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マネジメントアプローチ

考え方・方針

東洋紡グループは、「東洋紡グループ企業行動憲章」において「私たちは、よき企業市民として積極的に社会に参画し、その発展に貢献します。」と宣言しています。よき企業市民として責任を果たし、未来へ投資することは企業理念『順理則裕』の実践の一つであると考えています。
また、2023年度に従業員の積極的な参加を促進するため、「東洋紡グループ社会貢献方針」を策定しました。社会の一員としてよりよい社会を築き支えるため、科学技術振興、環境保全、地域社会とのコミュニケーションを推進し、そこで得られたものを企業活動に生かします。

当社グループの考え方や事業について知っていただくため、ウェブサイトなどを通じ、情報を発信していきます。

<東洋紡グループ社会貢献方針>

1. 東洋紡グループは、企業理念「順理則裕」に基づき、持続可能な社会と当社グループの持続的な発展に貢献する社会貢献活動を展開します。
2. 東洋紡グループは、「サステナブル・ビジョン2030」に掲げる<Innovationと3つのP:Planet, People, Prosperity>に資する「科学技術振興」、「次世代育成」、「環境保全」、「地域貢献」を、社会貢献における重点分野と定めています。
3. 東洋紡グループは、従業員の積極的なボランティア活動を支援します。
4. 東洋紡グループは、地域社会・行政、NGO・NPO等との双方向のコミュニケーションやパートナーシップを大切にします。

<重点分野>
次世代育成:科学技術振興(東洋紡バイオテクノロジー財団)を始め、操業地を中心に、次世代を担う青少年の健全な育成を支援する活動を行い、活力ある社会の実現に貢献します。
環境保全:操業地を中心に、地域の環境保全を積極的に行い、社会の持続的な発展に貢献します。
地域貢献:よき企業市民として、操業地を中心とする地域社会との良好な関係を築き、信頼と支持を得るべく、対話・協議します。

以上

関連する方針:

取り組み

次世代育成

将来にわたり私たちの社会が発展していくためには、未来を担う人材を育てることが重要です。そのため、当社グループは公益財団法人 東洋紡バイオテクノロジー研究財団を通じた研究助成などの科学技術振興に取り組んでいます。

<科学技術振興>

若手研究者を支援し、バイオテクノロジー分野の発展に貢献する財団

当社グループが1982年に設立した公益財団法人 東洋紡バイオテクノロジー研究財団(以下本財団)では、研究費の用途を制限しない研究助成や研究会、シンポジウムの開催などの活動を通じてバイオテクノロジー分野の学際的な調査研究を支援しています。近年は、未来を担う若手研究者への支援として、留学生への研究助成にも注力しています。
2023年度は、若手研究者3名に対し、総額1650万円の長期研究助成金を支給しました。長期研究助成受贈者の1人は、「パーキンソン病診断の新たな展望」をテーマとし、海外の大学病院で、神経変性疾患の一つであるパーキンソン病の新たな画像診断法として放射性同位元素により標識したプローブの開発に取り組みます。長期研究助成を受けた研究者は、本年度を含めて累計で223名にのぼります。受贈者はバイオテクノロジーの研究分野や教育の第一線で活躍されており、次世代の育成に貢献したいと本財団の理事・評議員としてご協力いただいています。

2023年度長期研究助成受贈者の皆さまと財団関係者

2023年度長期研究助成受贈者の皆さまと財団関係者

第62回リバネス研究費 「東洋紡 高分子科学賞」を選定

当社グループは2021年度より、(株)リバネス※1が運営する「リバネス研究費」の仕組みを利用した公募型研究奨励金制度を設立し、「東洋紡 高分子科学賞」の授与を通して若手研究者を支援しています。※2
昨今、競争的研究資金の助成対象に「応用研究」が求められる傾向にあるのに対して、当社は「地味だけれど、本質的な部分をしっかり理解し基礎研究に取り組む研究者に光を当てていく」との思いから、3年連続で募集テーマに「高分子材料の基礎的、汎用的な研究」を掲げています。

