コーポレート・ガバナンス

マテリアリティ
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G
ガバナンス
平和と公正をすべての人に

マネジメントアプローチ

考え方・方針

当社は、企業理念『順理則裕』の下、長期的な視点で社会課題を見極め、独自技術によりその解決に貢献することが当社の存在意義と考えています。

今後も時代の変化に対応し、持続的な企業価値向上を図るため、「意思決定の迅速性と的確性の確保」「経営の透明性確保」「公正性重視」の考えに立ち、株主をはじめとする、全てのステークホルダーとの適切な協働に努めます。また、株主に対する受託者責任・説明責任を果たすことでコーポレート・ガバナンスの実効性を確保するとともに、継続してその向上に取り組みます。

体制

当社は2025年6月開催の定時株主総会の決議をもって、監査等委員会設置会社に移行しました。大きく変化する事業環境に迅速に対応するため、必要に応じて、社長執行役員(代表取締役)等に一部の業務執行決定の権限を委任します。
取締役会では、社外取締役の割合を高め、経営の基本方針などに関する審議・決定や業務執行の監督に重点を置き、また、監査を担う役員が取締役会の構成員となり議決権をもつことで、監督機能のさらなる強化を図っています。これらにより、迅速で効率的な業務執行と高度な経営の監督を両立できる体制としています。
なお、指名・報酬に関しては、取締役会の諮問機関として、委員の過半数を社外取締役で構成する指名・報酬等諮問委員会(委員長は社外取締役)を設置し、より一層の透明性と公正性の確保に努めています。

コーポレート・ガバナンス体制(2025年6月末現在)

コーポレート・ガバナンス体制

取締役の構成

取締役会の構成

会議体および委員会の概要

※構成員および役割は2025年6月末現在

  構成員・役割 主な議題(2024年度)
取締役会
2024年度開催回数:17回
構成員 11人。独立社外取締役(6人)を含む。員数は、15人以内(うち、監査等委員である取締役は5人以内)と定款に定め、社外取締役が半数以上となるよう選任することとしている。
  • 2025中期経営計画のレビュー
  • 25年度経営方針
  • 事業戦略、経営課題
  • 安全・防災、品質の取り組み
  • 重要な投資案件
  • 人権尊重、ダイバーシティ推進、人材育成
  • 政策保有株式関連
  • 研究開発関連
役割 サステナビリティの観点を含む中長期テーマの進捗状況や各事業の業務執行状況の報告を受け、適正な監督を行う。また、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、持続的な企業価値向上を図るためのコーポレート・ガバナンス体制の構築に取り組む。
監査等委員会
2024年度開催回数:15回
構成員 3人。独立社外監査等委員(2人)を含む。
  • 監査方針・監査計画の決定
  • 業務・会計監査、グループ会社往査結果の共有
  • 取締役会など重要会議の議事内容の確認
  • 役員との懇談内容の共有
  • 重要書類の確認
  • 会計監査人に関する事項の確認
役割 取締役会と協働して会社の監督機能の一翼を担い、かつ株主の負託を受けて取締役の職務の執行を監査する法定の独立の機関である。経営の健全性と透明性を確保し、コーポレート・ガバナンスの強化と当社の持続的な成長を実現するため、取締役の職務執行の適法性・妥当性に関する監査・監督、会計監査人の選解任に関する決定、内部統制システムの構築・運用状況等の監査等を行う。
指名・報酬等諮問委員会
2024年度開催回数:8回
構成員 4人。独立社外取締役(3人)および会長で構成。社外取締役が委員長を務める。
  • 取締役指名案
  • 短期インセンティブ報酬の算定に使用する全社業績の目標値設定
  • 役員報酬体系の見直し
役割 指名の基本方針、個別の取締役指名案等や、役員報酬の体系、水準、算定方法等について、客観的かつ公正に審議し、取締役会へ答申する。
経営会議
2024年度開催回数:31回
構成員 11人。取締役を兼務する者を含む。会長および監査等委員も参加し、意見を述べることができる。 取締役会の議題と同様
役割 取締役会決議事項の事前審議と、取締役会または取締役より委任された業務執行に関する事項を決定する。経営会議の下部機関として、企画審議会、管理審議会を設置し、経営に関するリスク管理等を行う。
サステナビリティ委員会
2024年度開催回数:6回
構成員 11人。経営会議のメンバーを中心に委員を構成し、社長が委員長を務める。監査等委員も参加し、意見を述べることができる。
  • マテリアリティ、指標の進捗
  • サステナビリティ開示基準関連
  • 価値創造プロセス
  • 役員報酬制度へのサステナビリティ指標の組み入れ
  • BCMの構築
  • 気候変動対応
  • 生物多様性保全
  • ESGに関する外部評価関連
役割 年6回の開催とし、重要課題(マテリアリティ)を統合的に討議するとともに、リスクと機会の観点から、戦略、施策、指標を審議し、進捗を管理する。議論内容は取締役会に定期的に報告する。
企画審議会
2024年度開催回数:13回
(書面審議等を含む)
構成員 20人。各専門分野および事業部門から委員を選定。企画担当役員が委員長を務める。
  • 重要な設備投資案件
  • 新事業に関する事項
  • その他の重要な案件(投資、技術導入、事業提携、企業買収など)
  • 主要な企画審議会案件のレビュー
  • 過去設備投資案件の検証
役割 経営会議の委任に基づき、重要な設備投資、新事業、新会社設立、技術導入、事業提携などの戦略的事項に関して、専門的かつ経営的視点から意見を述べ審議することにより、経営会議における審議、または決議の効率化および稟議決裁の適正化を図る(関係会社に関する事項を含む)。
管理審議会
2024年度開催回数:14回
構成員 委員長1人、常任委員4人。

