循環型経済の実現への貢献を目指して

リニューアブル・リソース事業開発部新設の狙い

Anellotech社ラボ(米・ニューヨーク州)

Anellotech社ラボ(米・ニューヨーク州)

近年、プラスチックごみ問題や脱化石原料など環境課題への対応が強く求められています。当社グループはこれらの問題をいち早く認識し、かねてより広い視野を持って技術探索を続けてきました。例えば、米国のバイオ化学ベンチャー企業Anellotech社が開発を進める、木材からポリエステル原料を作る技術もその一つです。当社グループは同社がサントリーグループを中心とした国内外各社とともに推進する、バイオ由来原料を100%使用したペットボトルの開発プロジェクトに参画しています。また、オランダの化学メーカーAvantium社とも連携しています。

こうした取り組みをさらに加速し、持続可能な社会に貢献するために、2020年4月に新組織「リニューアブル・リソース事業開発部」を設立しました。“Catalyzing Circular Economy”をスローガンとし、プラスチックメーカーとして未来への責任を果たし、循環型経済の実現へ貢献していきます。

ミッション

再生可能な原料※の供給確保、リサイクルに関わる技術の構築、事業化。※ リニューアブル・リソース

当社グループが提供する素材を「持続可能」なものにするために、バイオ原料への転換やリサイクル資源の活用を推進します。また、これらに関連する技術を自社グループで開発するだけでなく、広く世界から探索していきます。

さらに、他部門と連携し全社的に取り組むことはもちろんのこと、社外の団体や企業とも協働しながら事業化を目指します。

長期的な展望

2050年までを視野に入れながら、国内外の行政、業界で設定される環境対応の目標を踏まえて、「2030年」をターゲットにロードマップを策定。世界の事業パートナーとの協業のもと、ポリエステルを中心にバイオベース化、またマテリアルおよびケミカルリサイクルに関する技術の確立を目指します。各ソリューション本部とも密に連携し、事業環境の変化にも柔軟に対応していきます。

長期的な展望

2020年度の主要開発テーマ

100%バイオ樹脂を食品包装用フィルムに

Avantium社が製造するバイオ由来原料を当社独自技術で重合することで、高性能なポリエステル「ポリエチレンフラノエート(PEF)」が得られます。PEFは100%バイオ由来樹脂でありながら、フィルムにした場合、PETよりも酸素で10倍、水蒸気で2倍ものバリア性を持ちます。その優れたバリア性を生かし、食品包装用フィルムを中心に市場開拓を進めています。

PETのリサイクル性を高められる触媒を開発

当社が独自に開発したポリエステル重合触媒 TOYOBO GS Catalyst®は、世界初のアルミニウム系触媒です。

重金属を含まないことに加えて、得られるポリエステルが溶融時に劣化しにくく、リサイクル性に優れるという点にも特長のある、環境調和型の触媒です。

すでにポリエステル世界最大手のIndorama社に技術ライセンスを供与しており、今後は同社とも協力しながら、優れたリサイクル性を武器にグローバル展開していきます。

TOYOBO GS Catalyst(写真手前)は他の触媒と比べ透明度が高いという特徴がある

TOYOBO GS Catalyst®(写真手前)は他の触媒と比べ透明度が高い樹脂が合成されるという特徴がある

CLOMAマーク

TOYOBO GS Catalyst®を使用して合成したペットボトル

使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む合弁会社を設立

アールプラスジャパン設立記者発表会の様子

Anellotech社の技術開発において、幅広い使用済みプラスチックを効率的に再資源化できる新技術が見出されました。そこで2020年6月、当社を含む、国内のプラスチックバリューチェーンを構成する12社は、合弁会社として(株)アールプラスジャパンを設立。今後、新技術を活用した使用済みプラスチックの再資源化事業を推進していきます。

使用済みプラスチックの再資源化のフロー

イニシアチブへの参画

当社グループはさまざまな企業や団体と協力し、循環型経済の時代にふさわしいプラスチックバリューチェーンの構築に貢献するため、各種イニシアチブに積極的に参画しています。

日本バイオプラスチック協会

バイオプラスチックの普及促進と試験・評価制度の確立を目的に1989年に設立された団体です。当社役員が副会長を務めており、幹事会・各種委員会への参加などの協会活動も積極的に行っています。

  • ※ 生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックの総称
日本バイオプラスチック協会ロゴ

CLOMA(Clean Ocean Material Alliance)

海洋に流出するプラスチックごみの削減と資源循環による有効活用を目的に⽇本で設⽴された団体で、容器包装などを製造・加⼯・利⽤するサプライチェーン全体(350社以上)が参加するアライアンスです。当社は2019年のアライアンス設立時からのメンバーです。

CLOMAロゴ

CEFLEX(Circular Economy for Flexible Packaging)

2017年に欧州で設立された、軟包装分野で循環型経済の実現を推進するコンソーシアムです。大手素材メーカー、リサイクル会社など、軟包装のバリューチェーン全体に関わる130以上の企業や団体が参加し、欧州全域で2025年までに使用済み軟包装の回収・分別・リサイクルのインフラを構築することを目標に掲げています。当社グループは2019年8月にCEFLEXに参加しました。回収システムやレギュレーションに関する情報・動向を把握しながら、循環型経済に貢献する技術や製品の開発・提供に注力していきます。

CEFLEXロゴ

Petcore Europe

欧州のPET関連企業のバリューチェーン全体を網羅する80以上の企業や団体が参加するコンソーシアムです。当社は2020年1月に入会しました。Petcore Europeへの参加を機に、持続可能なPET製品・技術の開発・提供に一層注力し、人と地球にやさしい循環型経済の実現に貢献できるよう努めていきます。

Petcore Europeロゴ