気候変動

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脱炭素社会&循環型社会
エネルギーをみんなに そしてクリーンに つくる責任 つかう責任 気候変動に具体的な対策を

基本的な考え方

地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2021年に英国・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において「グラスゴー気候合意」が採択されました。最新の科学的知見を取り入れ、気温上昇を2℃よりも影響が小さい1.5℃に抑える努力をすることが盛り込まれ、世界がそれを目指して取り組むことが事実上の目標となりました。そのためにはこの10年が決定的に重要であることや、温室効果ガスの排出量を世界全体で2030年までに2010年比で45%削減し、2050年にはネットゼロを目指すことの重要性も確認されました。

当社グループでは、気候変動を非常に大きな社会課題であると認識しており、事業にも大きな影響を及ぼすと考えています。「パリ協定」や「グラスゴー気候合意」を支持し、世界の1.5℃目標と整合性のある「2050年度までにカーボンニュートラルを実現すること」を目指しています。

また、気候変動に関するの解決に向けては、お客さま、お取引先さま、業界、地域社会・国や社会全体との協働が重要であると考えています。当社グループは、様々なステークホルダーのみなさまと議論や対話を行い、 ”2050年のカーボンニュートラル”および”パリ協定の目標”の実現に向けて連携して取り組んでいます。

  • パリ協定:COP21(2015年)で採択された、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際枠組みです。歴史上はじめて、全ての国が参加する公平な合意で、気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃に抑えるという目標などが含まれています。

体制

気候変動に関する課題の最高責任者は、代表取締役社長兼社長執行役員としています。
取締役会は、サステナビリティ委員会で審議した気候変動に関する方針や重要事項について定期的に報告を受け、監督・指導を行っています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、気候変動課題を含む全社的な課題やリスクを取り扱っています。2022年度は、サステナビリティ委員会を4回開催し、その結果を受け取締役会において定期報告のほか臨時報告を合わせて計5回の報告を行いました。この結果、取締役会での決議の下、2022年5月に「サステナブル・ビジョン2030」を公表し、更に2023年4月には、経済産業省が設立した「GXリーグ」に正式参画しました。

目標

事業活動における温室効果ガス(GHG※1)排出量(Scope1、2※2)については、2050年度までにネットゼロとすることを目標としています。脱炭素社会実現に向けた機運の高まりを受け、2022年5月には、取締役会の決議を経て中間目標である2030年度のGHG排出量削減率の目標を従来の30%以上削減から「2013年度比46%以上削減」に引き上げました。

また、脱炭素社会の実現に貢献するため、自社の活動に関連するバリューチェーン全体のGHG排出量の削減を進めるとともに、当社製品やサービスによるGHG削減貢献量の拡大を進めます。

Scope1、2に関する目標 事業活動からの排出量の削減目標

Scope1、2に関する目標 事業活動からの排出量の削減目標

バリューチェーン全体の目標
(2050年度、製品・ソリューションを通じた貢献を含む)

バリューチェーン全体の目標(2050年度、製品・ソリューションを通じた貢献を含む)

SBTの取得

2022年12月、当社グループのGHG排出量削減目標が科学的根拠に基づいた目標(Science Based Targets)※3であるとして、世界的なイニシアチブであるScience Based Targets(SBT)イニシアチブより認定を取得しました。

Science Based Targets

今回認定を取得した目標は以下の通りです。

区分 目標 進捗(2022年度実績)
Scope1、2 2030年度までにGHG排出量を2020年度比で27.0%削減 2020年度比で0.9%削減
Scope3※4 2030年度までにGHG排出量を2020年度比で12.5%削減 2020年度比で107.2%増加

なお、Scope1、2についての目標は2030年度までにGHG排出量を2013年度比で46%以上削減することに相当します。

  • GHG: Greenhouse Gasの略語
  • Scope1: 事業者自らによる直接排出
    Scope2: 他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  • 科学的根拠に基づいた目標(Science Based Targets): パリ協定の目標(産業革命前からの世界全体の平均気温の上昇を2℃より十分下方に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力を継続すること)を達成するために最新の気候科学で必要と見なされる水準に沿った温室効果ガス排出量削減目標のこと
  • Scope3: Scope1、Scope2以外の間接排出。今回認定を取得したのは、購入した製品やサービスに関連する活動(製造など)、販売した製品の使用に伴う温室効果ガスの排出

