サステナビリティ・マネジメント

担当役員コミットメント

価値創造の基盤 ESGマネジメント

藤原 信也

執行役員
サステナビリティ推進部の担当
藤原信也

2015年に国連総会でSDGsが採択されて以来、世界中で持続可能な社会の実現を目指した活動が本格化・拡大しています。企業においても気候変動への対策、循環型社会実現への貢献、人権の尊重など、さまざまな面で取り組みを強化・拡充させていくことが求められています。

当社グループは、従来から創業者・渋沢栄一の座右の銘の一つである『順理則裕』を企業理念として堅持し、他企業に先んじてCSVに取り組んできました。

しかしながら、近時ますます高まる時代の要請を踏まえ、経済的価値と社会的価値双方の向上を目指した経営をこれまで以上に加速させ、社会の持続可能性により積極的に貢献していくことを決意しました。その表れの一つが企業理念体系の再整備です。

2019年に刷新した企業理念体系「TOYOBO PVVs」では、「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」となることを「Vision(めざす姿)」として掲げ、事業活動を通じて社会課題解決に大いなる貢献を果たしていく姿勢を明確に表明しました。

また、2020年1月には、国連グローバル・コンパクトへの参画を表明するとともに、TCFDに賛同署名しました。4月にはESGの観点から事業拡大を支えるための経営基盤を強化すべく、サステナビリティ推進部を新設するとともに、5月には当社グループのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。

今後、同部署が中心となってグローバルな要請と期待に応える取り組みを一層加速させ、そのプロセスと成果をステークホルダーの皆さまに積極的に発信していきます。

サステナビリティのアプローチ

サステナビリティアプローチイメージ図

方針・考え方

方針:

  1. 社会の持続可能性に配慮した経営、ひいては当社の持続可能性を向上させる経営
  2. 強固な経営基盤を構築するサステナビリティ:経営基盤軸(ESG)
  3. 競争力を強化し、成長をけん引するサステナビリティ:事業軸(CSV)

考え方:

当社グループは、1882年の創業時から、日本初の民営会社による大規模紡績工場として、衣料用繊維の普及を通じ、社会のよき一員としてさまざまな課題に取り組んできました。また時代とともに事業を拡大・成長させ、人々のよりよい生活の実現を目指し、環境を中心とした社会課題の解決にも貢献してきました。

そして昨年(2019年)、企業理念『順理則裕』を再定義し、それをベースに議論を重ね、理念体系「TOYOBO PVVs」を再整備しました。議論の過程を通じ、当社グループのこれまでの営みは「人と地球のサステナビリティ」の確保に貢献することに、その本質があると確信しました。

持続可能な社会の実現に貢献することは、「私たちは、素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループになります」という当社グループのVision(めざす姿)の実現に他なりません。これこそが当社グループのサステナビリティに対する考え方を示すものです。

同時に、重要なことは、「持続的な企業価値の向上」です。持続可能な社会の実現に向けた当社グループの貢献が、収益となって当社グループの企業価値向上につながり、この企業価値の向上が、当社グループの事業成長を通じて、次の「持続可能な社会の実現」につながります。この正のスパイラルを続けることが、当社グループが考える「サステナビリティ」です。

ステークホルダーのご期待に応えるために、情報発信を一層強化するとともに、全社一丸となってこの活動を推進するために、全従業員のサステナビリティの「自分ごと化」にも積極的に取り組みます。

サステナビリティ・マネジメント体制

当社グループは、ソリューションを提供することにより、これまで以上に社会課題の解決に貢献することを企図して、2020年4月、組織体制を製品分野別の事業本部からソリューション本部に変更しました。同時にサステナビリティを経営の根幹に置いて、全社的に推進すべく、サステナビリティ推進部を設置し、2021年4月には社長直轄の組織としました。同部では成長戦略へサステナビリティ視点を織り込むための提言やその実現に向けた施策支援、ESGに関する社内情報の取りまとめと社内・外への発信も強化します。

