東洋紡バイオテクノロジー研究財団 2024年度研究助成贈呈式を開催

 公益財団法人 東洋紡バイオテクノロジー研究財団(所在地:大阪市北区、理事長:坂元龍三、以下「当財団」)は、このほど2024年度研究助成の受贈者を決定し、2025年2月17日に贈呈式を開催しました。本年度は、バイオテクノロジー分野の若手研究者5人に対し、総額3,500万円の研究助成金を贈呈します。

 

バイオ財団授与式の様子

坂元理事長(後列右から2人目)、当財団関係者と受贈者の皆さんによる記念撮影

 

  当財団は、東洋紡株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:竹内郁夫、以下「東洋紡」)の創立100周年を記念し、1982年に設立されました。バイオテクノロジー分野における学術的な調査や研究開発を助成、促進し、その成果を通じてより高度な文明社会の創造に寄与することを目指しています。今年度で43回目の実施となる「長期研究助成」では、生命科学分野における独自性のある基礎研究を行う若手研究者に対し、海外留学費用を助成します。本制度により助成を受けた若手研究者は累計228人に上り、多くの受贈者の方がバイオテクノロジー分野の研究者や教育者として国内外で活躍されています。

 東洋紡本社で開催された贈呈式には、当財団より理事長の坂元龍三、選考委員長の近藤滋(国立遺伝学研究所 所長)らが出席。受贈者の留学先での活躍を祈念し、激励の言葉が贈られました。

坂元理事長のあいさつ

 「長期研究助成」受贈者の皆さま、誠におめでとうございます。海外での学びや経験を通じてバイオテクノロジー研究および医学の発展に努め、両分野における社会課題の解決に貢献できるよう大きく成長されることを期待しています。

長期研究助成受贈者一覧

氏名 所属 留学先 研究テーマ
相澤 彩美子
アイザワ アミコ
慶應義塾大学大学院
理工学研究科
シエナ大学 ニューラルネットワークを用いた閉ループ制御システムによる乳癌組織形態の制御
飯島 綾菜
イイジマ アヤナ
筑波大学大学院
人間総合科学学術院
マウントサイナイ医科大学 アトピー性皮膚炎におけるインターロイキン18 (IL-18) の機能解析及びその治療応用
岡部 恵美子
オカベ エミコ
理化学研究所
生命機能科学研究センター
ジョンズ・ホプキンス大学 RNA顆粒制御プローブを用いたホルミシス効果の継承におけるRNA顆粒の機能解析
福津 佳苗
フクツ カナエ
北海道大学大学院
医学研究院
シンガポール眼科研究所 眼底写真を用いた全身性疾患の網膜バイオマーカーの探索
山尾 啓熙
ヤマオ ヒロキ
東北大学大学院
生命科学研究科
ハーバード大学 グリア細胞による精神状態制御機構の解明

受贈者の抱負

(相澤 彩美子さん)
 留学先(シエナ大学)の研究室では、ニューラルネットワークを用いた生物システムあるいは生物を模倣した複雑な化学システムの外部刺激によるフィードバック制御について研究する予定です。将来的には、ソフトロボティクスや再生医療への貢献を目指します。

(飯島 綾菜さん)
 皮膚における免疫応答の制御機構および、アトピー性皮膚炎の発症と増悪における分子機構について研究しています。留学先(マウントサイナイ医科大学)では、アトピー性皮膚炎の症状の一つであるかゆみの発生やその制御機構を解明する研究を行います。将来的には、アトピー性皮膚炎に対する新規の根治的な治療薬や予防法の開発を目指します。

(岡部 恵美子さん)
 親世代が獲得したストレス耐性が子孫に継承される事象において、ノンコーティングRNAがどのように機能するかを研究しています。留学先(ジョンズ・ホプキンス大学)では、RNA代謝の場であるRNA顆粒を人工的に制御する技術を活用することにより、ストレス耐性の継承におけるノンコーディングRNAやRNA顆粒の役割の解明を目指します。

(福津 佳苗さん)
 留学先のシンガポール眼科研究所では、網膜血管形態の解析などを行い、AI を用いて 眼科画像から全身情報を取得するための研究を行います。将来的には脳血管疾患や心血管イベント、腎疾患等の全身疾患の検出に役立つ網膜上のバイオマーカーを見つけ出すことを目指します。

(山尾 啓熙さん)
 脳内のグリア細胞(神経細胞以外の細胞)機能を研究しています。留学先(ハーバード大学)では、透明なゼブラフィッシュ幼魚を用いて全脳活動同時イメージングを行い、グリア細胞による情報処理調節メカニズムの解明に取り組みます。グリア細胞が生物の適応的な行動選択を支える仕組みの解明を目指します。

以上

本件に関するお問い合わせ先

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東洋紡株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
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