実績

Scope1、2

当社グループの事業活動におけるGHG排出量(Scope1、2)の約7割は、3拠点(敦賀、岩国、犬山)からの排出が占めています。

2022年度実績はScope1、2の合計で894千トン-CO₂(2013年度比26.4%削減)となりました。売上高が6.4%増加する中、省エネ活動や生産効率向上施策を推進し、GHG排出量を2021年度と同水準未満に抑えました。

項目 2030年度目標 2022年度実績
GHG排出量 Scope1、2(連結) 46%以上削減(2013年度比) 26.4%削减(894千トン-CO2

連結: 東洋紡(株)と連結子会社の合計

GHG排出量

GHG排出量

GHG排出源別割合

GHG排出量

事業者クラス分け評価制度:Sクラス評価

事業者クラス分け評価制度は、経済産業省が主導する取組みで、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)の定期報告を提出するすべての事業者をS(優良事業者)・A(更なる努力が期待される事業者)・B(停滞事業者)・Cクラス(要注意事業者)の4段階にクラス分けするものです。

当社グループでは、東洋紡(株)、豊科フィルム(株)、東洋クロス(株)、日本エクスラン工業(株)の4社が省エネルギー機器の導入などにより省エネ目標を達成し、Sクラスの評価を受けました。

東洋紡(株)
:2019年度から4年連続
豊科フイルム(株)
:2019年度から4年連続
東洋クロス(株)
:2018年度から5年連続
日本エクスラン工業(株)
:2022年度

Scope3

2022年度実績は、Scope3の合計で5,290千トン-CO2となり、前年度に比べて約55%増加しました。増加の主な要因はカテゴリ1と11の増加です。カテゴリ1は、原材料や原燃料価格の高騰などの影響を受け2021年度よりも排出量が増加しました。カテゴリ11はVOC処理装置による排出量が大きく増加したことが主な原因です。世界的な EV 化に伴うリチウムイオン電池 (LIB) の需要拡大を受けて、LIBセパレータ工場向けVOC処理装置の販売量が堅調に推移したことにより、カテゴリ11も増加しました。

Scope3のカテゴリ別排出量
カテゴリ 排出量(千トン-CO2
1.購入した原材料・サービス 2,055
2.資本財 55
3.Scope1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 113
4.輸送・配送(上流) 50
5.事業から出る廃棄物 53
6.出張 7
7.雇用者の通勤 6
8.リース資産(上流) 対象外
9.輸送・配送(下流) 算定から除外(出荷先までの排出量はカテゴリ4に含む)
10.販売した製品の加工 非開示
11.販売した製品の使用 2,745
12.販売した製品の廃棄 207
13.リース資産(下流) 対象外
14.フランチャイズ 対象外
15.投資 排出量が極めて少ないため非開示
5,290

第三者による保証の取得

当社グループは、情報の信頼性を高めるため、2022年度のScope1,2とScope3の一部、およびエネルギー量のデータを対象としてKPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けています。

取り組み(事業活動領域)

Scope1、2の削減

カーボンニュートラルへのロードマップの策定

カーボンニュートラル実現に向けたScope1、2削減計画(カーボンニュートラルへのロードマップ)を策定しました。計画を基に、中間目標(2030年度)を「2013年度比46%以上削減」へ引き上げ、削減活動を進めます。2030年度に向け事業拡大に伴い生産量が増え、成り行きシナリオではGHG排出量が増える可能性があります。そこで、省エネルギー化(生産効率向上含む)、燃料転換等(脱石炭)、再生可能エネルギーを含む電力の最適化などによりScope1、2を2013年度比46%以上削減しエネルギー消費量及びGHG排出量の総量削減を目指します。なお、主なGHG削減施策による削減寄与度は、以下の通りです。

主な削減施策 削減寄与度(貢献度合い)
燃料転換等(脱石炭) 約40%
その他
・省エネルギー化(生産効率向上)
・再生可能エネルギーを含む電力の最適化
約60%
  • 特段のGHG排出削減対策を行わなかった場合を指す
カーボンニュートラルへのロードマップ

カーボンニュートラルへのロードマップ

省エネルギー化の取り組み

東洋紡(株)の共通目標として、エネルギー消費効率を年1.0%以上改善することとしています。2022年度も様々な省エネルギー取り組みにより、目標を達成しました。具体的には、自家発電所や生産ラインへの排熱利用装置の追加や、省エネ機器の導入によるものです。また、特にGHG排出量の多い3拠点(敦賀、岩国、犬山)では、この共通目標よりもさらに高い目標を掲げ、積極的なエネルギーの削減に取り組んでいます。

