マネジメントアプローチ
考え方・方針
当社グループは、1992年に地球環境憲章と行動指針を制定し、1997年には、環境理念、環境活動方針、行動指針を「東洋紡グループ地球環境基本方針」としてまとめ、全社を挙げて地球環境の保全活動をスタートさせました。生産拠点や研究所での環境負荷低減はもとより、人と地球にやさしい技術を通じて社会に貢献していきます。
<東洋紡グループ地球環境基本方針>
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環境理念
私たちは、人と地球にやさしい技術をとおして社会に貢献し、地球環境の保全を図り、次の世代に、住みよい地球と豊かな社会を残すよう努めます。
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環境活動方針
- (1)
- 技術の開発
東洋紡グループの総力を発揮して、人と環境にやさしい技術(製品と製造プロセス)の開発に取組み、環境対策を推進していきます。 - (2)
- 環境保全
製品の開発から設計・製造・販売・廃棄・回収に至る全ての段階において、環境に及ぼす影響を予測し、評価し、低減し、環境保全に取組みます。 - (3)
- 社会への貢献
より良い地球環境の実現を目指し、事業を通じてだけでなく、良き企業市民として、社会や地域における環境保護や生物多様性保全活動への支援・参画に積極的に取組みます。
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行動指針
- (1)
- 考える(think of);技術開発と評価
開発・設計での環境技術の開発と環境保全の評価に努めます。 - (2)
- 大切にする(take care);環境保全と再利用
生産・販売・物流・廃棄段階での環境技術の開発・向上及び再利用に努めます。 - (3)
- 参画する(take part);技術公開と情報提供
開発した環境技術の公開と環境情報の提供に努めます。 - (4)
- 守る(take up); 環境遵守と監査
国・地方自治体等の環境規制と自主管理基準の設定・維持に努め、監査を実施します。 - (5)
- 育てる(train); 社内外体制
環境に関する社内体制の充実と教育・啓発活動に努めます。
体制
当社グループは、サステナビリティ委員会を設置し、気候変動対応を含むサステナビリティ活動全般の上位方針や目標設定について審議しています。取締役会は、適宜その報告を受け、上位方針や目標などの重要事項を承認し、活動の進捗を監督しています。2024年度は、サステナビリティ委員会を6回開催しました。「サステナブル‧ビジョン2030」に掲げられている“5つの社会課題”のひとつである脱炭素社会&循環型社会を目指すための活動も同委員会で進捗管理されています。
サステナビリティ委員会の下に気候変動‧生物多様性委員会を設置し、主に気候変動への対応や、生物多様性保全に関する活動方針等の審議を行っています。また、事業所や工場での地球環境保全活動(気候変動、廃棄物、水資源、生物多様性保全など)の具体的な取り組みを推進するために、地球環境推進会議を設置しています。
地球環境推進会議は、東洋紡グループ地球環境基本方針の達成を目指し、具体的推進事項の審議・決定・実行と、地球環境問題全般に関する情報交換、問題発生時の対処方法の決定および実施を担っています。同会議はGX・環境推進部長を議長とし、事業本部および部門の執行役員により選任されたメンバーで構成され、原則として年4回開催しています。なお、会議の中で当社の各事業所・工場およびグループ会社で実施した「環境・化学物質管理アセスメント」の結果を報告し、現地の環境法令順守状況の確認も行っています。
環境マネジメントシステム
基本的な考え方
当社グループでは、各拠点の活動による地球および地域への環境影響をリスクと機会の側面で抽出・特定し、それぞれの維持・改善を目的とした環境マネジメントシステム(ISO14001など)を構築し、運営しています。
また当社グループ全体の環境・化学物質管理レベルの向上のため、GX・環境推進部により監視・モニタリングおよび評価しています。
当社グループの環境領域への意識向上を意図した、経営層ならびに従業員を対象とした環境教育を継続して行っています。
環境マネジメントシステム外部認証取得状況
2025年5月末で、18事業所(グループ全生産拠点の47%:生産拠点38事業所のうち、18事業所)が環境マネジメントシステム規格の外部認証を取得しています。
ISO14001認証の取得割合:
グループ全生産拠点の45%(生産拠点38事業所のうち、17事業所)
東洋紡単体の全生産拠点の100%(生産拠点6事業所のうち、6事業所)
ISO14001認証取得事業所
東洋紡(株)事業所 | 認証取得年月 |
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総合研究所(滋賀県大津市) | 1996年12月 |
敦賀事業所(福井県敦賀市) | 1996年12月 |
犬山工場(愛知県犬山市) | 1998年3月 |
宇都宮工場(栃木県宇都宮市) | 1999年2月 |
庄川工場(富山県射水市) | 2001年7月 |
岩国事業所(山口県岩国市) | 2002年11月 |
グループ会社(連結子会社) | 認証取得年月 |
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東洋紡エムシー(株)高砂工場(兵庫県高砂市) | 1999年3月 |
東洋クロス(株)樽井事業所(大阪府泉南市) | 1999年12月 |
日本エクスラン工業(株)西大寺工場(岡山県岡山市) | 2001年6月 |