個別の重要な以下の事項

  • 投融資
  • 債務保証および保証予約
    (経営指導念書を含む)
  • 第三者のための担保提供
役割 個別の重要な投融資、債務保証などの事項に関して、専門的かつ経営的視点から意見を述べ審議することにより、経営会議における審議、または決議の効率化および稟議決裁の適正化を図る。また、同会議における審議または決議の対象とならない事項につき、諸規則の求めに応じた審議、または決裁の効率化を図る。
  • 監査等委員会の開催回数と主な議題は、監査等委員会設置会社移行前の監査役会における2024年度実績です。

目標と指標

<目標>

「コーポレートガバナンス・コード」対応、積極的な情報開示などを通じ、公正で透明性の高いガバナンス体制を構築します。

<指標と実績>

取り組み項目 指標 目標 実績(2024年度)
  • コーポレート・ガバナンス強化
  • 情報開示強化
1.
取締役会/委員会の開催回数
1.
実績開示
1.
25回
2.
1.の役員ごとの出席率
2.
実績開示
3.
取締役会の実効性評価内容開示
3.
実効性評価内容開示
  • 指名・報酬等諮問委員会

体制強化の歩み

当社グループは、コーポレート・ガバナンス強化に継続的に取り組んでいます。

コーポレート・ガバナンス強化に向けたこれまでの取り組み

取り組み内容とその目的
1998
  • 倫理委員会(現 コンプライアンス委員会)を設置
    経営の重点項目として全社的なコンプライアンス活動を推進
2004
  • 社外取締役を1人選任し、取締役任期を1年に短縮
    監督機能の強化と任期短縮による経営責任の明確化
  • 役員関連規定等諮問会議(現 指名・報酬等諮問委員会)を設置
    役員報酬などの決定手続きにおける透明性、公平性を確保
2005
  • 執行役員制度を導入し、取締役を減員
    決定・監督機能と執行機能を分離
2015
  • 社外取締役を2人に増員
    複数選任による監督機能の強化
  • 社外役員連絡会を設置
    社外役員のみで認識共有、情報交換を定期的に実施
  • 取締役等指名審議会(現 指名・報酬等諮問委員会)を設置
    取締役の選解任などの決定手続きにおける透明性、公平性を確保
2016
  • 取締役会全体の実効性について、分析・評価を実施
    以後毎年実施し、取締役会の課題抽出と改善活動を継続
2018
  • 社外取締役を3人に増員、全取締役に占める割合を3分の1に引き上げ
    取締役会メンバーの多様性を確保し、さらにガバナンスを強化
2019
  • 社外取締役を4人に増員(うち女性1人)
    取締役会メンバーの多様性確保をさらに推進
  • 役員報酬制度の見直し(譲渡制限付株式報酬の導入)
    中長期のインセンティブおよび株主との一層の価値共有
2021
  • 指名・報酬に関する委員会を「指名・報酬等諮問委員会」に改編。諮問機関を一体運営し、機能強化
2022
  • 社外取締役を5人に増員
  • 役員報酬制度の見直し(報酬の構成割合やKPIの変更)
2023
  • 女性取締役2人に増員
2024
  • 役員報酬制度の見直し(評価項目のひとつとしてサステナビリティ指標を採用)
2025
  • 監査等委員会設置会社へ移行

経営陣幹部の選解任および取締役候補者の指名

方針

