黄色ブドウ球菌の薬剤耐性遺伝子を1時間以内で検出できるキットを販売開始

2017年6月15日 製品・展示会

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 当社は、黄色ブドウ球菌が持つ薬剤耐性遺伝子を簡単・短時間で自動的に検出できる、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®」用の体外診断用医薬品「ジーンキューブ® mecA」を開発しました。6月19日から販売を開始します。

1.開発の経緯

 ブドウ球菌は、人間の皮膚や鼻腔内などにいる常在菌です。健康なときに害はありませんが、免疫力が低下すると、感染症を引き起こすことがあります。重症化すると敗血症などを引き起こし、まれに死に至ることもあります。中でも、抗菌薬が効きにくいメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) に感染した場合は、治療法が限定されます。そのため、感染症がMRSAに起因するかどうかを検査する必要がありますが、従来法では検査結果が出るまで約2日かかっていました。
 今回開発した「ジーンキューブ® mecA」は、1時間以内に薬剤耐性の原因となるメチシリン耐性遺伝子を検出できます。そのため、治療の早い段階で適切な抗菌薬を選択できるようになり、患者の早期回復が期待できます。また、薬剤耐性を持つ黄色ブドウ球菌の新たな発生も抑える効果も期待できます。

2.「ジーンキューブ® mecA」の特長

「ジーンキューブ® mecA」

「ジーンキューブ® mecA」

(1) 短時間で検出
検体処理後から最短で35分、検体処理を含めても1時間以内に検査結果が得られます。
(2) 対象遺伝子を特異的に検出
検出精度は99.7%。メチシリン耐性遺伝子のみを特異的に検出することができます。
(3) 血液培養試料から検出可能
従来法は血液培養試料からさらに処理が必要でしたが、「ジーンキューブ® mecA」は血液培養試料から直接メチシリン耐性遺伝子を検出できます。

3.今後の展開

 体外診断用医薬品「ジーンキューブ® mecA」は、2020年度に1億円の売り上げを目指します。
 全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®」は、現在、国内の大学病院や国公立病院などに販売していますが、今後、海外へ販売拡大する予定です。当社は、「GENECUBE®」の普及を通して、感染症の早期発見、早期治療および拡大抑制に貢献します。

「GENECUBE®」

( 参考 )

■ 全自動遺伝子解析装置「GENECUBE®
本体希望価格 1,600万円(税抜)
外形寸法 幅900×奥行550×高さ650(㎜)
重量 約92㎏
■ 「ジーンキューブ® mecA」
一般的名称 核酸同定・ブドウ球菌キット
希望価格 106,000円(税抜)/1箱(48テスト分)入り
承認番号 22900EZX00010000
製造販売元 東洋紡株式会社

以上

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