東洋紡バイオテクノロジー研究財団 2019年度研究助成贈呈式を実施

長期研究助成受贈者および関係者

　当財団は、東洋紡株式会社（本社：大阪市北区、代表取締役社長：楢原誠慈、以下「当社」）の創立百周年を記念し、1982年に設立。バイオテクノロジーの分野において研究助成を行い、その成果を通じて社会に貢献することを趣旨としています。海外留学を助成する「長期研究助成」の受贈者は、本年度を含めて累計206人となり、その多くがバイオテクノロジーの研究や教育の第一線で活躍しています。

　2月19日の贈呈式には、当財団より理事長 津村準二（当社名誉顧問）、評議員 上乃均（当社取締役常務執行役員 バイオ・メディカル本部長）らが出席。理事長から受贈者5名に対して目録が授与され、留学先での研究に向けた応援の言葉が贈られました。

理事長あいさつ

　当社のバイオ事業は、レーヨンの原料であるパルプの廃液処理に関する研究から始まりました。その後、診断薬用酵素や遺伝子解析技術へと発展し、今では主要事業の一つとなっています。受贈者の皆さまには、当財団の助成金を少しでも活用し、充実した留学生活を送ることで、バイオテクノロジーの発展に貢献する研究者となることを切に願っています。

長期研究助成受贈者一覧

受贈者コメント

（伊東 孝政さん）
　現在皮膚科で、薬疹や水疱性類天疱瘡といった疾患の研究をしています。留学を通じて、免疫細胞である2型自然リンパ球の動きを調べることで、これらの疾患について解明していきたいです。

（今泉 結さん）
　ゲノムインプリンティング（片方の親から受け継いだ遺伝子のみが発現する現象）が脳でどのように制御されているのかを解明し、将来的には自閉症などの精神疾患との関連を明らかにしたいです。

（大井 未来さん）
　生体内過剰鉄は、アルツハイマー病やがんなどの疾患の一因であると考えられます。留学先では、過剰鉄の発現を検出する機能性分子を開発し、過剰鉄が引き起こす疾患の発症機構解析に挑みます。

（光井 洋介さん）
　泌尿器科で腎移植を専門としており、患者のQOL改善を目指しています。留学先では、腎移植における拒絶反応をメインに研究して、拒絶反応の起こりにくい手法を確立したいと考えています。

（山田 俊理さん）
　これまでは細胞内の化学反応について研究していましたが、今回の留学では新しい分野に挑むべく、細胞間の情報伝達について研究し、人工的な神経回路やリンパ節の構築に取り組みます。

以上