さらに、当社グループの主力事業所・工場を構成員とした「エネルギー使用効率化委員会」を本社主催で毎月開催し、各拠点の省エネルギー活動状況をモニタリングしているほか、省エネルギーに関する教育(ノウハウ共有など)を実施しています。また、各委員メンバーは、各工場現場において、簡易監査(省エネパトロール)を適宜実施して、活動レベルの維持・向上を図っています。

  • 省エネ法に則った売上高や生産量あたりのエネルギー消費量

燃料転換(脱石炭)の取り組み

低炭素に向けたトランジション(移行)として、自家発電設備の燃料転換(脱石炭)やガスコージェネレーションシステム※1の増設を進めています。具体的には、岩国事業所において自家火力発電所を更新し、燃料を石炭から液化天然ガスおよびRPF※2に転換します。2023年度に稼働予定で、GHG排出量を年間約8万トン-CO2※3削減できる見込みです。また、犬山工場においてもガスコージェネレーションシステムを増設し、2023年8月から稼働させました。燃料転換の取り組みとともに、犬山工場全体のエネルギー効率を向上させます。

その他の事業所においても、燃料転換をはじめとするGHG削減施策を進めています。

将来の自家発電などの動力・ユーティリティ設備や再生可能エネルギーへの設備投資は、インターナルカーボンプライシング(ICP)制度を活用し、「カーボンニュートラルへのロードマップ」に沿って行う予定です。

  • 1 天然ガスなどを燃料として、必要な場所で電気をつくり、同時に発生する熱エネルギーで蒸気や温水を作り生産プロセス・給湯・冷暖房などに有効利用する仕組み
  • 2 Refuse derived Paper & Plastic densified Fuel の略。古紙・廃プラスチック類を主原料とした固形燃料
  • 3 GHG排出量は、温対法調整後排出量の考えに基づき計算

再生可能エネルギーの導入

各事業所・工場において、建物の屋根や遊休地を活用した太陽光発電の設置を進めています。犬山工場では太陽光発電設備を2023年3月に稼働し、2022年度の発電量は約50MWhでした。また、宇都宮工場においても太陽光発電設備の稼働を予定しています。その他の工場や事業所でも導入の検討を進めています。

[犬山工場の取り組み]

犬山工場の取り組み

犬山工場の屋上に設置された1,608枚の太陽光パネル
発電出力は495kW

犬山工場では「サステナブルな工場を目指して」というスローガンを掲げ、エネルギーの効率化、省エネ設備の導入、再生可能エネルギーの活用などに取り組んでいます。今回はPPA(電力販売契約)の仕組みを活用し、約500kWの太陽光発電設備を新たに導入しました。また、電力の使用量及び発電量をリアルタイムで確認できるモニターを事務所内に設置するなど、社員の意識向上にも取り組んでいます。今後は燃料転換等も予定しており、サステナブルな工場を目指し、引き続き様々な取組みを検討・導入して参ります。

  • PPA(Power Purchase Agreement)(電力販売契約)
    企業等が保有する施設の屋根や遊休地を事業者が借り、無償で発電設備を設置し、発電した電気を企業等が施設で使うことで、電気料⾦とCO2排出の削減ができます。

担当者の声
PPAは当社では初めての試みでしたので、太陽光発電設備メーカーや、本社、工場内の製造部門とも連携し、いろいろな方の協力を受けながら設置しました。特に苦労したのは、既存電気系統への影響を考慮しながらの当該設備の接続でした。結果として価格高騰が続いている電気代の削減にもつながり、苦労がさらに報われました。

取り組み(バリューチェーン全体)

Scope3の削減

当社グループではScope3の削減を目指し、特に排出量の大きいカテゴリ1※1とカテゴリ11※2の削減に注力しています。

カテゴリ11においては、VOC回収装置※3へ新技術や省エネ技術を導入しユーティリティ(蒸気、電気等)使用量を抑制することで、GHG排出量の削減と同時に、環境負荷の低減も進めています。

