東洋紡、大塚化学と医薬品製造プロセス領域におけるアライアンス契約を締結
新たな分離膜デバイスの共同開発を通じ生産性向上ソリューションの提供を目指す
東洋紡株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:竹内郁夫、以下「当社」)はこのほど、大塚化学株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:土佐浩平、以下「大塚化学」)と医薬品の製造プロセス領域における生産性向上のためのソリューション提供に向け、新たな分離膜デバイスを共同開発することなどに関するアライアンス契約の締結に合意しましたのでお知らせいたします。
分離膜デバイスに用いられる中空糸とその断面写真
世界の医薬品市場は2028年まで年約7%※1で拡大が見込まれており、これに伴い医薬品の製造に必要な分離膜などのデバイス市場も拡大が予想されています。中でも、がん細胞などにおける特定の抗原にピンポイントで作用する抗体医薬品は、高い治療効果や副作用の軽減などへの期待から大きく伸長することが予想され、関連するバイオ医薬品加工機器・消耗品市場は2030年までに年率約9%※2の成長が見込まれます。抗体医薬品の製造プロセスには、細胞の培養、回収と分離、精製などの工程があり、目的に応じてさまざまな分離機能を有するデバイスが使用されます。このうち、精製工程においては、ターゲットとなる特定の分子との特異的な相互作用を利用して分離・精製するアフィニティカラム方式が使用されるのが一般的でしたが、高価であることや、処理に時間が掛かることなど、生産性の課題が指摘されていました。
このたびのアライアンスでは、大塚化学のもつ精密合成・重合技術を活用して開発した新規ポリマーと、東洋紡の微細加工・製膜技術を融合することにより新たな分離膜デバイス製品を共同開発し、医薬品製造プロセスにおける生産性を向上するソリューションの提供を目指します。第一弾として、2025年度中を目途に、抗体医薬品の精製工程におけるアフィニティカラム方式を代替可能な分離膜デバイスの開発・上市に取り組んでいきます。この新たな分離膜デバイスでは、吸着効果を持つポリマーと微小な孔を持つ分離膜を組み合わせることで、精製工程における1バッチあたりの処理時間の大幅な短縮を図るとともに、工程に係る労務費の低減にも貢献します。さらに、第二弾以降の取り組みでは、連続生産に対応可能なフロー合成膜や、ウイルス除去膜などの共同開発を進めることを計画しています。
東洋紡は大塚化学と緊密に連携し、両社の強みを活かしながら医薬品の生産性向上に寄与する新たなデバイスの開発とソリューションの提供を通じて、人々のQOL向上に貢献できるよう努めていきます。
※1: | 研究開発戦略センター「第231回「世界の医薬品 新薬が市場成長のカギ」」より引用:https://www.jst.go.jp/crds/column/choryu/231.html |
※2: | グローバルインフォメーション社「バイオ医薬品加工機器・消耗品市場:製品・用途・エンドユーザー別-2024-2030年世界予測」より引用: https://www.gii.co.jp/report/ires1411477-biopharmaceutical-processing-equipment-consumables.html |
■ 東洋紡㈱の概要
・所在地: | 大阪府大阪市北区梅田一丁目13番1号 大阪梅田ツインタワーズ・サウス |
・代表者: | 代表取締役社長 竹内郁夫 |
・事業内容: | フイルム、ライフサイエンス、環境・機能材、機能繊維分野における各種製品の製造、加工、販売 |
■ 大塚化学㈱の概要
・所在地: | 大阪市中央区大手通3丁目2番27号 |
・代表者: | 代表取締役社長 土佐 浩平 |
・事業内容: | 化学品の製造、販売 |
以上
本件に関するお問い合わせ先
東洋紡株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
TEL 06-6348-4210
MAIL pr_g@toyobo.jp
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