プラスチック資源循環

プラスチック資源循環への取り組み

基本的な考え方

近年、これまでは廃棄されていたものを新たな資源と捉えて循環させていく経済システム、すなわちサーキュラーエコノミー(循環型経済)への期待が高まっています。

当社グループは、環境負荷を低減する製品・技術を積極的に展開してきました。主力のプラスチック製品では、リサイクル樹脂やバイオマス(植物由来)原料の使用比率の向上、高い機能性を保持するバイオマスプラスチックの実用化に取り組んでいます。

これに加えて、広い視野での技術探索を長年続けています。例えば、米国のバイオ化学ベンチャー企業Anellotech社が開発を進める、木材からポリエステル原料をつくる技術もその一つです。

体制

こうした取り組みをさらに加速し、持続可能な社会に貢献するために2020年4月に新組織「リニューアブル・リソース事業開発部」を発足しました。

2030年までにポリエステルのバイオマス化およびマテリアル・ケミカルリサイクル技術を確立することを目指します。これにより、廃プラスチック熱回収処理に伴う温室効果ガス排出の削減や、汚染物質排出による環境負荷の低減に貢献していきます。

これからも当社グループは、“Catalyzing Circular Economy”のスローガンの下、未来への責任を果たすことで持続的な成長を目指します。

  • マテリアルリサイクル:フレークやペレット化し、樹脂材料として再利用すること
    ケミカルリサイクル:化学反応によって組成を変換し、原料として再利用すること

リニューアブル・リソース事業開発部のミッション

再生可能な原料※の供給確保、リサイクルに関わる技術の構築、事業化。※ リニューアブル・リソース

当社グループが提供する素材を「持続可能」なものにするために、バイオ原料への転換やリサイクル資源の活用を推進します。また、これらに関連する技術を自社グループで開発するだけでなく、広く世界から探索していきます。

さらに、他部門と連携し全社的に取り組むことはもちろんのこと、社外の団体や企業とも協働しながら事業化を目指します。

長期的な展望

2050年までを視野に入れながら、国内外の行政、業界で設定される環境対応の目標を踏まえて、「2030年」をターゲットにロードマップを策定。世界の事業パートナーとの協業のもと、ポリエステルを中心にバイオベース化、またマテリアルおよびケミカルリサイクルに関する技術の確立を目指します。各ソリューション本部とも密に連携し、事業環境の変化にも柔軟に対応していきます。

長期的な展望

戦略

プラスチック資源循環を推進するに当たり、バイオマス化とリサイクルは補完的な関係を担っています。バイオマス化により、限られた石化資源への依存を低減することができます。また、リサイクルにより資源の最大限の有効活用が可能となります。当社は2050年までに全フィルム製品をリニューアブル化(リサイクル+バイオマス)する戦略を進めています。

戦略1:ポリエステルのバイオマス化

100%バイオマスプラスチックを食品包装用フィルムに

当社は、バイオマス原料FDCA(フランジカルボン酸)に注目しています。FDCAを当社独自の技術で重合することで、高性能なポリエステル「ポリエチレンフラノエート(PEF)」が得られます。PEFは100%バイオマスプラスチックであり、かつガスバリア性が良いので、フィルムにした場合、内容物の賞味期限延長やフードロス低減に役立ちます。

2023年には、世界初となるFDCAの商業プラントをAvantium社が稼働する予定です。当社はこのFDCAを使ってPEFフィルムを生産する予定です。

2050年までの全フィルム製品リニューアブル化(リサイクル+バイオマス)を実現するために、今後PEF以外にもさまざまな取り組みを考えていきます。

戦略2:マテリアルリサイクル

PETのリサイクル性を高められる触媒を開発

当社が独自に開発したポリエステル重合触媒 TOYOBO GS Catalyst®は、重金属を含まない、世界初のアルミニウム系触媒です。PETはリサイクルのための溶融を繰り返す中で劣化してしまいます。同触媒は得られるPET が溶融時に劣化しにくいため、リサイクル性に優れます。

すでにポリエステル世界最大手のIndorama社に技術ライセンスを供与しており、今後は同社とも協力しながら、優れたリサイクル性を武器にグローバル展開していきます。

TOYOBO GS Catalyst(写真手前)は他の触媒と比べ透明度が高いという特徴がある

TOYOBO GS Catalyst®(写真手前)は他の触媒と比べ透明度が高い樹脂が合成されるという特徴がある

CLOMAマーク

TOYOBO GS Catalyst®を使用して合成したペットボトル

戦略3:ケミカルリサイクル

アールプラスジャパンの取り組み

Anellotech社の技術開発において、幅広い使用済みプラスチックを効率的に再資源化できる新技術が見出されました。そこで、2020年6月、当社を含む国内のプラスチックバリューチェーンを構成する12社は、合弁会社として(株)アールプラスジャパンを設立しました。2021年7月現在、参画企業は29社へと広がっており、同社はAnellotech社とともに新技術の開発を進めています。

世界で共通となっているプラスチック問題の解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、流通、飲料製造などの各業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指します。

プラスチック資源循環に関わる当社の取り組み

プラスチック資源循環に関わる当社の取り組み

プラスチック資源循環に関わる当社の取り組み

イニシアチブへの参画

当社グループはさまざまな企業や団体と協力し、循環型経済の時代にふさわしいプラスチックバリューチェーンの構築に貢献するため、各種イニシアチブに積極的に参画しています。

日本バイオプラスチック協会

バイオプラスチックの普及促進と試験・評価制度の確立を目的に1989年に設立された団体です。当社役員が副会長を務めており、幹事会・各種委員会への参加などの協会活動も積極的に行っています。

  • ※ 生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックの総称
日本バイオプラスチック協会ロゴ

CLOMA(Clean Ocean Material Alliance)

海洋に流出するプラスチックごみの削減と資源循環による有効活用を目的に⽇本で設⽴された団体で、容器包装などを製造・加⼯・利⽤するサプライチェーン全体(350社以上)が参加するアライアンスです。当社は2019年のアライアンス設立時からのメンバーです。

同団体に参加する容器包装などの素材製造事業者や加工事業者、利用事業者と連携しながら、代替素材の開発・普及などに取り組んでいきます。

CLOMAロゴ

CEFLEX(Circular Economy for Flexible Packaging)

2019年8月に欧州のコンソーシアムCEFLEXに参加しました。CEFLEXは、2017年に設立され、大手素材メーカー、コンバーター、印刷会社、消費財メーカー、小売業者、リサイクル会社など、軟包装のバリューチェーン全体に関わる130以上の企業や団体が参画しています。欧州の軟包装分野の循環型経済の実現を推進するために、2025年までに、使用済み軟包装を回収・分別・リサイクルするためのインフラを構築することなどを目標に掲げています。当社グループはCEFLEXへの参加を通じて、回収システムやレギュレーションなどに関する情報・動向を把握しながら技術や製品の開発・提供に注力していきます。

CEFLEXロゴ

Petcore Europe

欧州のPET関連企業のバリューチェーン全体を網羅する80以上の企業や団体が参加するコンソーシアムです。当社は2020年1月に入会しました。Petcore Europeへの参加を機に、持続可能なPET製品・技術の開発・提供に一層注力し、人と地球にやさしい循環型経済の実現に貢献できるよう努めていきます。

Petcore Europeロゴ