サステナビリティを担当する役員は、サステナビリティ推進部担当の執行役員です。

また、横断的にサステナビリティを推進するため、取締役社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」(事務局:サステナビリティ推進部)を設置しています。同委員会は四半期ごとに全社のサステナビリティ活動の進捗を確認しつつ、新たに取り組むべき課題について、また全社的なリスクについても議論しています。議論の内容は、取締役会に定期的に報告します。今後、マテリアリティの進捗管理も本体制のもとで行います。

同委員会の傘下に、個々のテーマをより専門的に扱う9つの委員会を設置、連携しています。

  • ※ 9つの委員会:安全・防災、地球環境、PL(Product Liability)/QA(Quality Assurance)、コンプライアンス、輸出審査、内部統制、情報、研究開発、知的財産

サステナビリティ推進体制

サステナビリティ推進体制図

イニシアチブへの参画

国連グローバル・コンパクト(UNGC)

国連グローバル・コンパクトロゴ

2020年1月に、UNGCに署名するとともに、UNGCに署名している日本企業などで構成される「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」に加入しました。これは、責任ある企業市民としてグローバルな課題を解決し持続可能な成長を実現するという趣旨に賛同したためです。また、「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」の各分科会への参加を通じて、情報収集を行い日々の活動に生かしています。2020年度より、「ESG」「サプライチェーン」「環境経営」「関西」「レポーティング研究」の分科会に参加しています。

今後、UNGCの10原則にのっとった取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

UNGCの10原則

人権 原則1:
人権擁護の支持と尊重
原則2:
人権侵害への非加担
労働 原則3:
結社の自由と団体交渉権の承認
原則4:
強制労働の排除
原則5:
児童労働の実効的な廃止
原則6:
雇用と職業の差別撤廃
環境 原則7:
環境問題の予防的アプローチ
原則8:
環境に対する責任のイニシアティブ
原則9:
環境にやさしい技術の開発と普及
腐敗防止 原則10:
強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取組み

気候関連財務情報開⽰タスクフォース(TCFD)

当社グループは、「Vision(めざす姿)」として「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」になることを掲げ、その一環として気候関連の課題解決につながる製品・サービスを提供しています。

2020年1月に、TCFD提言への賛同を表明し、同提言に賛同する企業や金融機関からなる「TCFDコンソーシアム」に参画しました。

今後、気候変動が当社事業に与えるリスクと機会の分析を進め、関連する財務情報を開示するとともに、これらリスクと機会への対応を推進していきます。

TCFDロゴ

ステークホルダー・コミュニケーション

マテリアリティ
関連するESG:S:社会G:ガバナンス SDGs17
ステークホルダー・コミュニケーション

ステークホルダー・コミュニケーション

東洋紡グループは、『順理則裕』(なすべきことをなし、ゆたかにする)との理念に基づき、企業行動憲章として「ステークホルダーとのコミュニケーション:私たちは、公正かつ適切な情報開示を行うとともに、当社グループを取り巻くステークホルダーとのコミュニケーションを企業価値の向上に役立てて」いくことを掲げています。当社グループはこの基本的な考えに基づき、情報発信ならびにコミュニケーション活動を積極的に展開します。また、活動内容は定期的に経営陣に報告しています。

情報発信に関しては、お客さま、お取引先さま、株主・投資家、従業員、地域社会等のステークホルダーの皆さまをはじめとして、広く社会全体に、適時・適切・適確に発信することに努めます。

コミュニケーション活動に関しては、ステークホルダーや広く社会との双方向のコミュニケーションに努めることで、信頼関係を築きながら、当社グループに対する正しい理解を促進し、継続的な東洋紡ブランドの向上と企業価値の増大を目指します。