受賞者の皆さまと当社関係者

受賞者の皆さまと当社関係者

「滋賀発成長産業発掘・育成コンソーシアム」を通じた、研究開発型創業支援・次世代育成支援

当社グループは、県内の産業振興と地域の活性化を目指す産学官連携の組織、「滋賀発成長産業発掘・育成コンソーシアム(以下、同コンソーシアム)」の趣旨に賛同しています。同コンソーシアムが開催する研究開発型支援プログラム「滋賀テックプランター」およびそのビジネスプランコンテスト「滋賀テックプラングランプリ」、さらに県内の中高生の研究活動を支援する「滋賀ジュニアリサーチグラント」において、第1回よりパートナー企業を務めています。
最新の滋賀テックプラングランプリ、滋賀ジュニアリサーチグラントの詳細な内容については、「取り組み事例」を参照ください。

滋賀テックプラングランプリ 東洋紡賞を授与

滋賀テックプラングランプリ
東洋紡賞を授与

滋賀ジュニアリサーチグラント受賞者の皆さまと当社関係者

滋賀ジュニアリサーチグラント
受賞者の皆さまと当社関係者

<出張授業・キャリア教育>

プラスチックフィルムについての出張授業(2020年より実施)
(東洋紡 パッケージング事業総括部)

2023年9月13日、東京都の帝京大学小学校の生徒23名を対象に、「プラスチックフィルムのはたらき」をテーマとした出張授業を実施しました。
講義では、当社の事業紹介やプラスチックフィルムの種類や特長についての説明をし、直進カット性のあるフィルムを用いてオリジナルの袋を作るワークショップも実施しました。「家でも同じものが作りたい」、「また来てほしい」などの声もあり、楽しく学んでもらうことができました。

帝京大学小学校での出張授業の様子

帝京大学小学校での出張授業の様子

半透膜に関わる技術と社会人キャリアについての出張授業
(東洋紡エムシー(株) 岩国環境・ファイバー工場、アクア膜営業ユニット
東洋紡 GX推進部、サステナビリティ推進部)

2024年6月1日、神戸龍谷中学校 生徒67名を対象に、半透膜に関わる技術と社会人キャリアについての出張授業を行いました。
半透膜に関する講義では、浸透現象や半透膜の働きの解説、水の少ない地域で使用されている海水淡水化プラントについて、半透膜製造工程の様子を紹介しました。また生徒の皆さんには、当社の逆浸透現象体験機「アクアフムフム」を用いて、半透膜で海水から水を取り出す仕組みを体験してもらいました。
加えて、当社のサステナビリティに関する取り組みや、キャリア教育の一環として、当社従業員がこれまでの学生生活、会社での仕事の様子や、海外での体験談などを紹介しました。

講義の様子

講義の様子

アクアフムフムを用いた逆浸透現象体験の様子

アクアフムフムを用いた逆浸透現象体験の様子

廃材を活用し、四日市農業高校と共同研究
(御幸毛織(株))

グループ会社の御幸毛織(株)では、2021年12月より三重県立四日市農業高校の生徒約20名と共同し(御幸毛織(株)参加者約10名)、ウールの廃材を肥料として活用する「ウールアグリ共同研究」を実施しています。廃材を含んだ畑で試験的に野菜を栽培し、収穫した野菜の大きさや色、味の分析までを継続的に行っています。また、本共同研究は工場の人材採用活動にも貢献しています。

生徒と共に農作業を行っている様子

生徒と共に農作業を行っている様子

<その他の取り組み>

東洋紡 パッケージング事業総括部

  • 東京都港区立笄小学校でのプラスチックに関する出張授業(2023年10月)

東洋紡 敦賀事業所

  • 敦賀市立沓見小学校31名対象の当社製品「ブレスエアー®」を用いた出張授業(2023年10月)
  • 福井大学教育学部の学生20名対象のマイクロピペットを使用したバイオでの簡易実習(2023年9月)

東洋紡 岩国事業所

  • (公財)やまぐち産業振興財団と合同で「夏休みジュニア科学教室」を開催

御幸毛織(株)

  • (有)マルシゲ清水製茶と共同し、茶園でウールの廃材を肥料として活用(2022年より実施)
  • 愛知県セルプセンターと共同し、ハギレ生地を活用したアップサイクル企画を実施(2021年より実施)

