気候変動

地球温暖化に関する長期ビジョン

近年、地球温暖化に伴う気候変動の影響が、台風や集中豪雨といった自然災害の増加や亜熱帯化による生態系の変化といった形で顕在化しています。こうした中で、2015年12月にはCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」が採択されました。また、世界中で、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別する「ESG投資」が拡大しています。

当社グループでは、地球温暖化・気候変動を事業活動の継続に関わる大きなリスクの一つと認識し、2050 年度までの温室効果ガスの排出量をネットゼロ(実質ゼロ)とする「カーボンニュートラルの実現」を目標に掲げています。

事業活動における温室効果ガス排出については、生産活動おける生産効率向上や燃料転換などに取り組むことで排出量削減を推進するとともに、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を進め、2050年度までにネットゼロ(実質ゼロ)を目指します。

また、製品の軽量化や原材料の見直し、グリーン物流の推進等によりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組むとともに、当社独自の製品・技術によるソリューションを通じた温室効果ガスの削減貢献量拡大を進めます。

これらの製品や技術による温室効果ガス削減効果を削減貢献量として算出し、2050年度までにバリューチェーン全体での排出量以上とすることでカーボンニュートラルの実現に貢献します。

主な施策

主な施策

マテリアリティ
関連するESG:E:環境 SDGs7SDGs13
温室効果ガス削減

カーボンニュートラル戦略推進体制

当社は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた当社グループの戦略策定と推進を目的として、「カーボンニュートラル戦略検討会議」および「カーボンニュートラル戦略検討クロスファンクションチーム」を2021年4月1日付で設置しました。

全社一丸となってカーボンニュートラルの実現に着実に取り組むにあたり、「カーボンニュートラル戦略検討会議」により、以下の3つの視点から当社グループの戦略とマイルストーンを策定します。そして、長期的な目線から部門の垣根を越えた活動を進めるため、全社横断的に組織される「カーボンニュートラル戦略検討クロスファンクションチーム」により、イノベーションの促進、アライアンスの推進、研究開発の加速、新たなソリューションビジネスの創出など、実質的な施策の検討・実施を進めていきます。

カーボンニュートラル戦略策定の視点
①当社グループの生産活動に伴う温室効果ガス排出量の最小化を目指す
②当社グループの提供するソリューションにより、温室効果ガス排出量削減、ひいてはカーボンニュートラルに貢献する
③温室効果ガスの回収・分離などの技術開発に注力する


品質保証本部

TCFDへの賛同およびTCFDコンソーシアムへの参画

東洋紡グループは、2020年1月、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:以下、TCFD)の提言へ賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関からなる「TCFDコンソーシアム」に参画しました。

TCFDは、主要25カ国・地域の中央銀行、金融監督当局などの代表を参加メンバーとする金融安定理事会(FSB)により設置され、その提言において、企業・団体などに対し、気候関連のリスクや機会について情報を開示することを推奨しています。わが国においても、経済産業省により「気候関連財務情報開示ガイダンス(TCFDガイダンス)」が公表されるなど、TCFD提言への対応に向け整備が進められています。

当社グループは、企業の「めざす姿(Vision)」として「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」になることを掲げています。その一環として、気候関連の課題解決につながる製品・サービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らも長期的に成長することを企図しています。2019年には、「地球温暖化に関する長期ビジョン」を定め、2050年度の温室効果ガス排出量をネットゼロ(2013年度比)にすることなどを目指しています。

このTCFD提言への賛同表明とコンソーシアムへの参画を機に、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、分析と対応を一層強化し、関連情報の開示を拡充することで、ステークホルダーの皆さまへの説明責任を果たしていきます。

温室効果ガスの削減

地球温暖化に関する長期ビジョン制定によって、2030年度までの中間目標を従来の「17%削減」(2013年度比)から、より高いレベルの「30%削減」(2013年度比)としました。これにより、従来年1%削減(2013年度比)としていた短期目標を、年1.8%削減(2013年度比)に引き上げました。

また、2019年度には、当社最大の研究開発・生産拠点である敦賀事業所に、当社グループで4台目となるガスコージェネレーション設備を建設しました。2019年度から稼働しており、温室効果ガス排出削減をさらに推し進める見込みです。