Scope3の削減

  • 購入した製品・サービスに関連する活動(製造など)に伴う排出
  • 販売した製品の使用に伴う排出
  • 吸着法、吸収法または冷却法などでVOC(Volatile Organic Compounds)を除去し、VOCを液状の有機溶剤として回収する装置。VOC分解由来のCO2排出量がゼロである上に、回収した有機溶剤を再利用できる特長がある。VOCはトルエン、酢酸エチル、ジクロロメタンなどの揮発性有機化合物の総称。大気汚染を引き起こし、喘息などの健康被害を及ぼす原因となっている。

削減貢献量の拡大

当社グループ製品の多くは素材などの中間材です。この中には、GHG削減に貢献するものも多数あります。その代表的な当社グループの中間材や技術として、海水淡水化に使用される逆浸透膜(RO膜)や、大気汚染や人体への影響が懸念されるVOC(揮発性有機化合物)の排出を抑制するVOC処理装置などが挙げられます。これらのライフサイクル全体におけるGHG削減貢献量を定量的に把握すべく算定を進めています。

2022年度には、社内の算定ルールの統一や算定対象製品の拡大を目的として、GHG削減貢献量の算定手法などをまとめた自社のガイドラインを整備しました。当社では日本LCA学会の「温室効果ガス排出削減貢献量算定ガイドライン」に準拠して自社ガイドラインを策定し、それに則った計算方法で削減貢献量を算出しています。また、経済産業省の「温室効果ガス削減貢献量定量化ガイドライン」なども参考にしています。

今後もGHG削減に貢献する製品の拡販および技術開発を進め、削減貢献量の拡大を推進します。

なお、削減貢献量の算定結果の詳細は、以下の項目をご覧ください。

  • 当社グループの製品がお客さまに使用されることで、従来の技術に比べて削減できるGHG排出量

物流における省エネの取り組み

物流におけるCO2排出量原単位を、毎年、前年度比で0.5%削減することを目標としています。

物流部門では、2006年からグリーン物流推進プロジェクトを立ち上げ、品質向上、コスト合理性とともに、省エネルギー、省資源、地球温暖化防止など環境保全に継続的に取り組んでいます。これまで、物流に関わる環境負荷低減のため、事業所の最寄り港を活用することによる輸送距離の短縮や、荷物を効率的に積み合わせ、まとめて輸送することによる車両の走行台数削減など、さまざまな取り組みを実施してきました。また、トラックでの輸送よりもエネルギー原単位が小さく、CO2排出量の少ない船舶輸送や鉄道輸送の積極的な利用も進めています。

2019年から物流システムの導入を進めています。配車シミュレーションによる最適な配車組みを行い、さらなる積載効率の向上に努めています。

これらの取り組みの結果、2022年度のCO2排出量原単位は前年比約5%削減できました。

気候変動対策の強化

カーボンニュートラル推進体制

2021年4月、カーボンニュートラルの実現に向けた戦略策定と推進を目的として、「カーボンニュートラル戦略検討会議」および「カーボンニュートラル戦略検討クロスファンクションチーム(CN-CFT)」を設置しました。

カーボンニュートラルの実現に着実に取り組んでいくために、全社横断的なメンバーで構成されるCN-CFT内にワーキンググループ(WG)を設置し、取り組みを進めました。

2023年度からは、委員会体制を見直し、新たに「気候変動・生物多様性委員会」を設置しました。国際的なサステナビリティ基準等も視野に入れ、全社的な気候変動対応を進めます。

CN-CFT WGの成果

  • SBT認定取得
  • カーボンニュートラルへのロードマップ策定(~2050年度)
  • インターナルカーボンプライシング制度導入

インターナルカーボンプライシング制度の導入

2022年4月よりGHG排出量を自社の基準で仮想的に費用換算し、設備投資判断の参考とする「インターナルカーボンプライシング制度」を導入しました。今後、当制度を投資判断の基準の一つとして活用していくことで、低炭素・脱炭素設備、省エネ投資はもとより開発設備への投資など、GHGの排出量削減に貢献する投資を加速していきます。

当社のICP制度の概要

社内炭素税価格 10,000円/トン-CO2
対象案件 CO2排出量の増減を伴う設備投資、開発設備投資
適用方法 対象となる設備投資計画(開発用設備を含む)によるCO2排出量の増減につき、社内炭素価格を適用した費用を算出し、投資判断の参考とする

