東洋紡バイオテクノロジー研究財団 2022年度研究助成贈呈式を実施

2023年3月17日 その他

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 公益財団法人 東洋紡バイオテクノロジー研究財団(所在地:大阪市北区、理事長:坂元龍三、以下「当財団」)は、このほど2022年度研究助成の受贈者を決定し、2023年2月13日に研究助成贈呈式を実施しました。本年度は、バイオテクノロジー分野の若手研究者6人に対し、総額3,300万円の研究助成金を贈呈します。

 

 坂元理事長(左から3人目)、当財団関係者と受贈者の皆さんによる記念撮影 

坂元理事長(左から3人目)、当財団関係者と受贈者の皆さんによる記念撮影

 

 当財団は、東洋紡株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:竹内郁夫、以下「東洋紡」)の創立100周年を記念し、1982年に設立。バイオテクノロジーの分野における学術的な調査や研究開発を助成、促進し、その成果を通じてより高度な文明社会の創造に寄与することを目指しています。海外留学を助成する「長期研究助成」の受贈者は、本年度を含めて累計220人となり、多くの方がバイオテクノロジーの研究や教育の第一線で活躍しています。

 東洋紡の本社で3年ぶりに対面形式で開催された贈呈式には、当財団より坂元龍三理事長(東洋紡相談役)、選考委員長を務める近藤滋理事(大阪大学大学院 生命機能研究科 教授)、東洋紡執行役員の曽我部敦バイオ事業総括部長らが出席。受贈者6名に対して、留学先での研究に向けた激励の言葉が贈られました。

坂元理事長のあいさつ

 当財団は生命科学分野の研究者たちの支援活動を通じて、人々のウェルビーイング(心身の健康や幸福)を実現できる社会づくりに貢献していきたいと考えています。受贈者の皆さまには、海外留学を通じて一層研鑽され、自分の目標にたくましく挑戦されることを期待をしています。

長期研究助成受贈者一覧

氏名 所属 留学先 研究テーマ
鹿谷 有由希
シカヤ ユウキ
京都大学大学院
理学研究科
ソルボンヌ大学 クラゲClytia hemisphaerica(ヒドロ虫類)を用いた腸管の形態形成における蠕動運動の力学的役割の解明
清水 大
シミズ ダイ
岡山大学大学院
医歯薬学総合研究科
コロンビア大学
アービング医療センター
臓器創生法でしかできない新たな肺線維症in vivo モデルの開発と解析
西村 聡
ニシムラ アキラ
東京医科歯科大学
発生発達病態学分野
カリフォルニア大学
サンディエゴ校
Eプロテイン誘導性のBcl11b エンハンサーの非コードRNA転写と核内移行によるαβおよびγδT細胞運命決定の機序の解明
秤谷 隼世
ハカリヤ ハヤセ
名古屋大学大学院
理学研究科
テュービンゲン大学 標的mRNA応答性のタンパク質翻訳システム
星野 颯
ホシノ カナタ
静岡大学
農学部
プリンストン大学 薬剤耐性菌感染症の克服に向けた新たな抗生物質生産法の確立
水田 涼介
ミズタ リョウスケ
京都大学大学院
工学研究科
ミシガン大学 ペプチド模倣スマートポリマーによる細胞外小胞の機能制御

受贈者コメント

(鹿谷 有由希さん)
 鶏胚を用いて、生物が生まれてくるまでに腸管(小腸や大腸)の蠕動(ぜんどう)運動がどのように成立されていくのかを研究しています。留学先(ソルボンヌ大学)では、クラゲを用いて、腸管の形態形成過程における蠕動運動の役割を解明することに取り組みます。

(清水 大さん)
 再生iPS細胞・ES細胞を用いた肺のオルガノイドについて研究しています。留学先(コロンビア大学)は、最先端の研究環境でマウスの肺の中でiPS細胞由来の肺を作ることに成功しています。今後、iPS細胞由来の肺を人に応用するための研究に取り組みます。

(西村 聡さん)
 留学先(カリフォルニア大学)が保有する、細胞の核内の動態を顕微鏡下で可視化する「ライブセルイメージング技術」を用いて、免疫担当細胞が分化する際の遺伝子とたんぱくの動きを捉える研究を行います。将来的に、免疫不全症や白血病患者の診断やリスク分類、治療法への応用に貢献することを目指します。

(秤谷 隼世さん)
 核酸医薬、RNA編集を専門に研究をしています。「標的mRNA応答性のタンパク質翻訳システム」という研究テーマをPoC(Proof of Concept)の段階まで成果として育て、RNA創薬の開発に生かしていきます。

(星野 颯さん)
 従来の抗生物質では治療が困難な耐性を持つ菌(薬剤耐性菌)による感染症の流行に備えるための研究をしています。微生物内に眠っている抗生物質を作る遺伝子を呼び覚ます方法や、抗生物質そのものを新たに発見する研究に取り組み、薬剤耐性菌感染症への対策の一助となることを目指します。

(水田 涼介さん)
 エクソソーム(細胞外小胞)に高分子をインターフェイスとして無機材料を複合化することで機能を改変したり、より便利なものへ変化させることを研究しています。留学先(ミシガン大学)が有する人工的な合成高分子(ランダム共重合体)を活用することにより、エクソソームの持つ機能を制御したり、新たな機能を付与したりする手法について研究します。

以上

本件に関するお問い合わせ先

<リリースに関するお問い合わせ先>
東洋紡株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ

TEL06-6348-4210
FAX06-6348-3443

MAILpr_g@toyobo.jp

 

<バイオテクノロジー研究財団に関するお問い合わせ先>
公益財団法人 東洋紡バイオテクノロジー研究財団 事務局
お問い合わせフォーム
https://krs.bz/toyobo/m/biofund 
 

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