GHG排出量

2019年度の排出量は、Scope1※1、Scope2※2の合計で約873千トン-CO2となり、前年度比で3.4%減、基準年度(2013年度)からは28.1%減となりました。主に、近年導入を進めてきたガスコージェネレーション設備※3の効果や生産効率の向上によるものと考えています。

スコープ1,2 GHG排出量(国内・海外)

スコープ1,2 GHG排出量(国内・海外)

  • ※1 事業者自らによる直接排出
  • ※2 他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  • ※3 クリーンな都市ガスを燃料とし、発電時に出る廃熱で蒸気や温水を発生させ、生産プロセス・給湯・冷暖房などに利用する仕組み
  • ※4 国内合計:東洋紡(株)と国内連結子会社の合計
  • ※5 海外合計:海外連結子会社の合計

スコープ3排出量

サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量(2019年度)

スコープ3排出量の排出イメージ図

  • ※ Scope1+Scope2(グローバル)、Scope3(東洋紡(株))

サプライチェーンにおいては、原材料の購⼊に伴う排出量が最も多いことから、今後もグリーン調達を進めていきます。

エネルギー消費量

2019年度のエネルギー使用量は、11,468千GJで、昨年度比6%減となりました。主な要因は、グループ会社に導入したガスコージェネレーション設備などです。

生産における温室効果ガス排出削減活動

敦賀事業所 ガスコージェネレーション設備

敦賀事業所 ガスコージェネレーション設備

2019年度は、当社最大の研究開発・生産拠点である敦賀事業所に、当社グループで4台目となるガスコージェネレーション設備を建設しました。2019年度から稼働しており、温室効果ガス排出削減にさらに寄与する見込みです。

物流における省エネの取り組み

トラック輸送と船舶輸送の図

物流におけるCO2排出量原単位を、毎年、前年度比で0.5%削減することを目標としています。

物流部門では、2006年からグリーン物流推進プロジェクトを立ち上げ、品質向上、コスト合理性とともに、省エネルギー、省資源、地球温暖化防止など環境保全に継続的に取り組んでいます。これまで、物流に関わる環境負荷低減のため、事業所の最寄り港を活用することによる輸送距離の短縮や、荷物を効率的に積み合わせ、まとめて輸送することによる車両の走行台数削減など、さまざまな取り組みを実施してきました。また、トラックでの輸送よりもエネルギー原単位が小さく、CO2排出量の少ない船舶輸送や鉄道輸送の積極的な利用も進めています。

これらの活動が評価され、2014年には国土交通省、経済産業省、日本ロジスティクスシステム協会、日本物流団体連合会が共同で実施しているグリーン物流パートナーシップ会議にて「グリーン物流パートナーシップ会議特別賞」を受賞しました。

2015年度は、原料の一部について、これまで岡山県から福井県へトラック輸送していましたが、発地が広島県へ変更されるにあたり、広島県から福井県へ船舶を使った輸送へ切り替えを実施しました。トラックから船舶に変更することにより、CO2は約1,000トン削減(46%削減)、エネルギー原単位は3%低減することができています。

また、2019年度には、一部製品の海外輸出において、これまでは福井県敦賀事業所から神戸港へトラック輸送していましたが、最寄り港(敦賀港)を利用することで、CO2は59トン(0.2%削減)、エネルギー原単位は0.3%低減することができています。

物流における省エネの取り組みイメージ図

オフィスにおける省エネルギーの取り組み

当社グループでは、本支社を含むオフィスにおいて照明器具のLEDへの転換、コピー用紙の削減、社用車のエコカーへの転換などを進めています。

再生可能エネルギーの導入

マレーシアでは現在、クリーンエネルギーの導入が推進されており、TOYOBO TEXTILE(MALAYSIA) SDN.BHD.では新工場の建設にあたり、太陽光発電の導入を決定しました。全ての計画が完了すれば、工場全体で使用する約7%のエネルギーを太陽光発電で賄える予定です。CO2削減量は915トン/年で、当社グループのエネルギー使用量の0.1%の削減に貢献します。

製品・ソリューションを通じた貢献