6
④266.9 ±108.4 HU
⑤7.9 ±2.5 mm
2回法 32例 〈ボナーク埋入後24週時
(インプラント体埋入時)〉

①最大トルク値*
②生体組織診断
①21.9%
②81.3%
①かつ②21.9%
①16.2 ±15.7 N・cm
② -
①かつ②7/32 症例
〈ボナーク埋入後24週時
(インプラント体埋入時)〉

①ISQ値
②CT値
③垂直骨幅の変化
①-
②96.7%
③-
①50.2 ±18.4
②295.8 ±89.1 HU
③10.6 ±3.7 mm
抜歯窩温存術
〈ソケットプリザベーション〉
8例 ①50%
②87.5%
①かつ②50%
①18.0 ±13.6 N・cm
② -
①かつ②4/8 症例
①-
②100%
③-
①66.0 ±13.9 HU
②373.4 ±188.3
③7.9 ±3.2 mm
のう胞腔 5例 〈ボナーク埋入後24週時〉
CT値
100% 427.4 ±83.3 HU 〈ボナーク埋入後24週時〉
骨再生率
100% 0.90 ±0.11
顎裂〈先天性疾患〉 8例 100% 431.8 ±115.5 HU 87.5% 0.78 ±0.27

※ 「最大トルク値」は既存骨の厚みや埋入窩作製手技に依存し変動することが判明したため、追加試験として「インプラント治療の成功度」を実施した。

追加試験の臨床成績(有効性):上顎洞底挙上術2 回法及び抜歯窩温存術を実施した患者を対象に追加フォローアップを実施し、インプラント治療の初期の成功度を評価した。

解析対象症例(症例数) 追加フォローアップの評価項目
評価方法 結果(有効率)
上顎洞底挙上術 2回法 25例 〈上部構造設置後4週以上経過時〉
インプラント治療の成功度
96% 24/25 症例
抜歯窩温存術 6例 100% 6/6 症例

安全性:(1)重大な不具合、有害事象 − 本品の臨床試験において、本品使用による重大な不具合・有害事象はなかった。(2)その他の有害事象 − 本品の臨床試験において、安全性の解析対象62名のうち、本品との関係性が否定できない有害事象は9名(19件)で、発現率は15%であった。これらの事象はいずれも軽度または中程度で、臨床試験期間中に回復した。治験中止に至った有害事象は、治験機器の漏出で、抜歯窩温存術の2名に発現した。当該事象は、いずれも軽度で、発現日と同日または3日後に回復した。

*出典:Kawai et al, Clinical study of octacalcium phosphate and collagen composite in oral and maxillofacial surgery. Journal of Tissue Engineering 2020;11:1-15