ニュースリリース

有機光ダイオード向け光電変換材料の開発を加速~仏研究機関CEAとの共同研究で世界トップクラス※1感度のモジュール試作に成功~

 当社は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する「有機光電変換材料」の開発を加速します。このほど、本材料を使用した「有機光ダイオード(Organic Photodiode、以下「OPD」)」について、フランス政府系研究機関のCommissariat à l'énergie atomique et aux énergies alternatives(以下「CEA」)との共同研究により、暗電流※2の低さが世界トップクラス※1である高感度なモジュールの試作に成功しました。あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」デバイスの光センサー用途として、2025年までの実用化を目指します。

 

CEAと共同で開発したOPDモジュールの試作品

CEAと共同で開発したOPDモジュールの試作品

OPD向け光電変換材料

OPD向け光電変換材料

 

 光の明暗を検知する光センサーは、さまざまな電子機器に搭載されています。現在、光センサーにおいて光量の強弱を電気信号に変換する「光ダイオード」は、シリコンなどの無機物からなる光電変換材料をガラス基板に高温で蒸着して製造するものが主流です。これに対し、当社が取り組むOPDは、溶液化した有機光電変換材料をガラスやプラスチックの基板に塗布するという簡便な方法で製造が可能であり、一般的な光ダイオードに比べて製造時のコストや環境負荷を低減できます。また、フィルムなどのフレキシブルな基板を使用することで形状の自由度が高まるため、光センサーの可能性を広げるものとして、今後の普及が期待されます。

 当社は、高度な有機合成技術を活かした多様な有機材料の開発に注力しており、2019年より、CEAと有機薄膜太陽電池向け発電材料の共同研究に取り組んできました※3。さらに、IoTに不可欠な光センサー向けに、2020年から有機光電変換材料の共同研究を実施。このほど、実用化の目安である-5Vの電圧をかけた時の暗電流の低さが世界トップクラス※1の10-9 A/cm2以下であり、一般に市販されるシリコン光ダイオードよりも微弱な光を検出できる、高感度なOPDモジュールの試作に成功しました。なお、当社の光電変換材料は、CEAとの検証において、ガラス基板とPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基板のどちらに塗布をしても同等の暗電流の低さを示すことを確認しています。

 今後、暗電流の低さを必要とする高性能な光センサーを搭載したIoT家電や指紋認証デバイス用途を中心に、本材料の早期実用化を目指し、安心・安全な社会の実現に貢献できるよう努めていきます。

※1: 2022年3月28日現在、当社調べ
※2: 光を照射していない時に流れる電流のこと。暗電流の値が低いほど光センサーの感度が高くなる
※3: 2019年7月31日付 当社ニュースリリース
「室内光発電に適した有機薄膜太陽電池材料の開発を加速~仏政府機関CEAとの共同研究を開始~」
2020年3月23日付 当社ニュースリリース
「室内光で世界最高レベルの変換効率を発揮する有機薄膜太陽電池用発電材料を実用化へ」

 

CEAについて

 CEAは、エネルギー転換、デジタルトランスフォーメーション、先進医療技術、防衛・セキュリティという4つの主要分野における研究・開発・イノベーションを担うフランスの主要機関です。20,000人の従業員と、大規模な研究インフラを備えた9つの拠点を擁し、フランスやヨーロッパだけでなく、世界中の数多くの学術界・産業界におけるパートナーとの共同プロジェクトを、積極的に実施しています。また、フランスおよびヨーロッパで出願した特許の件数に基づき、クラリベイト・アナリティクス社より、「Top 100 グローバル・イノベーター2022」に選出されています。

ウェブサイト: http://www.cea.fr/

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