サステナブル・ビジョン2030

サステナブル・ビジョン2030

当社は、2022年に創立140周年を迎えました。2022年5月、長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」および「2025中期経営計画(2022~2025年度)」を公表しました。

「サステナブル・ビジョン2030」は、今後の事業環境の変化を想定し、企業理念『順理則裕』(なすべきことをなし、ゆたかにする)を基軸として、当社グループの「2030年のありたい姿」と、サステナビリティ指標およびアクションプランを示すものです。この長期ビジョンでは、「(社会の)サステナビリティに貢献するサステナブルな会社」の実現を目指すとともに、企業文化の「持続可能な成長(サステナブル・グロース)」への転換を図ります。

サステナブル・グロースの実現

“短期の結果偏重”のサバイバル思考を脱却し、サステナブルな成長を実現していくために、2022年5月、「サステナブル・ビジョン2030」(以下、長期ビジョン)を公表しました。「Innovation」と三つのP ( People、Planet、Prosperity ) の視点を軸として社会課題解決への貢献を推進し「ゆたか」な社会の実現と企業価値向上のスパイラルアップを目指します。

サバイバル思考から、
「赤字は悪」、「黒字は善」
サステナブルな成長志向へ。
  • 社会のサステナビリティに貢献する
  • サステナブルな(成長を実現する)社会になる

策定にあたって

当社グループは、サステナビリティを経営の基軸としていくという強い決意を持って策定しました。長期ビジョンのサブタイトルは「サステナブル・グロースの実現」です。今後は、長期の構造改革期に培われた「サバイバル思考」の文化、つまり短期の結果偏重から脱却し、「サステナブルな成長志向」へと大きくかじを切ります。

「サステナブル・グロース」に二つの意味を込めています。一つは、当社グループそのものがサステナブルな存在、持続可能な存在であるということ。二つ目は、社会のサステナビリティの向上です。サステナブル・グロースには、後者への貢献を通じて前者を実現していくという思いを込めています。

2030年の「ありたい姿」
~安心してくらせる「ゆたか」な社会の実現と企業価値向上のスパイラルアップ~

世界の課題である「持続可能性(サステナビリティ)」の観点から、より具体的に「自分たちはどのような分野で、どのようにサステナビリティに貢献していくのか」を明確にしました。

当社グループの「2030年のありたい姿」とは、下記の五つの社会課題の解決を通じて人々が安心してくらせる「ゆたか」な社会を実現し、結果として自社の企業価値も向上させる、スパイラルアップしている状態です。

『順理則裕』なすべきことをなし、ゆたかにする

未来へつなぐチャレンジ~五つの社会課題の解決~

さまざまな環境の変化や課題を視野に、今後10年の事業環境の変化を予測し、これらに基づいてサプライチェーン全体の人権や人々の健康、快適な空間づくり、脱炭素社会の実現など、当社グループがその解決に貢献できる「五つの社会課題」を設定しました。自社での取り組みやソリューション提供により、その課題解決に貢献していきます。

「People:人を中心とした社会課題」

  1. 従業員のウェルビーイング&サプライチェーンの人権
  2. 健康な生活 & ヘルスケア
  3. スマートコミュニティ&快適な空間

「Planet:地球全体を意識した社会課題」

  1. 脱炭素社会 & 循環型社会
  2. 良質な水域・大気・土壌 & 生物多様性

社会課題ごとのサステナビリティ目標

五つの社会課題

従業員のウェルビーイング
&サプライチェーンの人権

2030年度目標
  • 全ての現場でゼロ災害達成
  • 2025年度までに健康経営優良法人「ホワイト500」の取得
  • 従業員エンゲージメントスコア:70%以上
  • サプライチェーン全体で人権尊重
  • 従業員の教育・研修体系の拡充

健康な生活&ヘルスケア

  • 感染症診断薬等の提供を通じて貢献する検査回数:1,000万回/年
  • 透析膜の提供を通じて貢献する透析患者数:25万人
  • 生化学検査等の原料市場シェア:30%
  • 再生誘導材の提供患者数:10万人/年
  • 三次元網状繊維構造体の医療・介護領域における普及・拡販

スマートコミュニティ&
快適な空間

  • DXを支える商品群の販売量拡大:2020年度比1.5倍
  • 車室内空気清浄フィルターの販売:累計120万台
  • 音・熱マネジメントによる電動車の快適車室空間の創出

脱炭素社会&循環型社会

脱炭素社会
  • GHG排出量 Scope1、2削減率:46%以上(2013年度比)
    2050年度にネットゼロ(削減貢献量>バリューチェーン全体のGHG排出量)
  • 新規ソリューション分野への参入
    (浸透圧発電、 風力発電用の洋上ケーブル・絶縁樹脂、燃料電池車の電池接着シート、 大規模蓄電池用電極材、 水素関連材料など)
循環型社会
  • 事業活動からの廃棄物最終処分率:1%未満
  • フィルムのグリーン化比率:60%
  • 資源循環エコシステム参画((株)アールプラスジャパン))

良質な水域・大気・土壌&
生物多様性

  • VOC回収装置の処理風量:70億Nm3/年
  • 膜による海水淡水化:1,000万人分の水道水相当
  • フードロス削減に貢献する高機能フィルムの販売量:2020年度比4倍
(注)
「従業員のウェルビーイング&サプライチェーンの人権」は、マテリアリティ「人的資本」「安全防災」に対応。その他は同名のマテリアリティに対応。

長期ビジョンを実現するために ~現場が主役~

それぞれの職場で従業員一人一人が誇りとやりがいを持って働けることが、企業としてのサステナブルな成長を実現するための大前提となります。今回の長期ビジョンにおいても、主役はもちろん現場の一人一人です。長期ビジョンによって「ありたい姿」と「貢献すべき課題」が明確になりました。目の前の業務と会社の未来がつながり、自分の仕事の意味を理解すること、つまり「自分ごと化」を社内浸透していきます。