環境保全

「環境保全」に関する取り組みはこちらをご覧ください。

地域貢献

東洋紡グループは、素材メーカーとして地域の皆さまに安心して過ごしていただくためのさまざまな情報の提供、地域の皆さまへの教育・啓発活動を行うとともに、よき企業市民として地域社会とともに発展するための活動に取り組みます。
そのため、当社グループは行政や業界団体と連携した被災地への支援、事業所周辺地域の文化行事への参加、地域の皆さまに当社グループの事業や取り組みを知っていただくための見学会などを開催しています。また、各事業所では操業地域の活性化のため現地人材の雇用を推進しています。

<被災地支援>

能登半島地震に対する支援

当社グループは、令和6年に発生した能登半島地震の被災地に対して、(日本赤十字社を通じて)義援金1000万円、東洋紡エムシー(株)が製造販売する「ブレスエアー®」を用いた寒冷地対応の防災寝袋約300枚、さらに特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンを通じて、自社製品、次世代型ポリエステルフィルム「オリエステル®」を使用した「においバイバイ袋®非常用トイレセット」を支援物資として被災地へ拠出しました。今後も被災の状況に応じて、行政や業界団体と連携しながら適切な支援に努めてまいります。

支援物資配布の様子(ピースウィンズ・ジャパン提供)

支援物資配布の様子(ピースウィンズ・ジャパン提供)

<企業見学会・職場体験>

地元自治会の工場見学会
(東洋紡 岩国事業所)

2023年11月7日、岩国事業所にて地元自治会である「灘連合自治会 環境交通安全対策委員会」13名を対象に工場見学会を実施しました。
岩国事業所では、地域に根ざした事業所運営を推進するとともに、当社事業への理解を深めていただくため、地域の方々を対象とした工場見学会を定期的に実施しています。今回は、2023年10月に稼働を開始した自家火力発電所※1や、安全・防災の大切さを考える研修施設の「防災研修所」、高機能メルトブローン不織布を開発・製造する「多機能不織布センター」※2など、近年新設した設備を中心に紹介しました。

自家火力発電所の見学の様子

自家火力発電所の見学の様子

「まちゼミ」事業所見学会
(東洋紡 敦賀事業所)

2024年3月8日、敦賀商工会議所が主催する「まちゼミ」を通じて工場見学会を行いました。
今回は、敦賀市在住の一般の方5名の参加がありました。事業所の概況説明をした後、展示室、つるがフイルム工場、事業所構内を歩いて見学しました。
参加者からは、「敦賀事業所で作っているものが身近な製品に使われていることを知り、驚きました」という声が多くありました。

  • 「まちゼミ」とは、市内の店主や企業が講師となり、専門的な知識や情報を受講者に伝える少人数制の無料講座。講座を通じたコミュニケーションにより、事業者と地域の方との信頼関係を築くことを目的とした事業で、全国で開催されています。

展示室の見学の様子

展示室の見学の様子

<その他の活動>

東洋紡 敦賀事業所 東京支社 名古屋支社

  • 敦賀市内の小学生16名(保護者含む)対象の事業所見学会、フィルムを用いたワークショップを実施(2024年3月)

東洋紡 犬山工場

  • 小牧工科高等学校3年生を対象に工場見学会を実施(2023年6月)

コスモ電子(株)

  • 毎年2回、塩浜中学校と四日市工業高校の生徒各2名を受け入れ、製造工程の軽作業体験を実施
    (2024年6月、11月実施予定)

東洋クロス(株)

  • 佐野工科高校の生徒約10名を対象に工場見学会を実施(2023年12月)

<ソリューションの提供>

機能性クッション材「ブレスエアー®」の動物園での活用
(東洋紡エムシー(株))

神戸市立王子動物園では、高齢で脚が不自由なヒグマの床ずれ軽減のために、東洋紡エムシー(株)の機能性クッション材「ブレスエアー®」が活用されています。従来は新幹線の座席シートや寝具のマットレスなどに利用されている「ブレスエアー®」ですが、今後は動物園だけでなく、介護施設や医療機関にも提供していく予定です。

「ブレスエアー®」のマットレスの上で食事をするヒグマ「ロクジ」

「ブレスエアー®」のマットレスの上で食事をするヒグマ「ロクジ」

「地域社会への貢献」に関する取り組み事例はこちらをご覧ください。