経営陣幹部(取締役を兼務する執行役員)の選解任および取締役候補者の指名に当たっては、それぞれの責務にふさわしい人格・識見に優れた人物であるかを基本に、役員指名等の基準も勘案の上選考することとし、指名・報酬等諮問委員会の審議を経て取締役会で決定します。

(1)取締役会および監査等委員会の構成についての考え方
① 取締役会

戦略的な方向付けや重要な業務執行の決定を適切に行うための専門性・スキルと経営陣に対する監督強化に必要な独立性を備えることとします。また、職歴・ジェンダー・年齢などの多様性も確保しながら、全体としてバランスのとれた体制とするため、取締役会議長を務める会長、社外取締役および執行役員を兼務する取締役で構成します。
取締役会の員数は、「意思決定の迅速性と的確性の確保」「経営の透明性確保」「公正性重視」の考え方のもと、15人以内(うち、監査等委員である取締役は5名以内)と定款で定め、社外取締役が半数以上となるよう選任します。

② 監査等委員会

監査・監督の実効性を確保する観点から、財務・会計の専門性・スキルの他、当社グループの事業に知見を有する人材も含めて構成します。

(2)指名等基準の概要
① 取締役(監査等委員である取締役を除く。)候補者
  • 経営者としての知識、実績、経験、スキルに加え、全社的視点を備えていること。
  • 社外取締役は、企業価値の向上に資する豊富な経験や幅広い見識を有し、当社の独立性基準を満たしていること。
② 監査等委員である取締役候補者
  • 職務の執行の監査などにおいて独立した客観的立場で適切な判断ができること。
  • 社外取締役は、上記に加え、独立性基準を満たしていること。
当社社外取締役の独立性基準
  • 次に掲げる属性のいずれにも該当しない場合、当該社外取締役(候補者を含む)は、当社からの独立性が高く、一般株主との間に利益相反が生じるおそれはないものと判断する。
     (1) 当社の主要株主(議決権保有割合が10%以上である者をいう、以下同じ)、またはその会社の業務執行者
     (2) 当社が主要株主である会社の業務執行者
     (3) 当社を主要な取引先とする者(当社に対して製品もしくはサービスを提供している者であって、過去3事業年度の平均年間取引額が当該取引先の年間総売上高の2%超に相当する金額となる取引先をいう)またはその会社の業務執行者
     (4) 当社の主要な取引先(当社が製品もしくはサービスを提供している者であって、過去3事業年度の平均年間取引額が当社の年間総売上高の2%超に相当する金額となる取引先をいう)またはその会社の業務執行者
     (5) 当社の主要な借入先(その借入残高が当社総資産の2%超に相当する金額である借入先をいう)である金融機関の業務執行者
     (6) 当社から役員報酬以外にコンサルタント、会計士、弁護士等の専門家として年間1,000万円以上の金銭その他の財産上の利益を得ている個人、または年間1億円以上を得ている法人等に所属する者
     (7) 社外役員の相互就任関係にある会社の業務執⾏者
     (8) 上記(1) 乃至(7) に過去3年以内に該当していた者
     (9) 上記(1) 乃至(8) に該当する者の二親等内の親族
     (注) 上記の属性に該当しない場合であっても、当社のグループ会社または取引先のグループ会社における取引高等を勘案して、独立性がないと判断する場合がある。