情報開示の基本姿勢

当社グループは、人々から信頼される企業としてあり続けるために、公正性、公平性に留意し適時適切な情報開示に努めます。また、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまとの活発なコミュニケーションを図り、企業価値の向上に役立てます。その中で、以下を心掛けています。

a. 社会的責任(説明責任)としての情報開示

b. 企業価値を高めるためのコミュニケーション

c. 企業価値を毀損しないためのコミュニケーション

<目標>

社会の一員として、ステークホルダーからの期待に応え、社会課題の解決に向けたパートナーとの協働や操業地域での協調により、地域の持続的な発展に貢献します。

<KPIと実績>

取り組み項目 KPI 目標(2020年度) 実績(2019年度)
  • 情報の積極的な発信、開示の強化
  • 株主投資家との対話
  • 従業員との対話
  • 産官学界との連携、対話
  • 地域社会との共生
  1. プレスリリース件数
  1. 75件/年
  1. 74件
  1. 投資家面談件数
  1. 150件/年
  1. 130件
  1. 従業員・労働組合との懇談回数
  1. 30回以上/年
  1. 30回
  1. ステークホルダーとのエンゲージメント回数
  1. 2回/年
株主・投資家とのコミュニケーション

● 決算説明会の開催

通期決算および第2四半期の決算発表においては、社長自ら業績の説明を行います。加えて、機関投資家およびアナリストなど金融機関を対象とした決算説明会を開催し、社長が決算内容とともに今後の経営方針について説明します。

なお、第1四半期、第3四半期の決算発表においては、テレフォンカンファレンスを開催し、企画部門統括の取締役執行役員が業績を説明します。

● IR情報の発信

IRウェブサイトでは、日本語と英語の情報開示の充実化、迅速化を進めています。

同サイトには「有価証券報告書」「決算短信」「統合報告書」「財務データダウンロード」などを掲載し、バックナンバーも揃えています。適時開示資料(決算短信など)は社外公表と同時に掲載しています。

また、決算説明会の開催日より一定期間の間、説明の動画をオンデマンド配信しています。2019年度には決算説明会、2020年度にはテレフォンカンファレンスでQ&Aスクリプトの開示も開始し、公平な情報開示を推進しています。

今後も、株主・投資家の皆さまに便利に利用いただけるよう、資料と機能の充実に努めます。

● 株主総会の開催

定時株主総会は、毎年6月下旬、本社(大阪市)で開催しています。

第163回定時株主総会(2021年6月24日)では、コロナ禍での開催であったことから、出席に代え、郵送・オンラインでの議決権行使を強く推奨しました。

株式の総数等(2021年3月31日現在)

発行可能株式総数 200,000,000株
発行済み株式総数 89,048,792株
(自己株式203,350株含む)
株主数 57,447人

株式の所有者別構成比(2021年3月31日現在)

所有者別構成比(2021年3月31日現在)

従業員とのコミュニケーション

労働組合(本部)と会社による「中央経営協議会」を年1回、また「支部経営協議会」として全国8支部で各1回開催しています。組合側は本部役員が、また会社側は、中央経営協議会は社長が、支部経営協議会はそれぞれ統括役員が参加します。通常は対面形式で開催しますが、2020年度はコロナ禍であることを鑑み、書面で開催しました。

海外事業拠点とのコミュニケーション

当社グループでは、事業活動のグローバル化に対応し、海外事業拠点とのコミュニケーションに取り組んでいます。

毎年、海外事業拠点のナショナルスタッフが来日し、研修を実施しています。カリキュラムは英語版と日本語版の2種類があり、以下3点を目的にしています。

a. 当社への理解を深める

b. 日本側従業員との交流を深める

c. 学んだことを自国で展開する

また、海外業務研修制度があり、選抜された若手従業員が、1年間のプログラムの中、半年間を海外事業所で過ごし、現地のナショナルスタッフと交流しながら、語学や文化、海外業務の基本を学びます。

日常的には、コロナ禍で国境を超える移動が厳しく制限される中、ウェブ会議等デジタル技術を有効活用し、これまでよりも日本と海外との距離を縮めるように配慮しています。

これまで毎年、社長が複数の海外拠点を訪問し、駐在員やナショナルスタッフを激励してきましたが、今後コロナ禍が長引くことを想定し、オンラインでの懇談会を順次計画中です。

ステークホルダーとのコミュニケーション

2020年度以降、活動を拡充し、その内容を発信します。

地域社会とのコミュニケーション

詳しくは、地域社会のページをご覧ください。