募集要項

2022年度 長期研究助成(留学、招聘)募集要項

公益財団法人東洋紡バイオテクノロジー研究財団(略称 東洋紡バイオ財団)

1. 助成の目的

若手研究者の研究を支援することを目的とする。主として研究者の海外派遣ないし日本への招聘のための滞在費の一部または全部を補助する(旅費のみの補助は、原則として行わない)。

2. 研究分野

生命科学における基礎研究一般、さらに、関連するメカトロニクス、材料技術、システム技術などの研究も含む。生命科学における独自性のある基礎研究であれば、研究対象、研究の方法は問わない。申請者独自の着想に由来するものを優先する。

3. 助成期間

1年間

4. 応募資格

対象:
  • 以下のいずれをも満足する者。
  • ①年令は、2022年8月31日現在満39歳以下であること。
  • ②初めての海外留学であること(2023年4月以降新たに海外留学に出立する者)。
    但し、2022年9月~2023年3月末に出立する者については、事情によっては助成の対象とする。
  • ③博士号取得者又は2023年4月までに取得見込みの者。但し、博士号取得者については、取得が2018年3月以降であること。
    但し、2018年3月より前の博士号取得者で、事情によって研究を離れていた期間があった際はご相談ください。
  • ④留学時に休職扱い又は退職となる大学職員(非常勤も含む)、公的研究機関の研究員など。
条件:
  • 満足する者。
  • 将来、研究、教育に従事する資格を有すると認められた者。
  • 海外での研究に十分な語学力を有すること(但し、日本に招聘する海外研究者を除く)。

5. 必要書類

(1)
  • 財団所定願書(財団ホームページよりダウンロード可能)を使用し、事務局まで電子媒体で申し込む。
  • 願書作成に当たっては、専門外の研究者にでも、内容の重要性、新奇性、オリジナリティがはっきりわかるように工夫すること。
  • また、推薦者は以下とする。
  • ①大学院生:本財団理事、評議員(学識経験者に限る)、または所属大学院の研究科長※
  • ②博士号取得者:本財団理事、評議員(学識経験者に限る)
  • ※大学院研究科長の推薦件数は1推薦者につき1件となります。
(2)
  • 研究員受入先研究機関の責任者の推薦書(Support Letter)。書式は自由。
  • 但し、当該文章には以下の内容を含有する事。
  • ① 申請者とのこれまでの係わり
  • ② 受入期間
  • ③ 研究テーマ
  • ④ 報酬の有無(ある場合はその金額)
  • ⑤ 署名

6. 助成を受けた者の義務

  • (1)消息については、留学先への到着及び帰国時に、住所及びE-mailアドレスなどを必ず報告する。
    また、留学中での研究機関の変更や住所変更等があった場合には速やかに報告する。
  • (2)研究成果(論文等)を財団に報告(送付)する。なお、研究成果(論文等)には財団より援助のあったことを明記する。
  • (3)帰国時には、留学中の研究の概要(留学先の了解を得たもの)、帰国後の所属先等を記述した報告書を提出する。

7. 助成金返還規定

本財団からの研究助成が決定した後、他機関よりの研究助成が重複したときは、本財団に研究助成金の返還を申し出ること。
これには、留学先研究室からの助成、支援は含まない。但し、留学先の支給条件の詳細を応募用紙1ページ目の「留学先での身分・報酬の有無」の欄に記述すること。例えば、「日本国内でのグラントを前提として不足分を最大$○○○まで支給」の様に。

8. 助成額

1年間として550万円とする。

9. 応募期間

毎年7月1日~8月31日

10. 助成発表

12月中旬までに本人に通知する。

11. 個人情報に関する事項

  • ① 当財団がこの長期研究助成に関して取得する個人情報は、選考作業や助成の可否の通知など本申請に関する業務に必要な範囲に限定して取扱います。
  • ② 当財団は本件助成が決定した場合、決定者に関する情報を一般公開いたします。
  • ③ 必要が無くなった個人情報については、事前・事後の承諾を得ることなく、削除・消去をいたします。
  • ④ 個人情報に関する窓口は次の通りです。 個人情報担当 事務局長 石田 由和
願書請求・送付先及び問合せ先
願書は、財団ホームページからダウンロード又は財団宛E-mailにてご請求ください。
問合せは、E-mailにてお願い致します。
  • 〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号 大阪梅田ツインタワーズ・サウス
  • 公益財団法人 東洋紡バイオテクノロジー研究財団 事務局
  • TEL:06-6348-4111
  • URL:https://www.toyobo.co.jp/biofund/
  • E-mail:bio_fund%toyobo.jp (%を@へ変更して送信ください)

パンフレット

2021年度長期留学助成金受贈者代表感想文

  • 大阪大学 大学院生命機能研究科
    山口 智子

    この文章を目にしている方は、これから研究助成金へ申請を検討されている方か、東洋紡財団関係者の方かと思われます。東洋紡バイオテクノロジー財団がどのような理念のもと支援事業を行なっているのか、どのような研究内容が採択されているのか、受贈式の様子を通してお伝えすることができたらと存じます。