指名等の手続き

公正性および透明性を確保するため、取締役会の諮問機関として、社外取締役が委員の過半数を占める指名・報酬等諮問委員会を設置しています。指名・報酬等諮問委員会の委員長は、社外取締役が務めます。
指名・報酬等諮問委員会は、役員指名等の基本方針・基準、後継者計画等について、社長からの提案に基づいて審議し、取締役会へ答申します。

解任に関する方針と手続き

不正、不当もしくは背信を疑われるような行為があったとき、その他役員としてふさわしくない事由があったときは、指名・報酬等諮問委員会の審議を経て、取締役会で解任を決定します。

取締役の会議出席状況、スキルマトリックス

価値創造のアプローチイメージ図
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取締役に期待する専門性・スキルの内容

スキル項目 スキルの内容
企業経営 国内外におけるビジネスの機会とリスクを踏まえ、グループ全体を俯瞰して事業ポートフォリオの組替えなど持続的成長への戦略を監督、推進する。
生産・技術・開発 モノづくり現場力の強化ならびに新事業・新技術の探索およびテーマの事業化など未来への仕込みに関する戦略を監督、推進する。
マーケティング・営業 既存事業の深耕および成長分野における事業機会の創出に関する営業戦略を監督、推進する。
財務・会計 財務・会計の高度な専門性に基づき、経営計画の達成に向けて財務戦略や資本政策を監督、推進する。
環境・社会 「サステナブル・ビジョン2030」で掲げる社会課題解決への貢献を果たし、事業を通じて持続可能な社会を実現するための戦略を監督、推進する。
ガバナンス・リスク管理・コンプライアンス 事業活動の土台となるガバナンスの強化と法令順守の徹底に継続して取り組む必要があるとの認識のもと、「2025中期経営計画」の重点課題「安全・防災、品質」をはじめ、リスクマネジメントやコンプライアンスの強化に関する戦略を監督、推進する。
IT・DX IT・DXを通じてビジネスモデルを変革し、競争優位を確立するためのデジタル戦略を監督、推進する。

CEOサクセッションプラン(後継者育成計画)

当社は、社長執行役員の後継者を含めた人材戦略を経営における最重要課題として位置づけています。社長執行役員の後継者計画については、指名・報酬等諮問委員会において次世代の経営環境を見据えた人材要件を示した上で、後継者候補が今後強化すべき知見や経験を議論しています。また、経営陣幹部候補の人材育成状況についても、適宜取締役会にて報告しています。

役員のトレーニング

新任の取締役に対して、役割・責務に関する説明を行う他、執行役員や取締役就任時に外部研修プログラムへ派遣し、必要な知識の習得を支援しています。

さらに、就任後も外部研修プログラムへの参加を支援するとともに、外部講師による講義を開催し、各自が継続的に経営リテラシーを強化できるよう取り組んでいます。

また、新任の社外取締役に対しては、会社の事業・財務・組織などに関する説明や各事業所視察を行っています。

役員報酬制度

基本方針

当社における役員報酬制度は、株主総会で決議された報酬額の範囲内で、次の方針に従い設計しています。

当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上につながる動機付けとなること
優秀な経営人材の確保につながること
決定の手続きが客観的で透明性の高いこと