TCFD提言に基づく情報開示

当社グループでは、気候変動が当社グループやステークホルダーにもたらす影響の大きさを認識するとともに、「脱炭素社会&循環型社会」をマテリアリティの一つとして特定しています。2020年1月には、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosure:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、同提言にのっとった取り組みと情報開示を進めています。

2022年度は、シナリオ分析の対象を全事業に拡大し、2℃未満シナリオ(脱炭素社会移行シナリオ)と4℃シナリオ(気候変動進行シナリオ)を踏まえ、気候変動に特化した当社グループのリスク・機会の抽出を行いました。その中でも特に重要であると認識したリスクと機会については、財務影響の試算を行っています。詳細は、統合報告書をご覧ください。

「統合報告書2023」TCFDに基づく開示(461KB)

脱炭素社会の実現に貢献する技術開発

浸透圧発電プラントに利用される中空糸型正浸透膜

浸透圧発電プラント

浸透圧発電の仕組み

再生可能エネルギーである、高塩濃度地熱水を利用した浸透圧発電に注目が集まっています。当社グループは、この発電の基幹部に用いられる正浸透膜(FO膜)を開発し、デンマークのベンチャー企業SaltPower社の浸透圧発電プラントに採用されました。

2023年4月には、デンマークにあるNobian社の製塩工場に設置され、稼働しています。

地熱水浸透圧発電は、地下からくみ上げた高塩濃度の地熱水が持つ高い浸透圧を利用します。太陽光や風力に比べ天候や昼夜に左右されないという特長があります。さらに、燃焼時に排出される窒素酸化物や硫黄酸化物のような有害物質も全く排出されません。

その他詳細については、以下のニュースリリースをご覧ください。

ステークホルダーのみなさまとの協働

気候変動問題の解決に向けては、お客さま、お取引先さま、業界、地域社会・国や社会全体との協働が重要であると考えています。様々なステークホルダーのみなさまと議論や対話を行い、2050年のカーボンニュートラルおよびパリ協定の目標の実現に向けて連携して取り組んでいます。

お取引先さまとの対話・協働

当社グループでは、「CSR調達ガイドライン」を制定し、お取引先さまに対して、サプライチェーン全体で持続可能な社会の発展を支える取り組みへのご協力をお願いしています。なお、「CSR調達ガイドライン」では、お取引先さまに対して、以下のような気候変動課題の解決に向けた取り組みを含む環境活動の維持・強化をお願いしています。

  • GHGの排出削減に努め、気候変動の緩和に取り組むこと
  • 水やエネルギーの利用における効率向上など、資源の有効活用や省エネに努めること

また、当社グループの調達部門では、「CSR調達ガイドライン」に基づく「CSR調達アンケート」を実施し、GHG排出量削減への取り組み状況などをモニタリングしています。アンケートの結果、課題のあるお取引先さまについては改善を依頼させていただいています。最新のアンケート結果とその対策(是正措置)は、以下の項目をご覧ください。

気候変動課題に特化した団体等へ参画

GXリーグ

当社グループは、日本政府が公表した「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ基本構想」に賛同しています。GXとは、2050年カーボンニュートラルや2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた経済社会システム全体の変革を指しています。

2022年度は、日本政府(経済産業省)が主催する対話の場とルール形成の場に参加し、政策立案者との意見交換を行いました。これを経て、取締役会において2023年4月から本格稼働する「GXリーグ」への参画を決定しました。当社グループは、脱炭素に向けた社内取り組みを加速させ、GXに積極的に取り組む企業と共に、行政や大学、金融機関等と一体となって、経済社会システム全体の変革を目指します。

Green x Digital コンソーシアム

当社グループは、社会全体でのカーボンニュートラルの実現に向けて、デジタル技術を活用した新しい社会作り・市場創造を目指す「Green x Digital コンソーシアム」に参画しています。

経団連カーボンニュートラル行動計画

当社グループは、日本化学工業協会の所属団体として、経団連の「カーボンニュートラル行動計画」に参画しています。同協会の活動を通じて、日本政府の気候変動に関する方針を確認し、当社グループの方針に反映しています。同協会とは、政策への意見提出等、さまざまな気候変動対策への取り組みを共同で実施し、脱炭素社会の実現を目指した活動を行っています。

経団連『チャレンジ・ゼロ』宣言

当社グループは、経団連の「『チャレンジ・ゼロ』宣言」に賛同し、挑戦するイノベーションの具体的な取組みを公表しています。