    この度、東洋紡バイオテクノロジー研究財団・長期研究助成のご支援を受けて、海外留学の機会をいただきました。本年度の受贈者は、北村 友佳さん(埼玉医科大学大学院 医学研究科)、佐伯 翼さん(慶応義塾大学大学院 医学研究科)、豊田 康祐さん(熊本大学大学院 医学教育部)、および山口 智子(大阪大学大学院 生命機能研究科)の計4名です。贈呈式は令和4年2月21日に東洋紡本社役員会議室とのオンライン中継によって執り行われました。受贈者全員が参加し、東洋紡バイオテクノロジー研究財団 津村準二理事長、曽我部敦理事、石田由和常務理事・事務局長、そして選考委員会委員長 近藤滋教授にご出席いただきました。

    初めに、出席者紹介があり、石田事務局長が選考経過をご説明下さいました。今年度は22名の応募があり、10名の先生から成る選考委員会の選抜の後、理事を通して最終選考が行われたそうです。その後、津村理事長より本助成金贈呈の表彰をしていただきました。表彰は緊張感がありつつも非常に和やかな雰囲気の中行われ、財団役員の皆様の暖かいお人柄を感じました。続いて助成受贈者が自己紹介と研究の説明、留学先での抱負を述べました。受賞者の研究内容や留学経緯は様々です。贈呈式の時点で既にアメリカに約5ヶ月滞在し、精子が分化するメカニズムの研究をされている北村さん。難聴に関わる「内耳細胞」をiPSやES細胞から分化させ、単離・大量培養する手法をアメリカで研究される佐伯さん。家族と一緒にアメリカへ渡り、ウイルスが引き起こす血液性のガンについて研究される豊田さん。研究留学にはあまり馴染みのないチェコで、生命誕生初期のリボソームについて研究を行う山口。それぞれのタイミングで各自の抱負を胸に留学をスタートすることになりました。採択された研究内容は多岐に渡り、なぜこのような幅広いテーマを支援いただけるのだろうか、と疑問が湧いてきたところで津村理事長が東洋紡の歴史と東洋紡財団の生まれた経緯についてご説明して下さいました。

    1882年、東洋紡の前身である大阪紡が日本資本主義の父・渋沢栄一によって創立されました。渋沢栄一の座右の銘である「順理則裕」(道理に生きることが、すなわち繁栄につながる)は東洋紡の企業理念となっています。製糸業としてスタートした東洋紡ですが、度重なる不況と環境汚染問題に立ち向かうため1972年にバイオ事業を立ち上げました。当時、東洋紡バイオ事業の目的は環境汚染対策のために難分解性のリグニンを分解する方法を確立することでした。時代に合わせなすべきことをなし繁栄につなげる、これはまさに順理則裕の精神と言えましょう。その後東洋紡設立満100年を迎える1982年、当時の宇野收社長は記念事業の立ち上げを立案します。そこで交流のあった本庶佑教授と相談した結果「東洋紡百周年記念バイオテクノロジー研究財団」が設立されました。本庶教授といえば医薬品の「オプシーボ」の開発と2018年のノーベル医学生理学賞受賞で有名ですが、基礎研究や企業と大学の交流の重要性についても言及されています。東洋紡財団はまさに本庶教授の意志と東洋紡の企業理念を体現していると言えます。財団創立に本庶教授の意向が反映されていた事実に驚いたと同時に、より一層身が引きしまりました。

    近藤教授からは受贈者一人ひとりに激励のコメントをいただきました。近藤教授は本庶教授からのバトンを引き継ぎ、現在に至るまで選考委員長を10年ほど務められています。教授は私が所属する大阪大学生命機能研究に御所属で、その業績もさることながら楽しそうに研究を語られる姿が非常に印象的です。魚の縞模様に関する研究を自宅の水槽で行い、指導教官に秘密で国際学術誌のNatureに論文を投稿したエピソードはあまりに有名ですが、受贈者全員の研究に対する的確なコメントと幅広い知識量に改めて感銘を受けました。ここでは研究内容に関する言及は割愛しますが、我々の不安の種である語学はご自身の経験とユーモアを交えながら勇気づけて下さいました。また、筆者の研究テーマに対しては「非常に面白いテーマだけれどチャレンジングだ、研究業界は生き残るために上手くやらないといけない、僕もすごく考えて頑張ったのであなたも頑張ってください」とコメントいただき、活躍されてきた教授の「僕も頑張った」という言葉に鼓舞されました。

    最後に、参加者全員で写真撮影を行いました。近藤教授曰く、本来であれば撮影後「普段我々の手が届かない高級フランス料理」が待っていたそうなのですが、今回は非常に残念ながらコロナによって中止となりました。しかし、コロナが収まれば全員が直接面会できる機会を設けると津村理事長が力強くお約束して下さいました。コロナが猛威を奮う中での留学とはなりましたが、頂いた研究留学の機会を十分に活かし、無事帰国した際には皆様と笑顔でお会いできる未来が待っていることを願っております。最後になりますが、貴財団の今後益々のご発展を祈念いたしますとともに、貴重な海外留学の機会を与えてくださったことへ心から感謝申し上げます。

    大阪大学 大学院生命機能研究科
    山口 智子

東洋紡バイオテクノロジー研究財団については下記よりお問い合わせください。