報酬の構成や水準は、当社の経営環境、従業員給与の水準や外部専門機関の調査に基づく他社水準を踏まえて、見直しを行います。

金銭報酬(業績連動部分含む)

(1)金銭報酬の構成

取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)および執行役員の金銭報酬は、月例の固定報酬とし、次の二つにより構成されます。

基本報酬
短期インセンティブ報酬
(2)短期インセンティブ報酬
短期インセンティブ報酬は全社業績と個人業績の各評価を役位に応じて反映します。
取締役会長 全社業績のみ
代表取締役 全社業績:個人業績=2:1
取締役(執行役員兼務) 全社業績:個人業績=1:1
執行役員(専任) 全社業績:個人業績=1:2
全社業績および個人業績を反映させた個人別の報酬額を算出します。
全社業績は、主要な経営指標であるEBITDAをKPIとし、目標値に対する達成度合いに応じて、0~200%の範囲で変動させます。なお、2026年7月度報酬から、代表取締役については、業績指標としてROEも指標に加えることとします。
具体的な目標値については、指名・報酬等諮問委員会に諮問し、その答申を踏まえ取締役会にて決定します。
個人業績は、担当部門業績と個人目標を設定し、その達成度を総合的に勘案して5段階で評価し、0~200%の範囲で変動させます。
評価項目にサステナビリティ指標を設定し、その達成度により加算します。そのサステナビリティ指標は年度経営方針に基づき、すべての執行役員の共通目標となるものとします。
サステナビリティ指標

当社では、役員報酬制度にESG(環境・社会・ガバナンス)等のサステナビリティ指標を採り入れています。
短期インセンティブ報酬に反映させる評価項目に、安全・防災、人的資本および気候変動対応に関する指標(KPI)を毎年設定し、その達成度を評価しています。
安全・防災関係と人的資本関係は2023年度実績に基づき支給される2024年7月度以降の報酬から、気候変動対応関係は2024年度実績に基づき支給される2025年7月度以降の報酬からそれぞれ適用しています。

サステナビリティ指標 KPI 2025年度
目標値
反映方法
安全・防災関係指標 重大災害件数 0件/年 全項目達成で短期インセンティブ報酬基準額の5%加算
労働災害休業度数率 0.25以下
火災・爆発件数 0件/年
事故(流出)件数 0件/年
人的資本関係指標 エンゲージメントサーベイの評価結果 対前回+5% 短期インセンティブ報酬基準額の5%加算
気候変動対応関係指標 GHG排出量(Scope1および2)の削減 対前年▲2.7% 短期インセンティブ報酬基準額の5%加算
  • 短期インセンティブ報酬100%を基準額とする

株式報酬

持続的な企業価値向上へのインセンティブを高め、株主との一層の価値共有を推進するため、報酬における一定の割合を非金銭報酬として、譲渡制限付株式報酬(業績非連動・事前交付型)を年1回付与します。

報酬の支給割合

企業価値向上へのインセンティブが適切に働くように設計することとし、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)および執行役員の基本報酬、短期インセンティブ報酬、長期インセンティブ報酬の割合は6:3:1を目安とします(KPI100%達成の場合)。

その他

(1)
社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、定額の金銭報酬のみとします。
(2)
監査等委員である取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、各監査等委員である取締役の職務および責任に応じた定額の金銭報酬のみとし、監査等委員である取締役の協議により決定します。
(3)
取締役会の諮問機関として、委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬等諮問委員会を設置し、報酬決定の透明性、客観性を確保します。指名・報酬等諮問委員会は取締役会の諮問を受け、役員報酬の体系、水準、算定方法に加え、役位別報酬の一部を構成する全社業績評価の目標設定額などについても審議します。取締役会は指名・報酬等諮問委員会の答申を踏まえ、個別の報酬額を最終決定します。

