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    ~国内の生産・供給体制を強化し、将来的な感染症拡大防止に貢献~

敦賀バイオ工場にPCR検査試薬・遺伝子診断薬原料の新製造設備が竣工
~国内の生産・供給体制を強化し、将来的な感染症拡大防止に貢献~

2025年5月27日 企業情報

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 当社はこのほど、敦賀バイオ工場(福井県敦賀市)において、遺伝子検査に用いられる PCR※1検査試薬および酵素や抗体などの遺伝子診断薬原料を製造する新設備を竣工しました。国内における生産・供給体制を強化することで、将来的に起こりうる感染症の拡大防止に貢献します。

 

敦賀バイオ工場に新たに完成した製造設備の外観

敦賀バイオ工場に新たに完成した製造設備の外観

竣工式の様子

5月27日開催の竣工式の様子

 

  新型コロナウイルスをはじめとする感染症の診断においては、ウイルスの微量なDNAなどを検出可能なPCR検査に代表される遺伝子検査が広く活用されています。世界的に蔓延した新型コロナウイルス感染症が収束した現在も、サル痘や鳥インフルエンザ、デング熱といったさまざまな感染症の発生が世界各地で確認されており、これらの早期発見や予防対策のニーズに対応可能なPCR検査試薬が求められています。また、PCR検査試薬は新しい診断方法や治療法の開発を目的とした研究用途でも幅広く利用されており、PCR関連製品の世界市場は2032年まで年率7.2%の規模で拡大が見込まれています※2

 

 こうした状況の下、当社は敦賀バイオ工場にPCR検査試薬および遺伝子診断薬原料の製造設備と品質試験棟を新設しました。高濃度DNAの取り扱いに適したクリーンルームや研究試薬を効率的に分析・製造できる環境などを備えた施設を新たに建設。PCR検査試薬および遺伝子診断薬原料を合わせた生産能力をそれまでの約3 倍※3に増強しました。これにより、将来新たな感染症が世界的規模で拡大した場合の検査試薬の需要に対応できるよう国内での生産体制の強化を図ります。また、診断薬の開発や予防医療を目的とした研究用試薬としての展開を図りながら、人びとのQOL向上への貢献に努めます。

 

 本日5月27日に開催された竣工式には、福井県や敦賀市をはじめ、協力会社の来賓や当社関係者合わせて約70名が出席。当社代表取締役社長の竹内郁夫は、「遺伝子検査用の原料酵素から試薬・診断薬、診断機器までを手掛ける当社は、感染症分野の川上から川下まで一貫したソリューションを提供できるのが強み。これを最大限に活かし、増強した新設備とともに感染症診断から研究開発まで幅広いニーズに対応していく」と決意を述べました。

 

※1: Polymerase Chain Reaction の略。極微量の DNA サンプルから特定の DNA 領域のみを短時間で解析可能な量に増幅する方法
※2: PCR関連製品の世界市場レポートなどをもとに当社予測
※3: 新設備建設決定公表時期である2022年との比較

敦賀バイオ工場の概要

 1978年に前身である敦賀酵素工場が操業開始。1992年に敦賀バイオ工場等に再編。当社バイオ事業の基幹工場としてPCR検査試薬・遺伝子診断薬原料のほか、健康診断等で使用される臨床検査試薬や検査機器、臨床検査試薬の原料となる酵素・抗体、化粧品原料などを幅広く製造しています。

新設した製造設備の概要

所在地 福井県敦賀市東洋町10-24(東洋紡株式会社 敦賀事業所第一内)
延床面積/構造/階数 ・研究用試薬棟 : 8,250平方メートル/鉄筋/4階建て
・遺伝子製造/品質試験棟 : 1,760平方メートル/鉄筋/2階建て
稼働 2025年 4 月
生産品目 研究用遺伝子検査試薬、PCR 原料酵素、遺伝子、抗体など 
投資金額 約65億円

当社バイオ事業について

 当社は1948年にパルプの廃液処理を目的として酵母培養の研究を開始したことを契機にバイオ分野に進出。1972年には酵素法による尿酸測定用検査薬を開発・発売し、バイオ事業に本格的に参入しました。1978年に敦賀酵素工場に開発・生産体制を集約すると、1982年には遺伝子工学用の制限酵素などの販売を皮切りとしてライフサイエンス試薬分野へ進出しました。1992年に敦賀酵素工場を敦賀バイオ工場と敦賀バイオ研究所に再編し、1995年に現在の主力製品の一つとなるPCR酵素「KOD DNAポリメラーゼ」を上市しました。これまで、ノロウイルスやインフルエンザウイルス、新型コロナウイルスなど、さまざまな感染症のPCR検査用試薬や酵素を開発、販売してきました。サンプルに夾雑物が含まれていても正確かつ高速で増幅可能なPCR酵素や、標的遺伝子を短時間で検出できる研究・診断用試薬などの開発・生産に強みを持ちます。

 

以上

本件に関するお問い合わせ先

東洋紡株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
TEL 06-6348-4210
MAIL pr_g@toyobo.jp

※掲載されている情報は、発表日現在のものです。その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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