競走馬の心拍数測定用腹帯カバーに当社導電素材が採用

2016年7月1日 製品・展示会

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 当社グループ開発のフィルム状導電素材「COCOMI®」が、競走馬の心拍数測定用腹帯(はらおび)カバーに採用されました。株式会社Anicall(横浜市鶴見区 社長: 塙 章・はなわ あきら)が販売する、競走馬専用心拍・速度・加速度測定システム「Horsecall™(ホースコール™)」に使用されています。腹帯カバーに「COCOMI®」を使い、電気抵抗値が低く伸縮性に優れた配線を形成することで、全力疾走中の競走馬の心拍が安定して計測できるようになりました。

1. 背景

 これまで、競走馬の調教は調教師の経験に頼ってきましたが、生体から得られる科学的データの裏付けがあると、より高い効果を見込めます。そのためには、ウエアラブルデバイスを用いた専用の生体情報計測システムが必要です。
 馬用のウエアラブルデバイスはすでに市販されています。これらは安静時やトレッドミル(ランニングマシン)での運動時の心拍は測定できますが、全力疾走している競走馬の心拍を安定して測定できるものはありません。体重が500キログラムにもなる競走馬は、全力疾走時の体の動きが激しく、測定用電極が体に密着しにくいためです。
 Anicall社は、このような問題を解決するために、当社グループが開発した「COCOMI®」に注目し、当社と共同で心拍数測定用腹帯カバーの開発を進めました。

2. 「COCOMI®」を使った心拍数測定用腹帯カバーの特長

 「Horsecall™」では、競走馬のくらを固定する腹帯に、「COCOMI®」を使った電極・配線一体型のカバーを装着して使用します。「COCOMI®」を電極・配線に用いることで、最高で時速約70キロメートルにもなる競走馬の心拍を安定して測定できます。「COCOMI®」を使用した配線の電気抵抗値が低いこと、伸縮性があり競走馬の激しい動きに追従できたことが理由です。

「Horsecall™」の心拍数測定用腹帯カバーを装着した競走馬・腹帯カバー

3. 競走馬専用心拍・速度・加速度測定システム「Horsecall™」について

 これまでは経験に裏付けされてきた競走馬の調教状態を、科学的データでバックアップする、革新的な調教支援システムです。どこからでもリアルタイムで調教をチェックでき、自動保存が可能で手間のかかるデータの読み込みは不要です。「COCOMI®」を用いた心拍数測定用腹帯カバーにより、安静時やトレッドミル使用時のみならず、全力疾走中の競走馬の心拍を安定して測定できます。

■ 販売開始日 2016年7月1日
■ 価格 185,000円(基本システム価格 税別)
■ 詳細サイト http://www.horsecall.jp/

※「Horsecall™」「ホースコール™」はAnicall社の商標です。

■ 導電素材「COCOMI®」とは

「COCOMI®」の模式図

「COCOMI®」の模式図

 「COCOMI®」は、ウエアラブルデバイス用の電極・配線材向けのフィルム状導電素材です。「COCOMI®」は電極と配線を継ぎ目なく一体化でき、体の動きに追随できることから、これまでにない自然な着心地のウエアラブルデバイスとなります。また、「COCOMI®」を使用した配線は電気抵抗値が低く、より精度の高い生体情報の収集が可能になります。
 今後は、得られた生体情報と当社快適性工学センターの「心理・生理計測技術」を組み合わせることで、メンタルトレーニングにおけるリラックス度合いの測定や、ドライバーの眠気の検出などへの応用も考えています。スポーツウエア、ワーキングウエア、メディカル用途などへの展開を進めていきます。

以上

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