役員報酬の内容(2024年度)

※ 期中の新任・退任役員を含む

区分 報酬等の総額 報酬等の種類別の総額 対象となる役員の員数
基本報酬 業績連動報酬 非金銭報酬等(譲渡制限付株式報酬)
百万円 百万円 百万円 百万円
取締役(うち社外取締役)
309(53)
234(53)
45(―)
30(―)
12(5)
監査役(うち社外監査役)
71(18)
71(18)
―(―)
―(―)
4(2)
合計(うち社外役員)
380(71)
305(71)
45(―)
30(―)
16(7)

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の機能をさらに向上させることを目的として、外部機関の助言を得ながら2024年度の取締役会全体の実効性に関する分析・評価を実施しました。その概要は以下のとおりです。

実施方法

(1)
対象者:取締役および監査役全員
(2)
方法:アンケート(43問)を実施し、回答は業務を委託する外部機関に直接行った。
(3)
分析・評価:外部機関からの集計結果報告を踏まえた上で、取締役会において実施した。

分析・評価結果の概要

(1)
取締役会の構成、取締役・監査役に対する支援体制等については、前回同様高い評価となっている。また、会議は活性化しており、実効性は担保されているとの意見が複数あったが、属性によって評価のバラつきがみられた。
(2)
前回抽出した五つの課題(①安全・防災、品質保証などのリスク管理対応、②資本コストや資本収益性の把握、改善に向けた方針等の検討、③事業ポートフォリオの見直しへの取り組み、④最高経営責任者の後継者計画と選任手続きへの取り組み、⑤グループガバナンスの強化)に取り組んだ結果、前回よりも高く評価されたものが多かったが、一部で改善が不十分との意見もあった。
特に、上記②、③、④については、相対的に評価が低かったため、引き続き今後の課題とした。また、上記①、⑤については改善が見られるが、継続的に注力し一層のパフォーマンス向上を目指す。
(3)
監査等委員会設置会社への移行を機に、迅速で効率的な業務執行と高度な経営の監督を両立できる体制とするため、取締役への業務執行の決定権限の委任につき検討を進めることを新たな課題とする。

課題と今後の取り組み

取締役会は、以下の取り組みを通じて、取締役会全体の実効性向上に努めます。

(1)資本コスト、資本収益性の把握、改善に向けた方針等の検討

取締役会で「資本収益性の改善に向けた取り組みの推進」を重要テーマとして取り上げ、改善に向けた取り組みを監督・推進する。

(2)事業ポートフォリオの見直しへの取り組み

取締役会で「事業ポートフォリオの見直しへの取り組みの推進(仮)」を重要テーマとして取り上げ、事業ポートフォリオ改革の進捗を監督・推進する。

(3)最高経営責任者の後継者計画と選任手続きへの取り組み

指名・報酬等諮問委員会の活動および取締役会への報告を充実させる。

(4)監査等委員会設置会社移行に伴う取締役会の運営見直し

経営における意思決定のスピード化を図るための付議基準を見直し、モニタリングボードへの移行を進める。

社外取締役座談会

政策保有株式

当社は、政策保有株式を中長期的な企業価値向上の効果や経済合理性などさまざまな観点から定期的に検証し、その意義が認められなくなった銘柄については、適宜適切に売却していく方針です。一方で、重要な取引先との安定的な取引関係維持・強化などが当社の持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合には、当該取引先の株式を保有することがあります。なお、取締役会は、毎年、政策保有株式について、将来の事業戦略や事業上の関係などを含め、個別に検証を行い、保有継続の可否を判断しています。

また、政策保有株式の議決権行使については、当該取引先の状況や議案内容を深く検討するとともに、必要がある場合には、当該取引先と対話を行うなどして、当該取引先および当社の持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に資するものであるか否かなどを確認した上で、総合的に判断しています。