PT. INDONESIA TOYOBO FILM SOLUTIONS(インドネシア) | 2001年6月 |
御幸毛織(株)四日市工場(三重県四日市市) | 2002年4月 |
コスモ電子(株)(三重県四日市市) | 2004年1月 |
東洋クロス(株)岩国事業所(山口県岩国市) | 2005年10月 |
Spinreact, S.A.U.(スペイン) | 2013年7月 |
東洋紡フォトケミカルズ(株)西大寺工場(岡山県岡山市) | 2017年10月 |
TOYOBO SAHA SAFETY WEAVE CO., LTD.(タイ) | 2019年5月 |
グループ会社(持分法適用関連会社) | 認証取得年月 |
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キャストフィルムジャパン(株)敦賀工場(福井県敦賀市) | 2000年12月 |
エコアクション21認証取得事業所
グループ会社(連結子会社) | 認証取得年月 |
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日本エクスラン工業(株)環境事業本部 環境分析部(岡山県岡山市) | 2007年5月 |
三元化成(株)(三重県名張市) | 2011年11月 |
環境・化学物質管理アセスメント
当社グループの環境・化学物質管理レベル向上のため、地球環境推進会議メンバーが、生産拠点や研究所について環境・化学物質管理アセスメントを実施しています。アセスメントでは、各種環境法令の順守状況、環境汚染リスク管理の取り組みや化学物質管理状況などの確認が行われます。
各拠点では、チェックリストによる毎年の自己評価とともに、3年に1回現地監査を受審し、指摘事項があれば是正を行います。これにより、管理レベルの維持・向上を図っています。
環境・化学物質管理アセスメントにおけるチェック項目(一部)
- 法的要求事項の特定と順守(規制値への適合、届出など)ができているか
- 環境汚染リスク管理(リスク特定、リスク評価、予防対策の実施)ができているか
- 環境保全活動(省エネルギー・廃棄物削減・グリーン購入の取り組みなど)が進められているか
- 環境マネジメントシステムにおける第三者認証を取得しているか
- 化学物質が適正に管理・運用されているか
- 教育・訓練を実施しているか など
過去3年に現地監査を実施した事業所
年度 | 東洋紡(株) | グループ会社 | 監査結果 |
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2022 | 3事業所 | 7社 | いずれも良好 |
2023 | 5事業所※ | 8社 | いずれも良好 |
2024 | 2事業所 | 5社 | いずれも良好 |
- 高砂工場を含む
環境トラブルに対する是正のしくみ
当社グループは、グループ全体で環境トラブルを管理し是正するしくみを有しています。トラブルの応急処置、原因の究明、再発防止策の策定・実施、再発防止策の効果の確認を行い、トラブル発生の現場での再発防止に努めています。さらに、その環境トラブルが、他拠点への影響が大きいと判断した場合、グループ全体に再発防止策を水平展開しています。
環境法令順守状況
当社グループは、大気汚染防止法や水質汚濁防止法をはじめとして、該当する法令を順守するのはもちろんのこと、継続的な改善の実施により、環境負荷の低減に取り組んでいます。今後もさらなる環境負荷低減に取り組みます。
2022~2024年度における環境関連の罰⾦、処罰はありませんでした。
環境教育
当社グループは、経営層を含む全社員の環境意識を向上させるため、さまざまな教育、啓発活動を推進しています。
環境月間には、外部講師を招いて環境セミナーを開催し、多数の役員・従業員が参加しています。
また、拠点毎に、当社グループの環境活動を説明するパネルや環境配慮製品の紹介を行う環境展を開催し、従業員に対して当社グループの取り組みを紹介しています。
その他、新入社員向けカリキュラムや階層別教育などによって、環境教育を推進しています。
環境セミナー
2023年度は6月に「生物多様性保全と環境DNA手法の紹介」をテーマにセミナーを開催しました。対面とオンラインを併用し、約200人が参加しました。3月には「総合研究所生物調査 結果報告2023」を開催し、対面とオンラインを併用し、約100人が参加しました。
2023年度 環境セミナー
2022年度 環境セミナー
2021年度 環境セミナー
2020年度 環境セミナー
過去のセミナーテーマ
- 2023年度:生物多様性保全と環境DNA手法の紹介
- 2022年度:生物多様性・自然資本配慮経営に向けた国内外の取組
生物多様性と人類 世界・私達は何をもとめられているか - 2021年度:2050年カーボンニュートラルに向けた政策動向
- 2020年度:倫理としてのCSRから戦略としてのESGへ SDGs時代のニューノーマル
- 2019年度:SDGsの達成と企業の取り組み
- 2018年度:持続可能な開発目標(SDGs)で変わる世界
- 2017年度:CSRと企業の環境活動
サステナビリティ週間
当社グループの取り組みについて理解を深め、サステナビリティを身近に感じていただくためのイベントを企画しています。2024年度は社長と若手社員の対談会、資源循環に貢献する製品・技術のパネルディスカッション、グループ会社の取り組み紹介などを実施しました。
2024年度 社長と若手社員の対談会
過去のサステナビリティ週間テーマ
- 2024年度:サスが東洋紡!~見て!知って!東洋紡グループのサステナビリティ~
- 2023年度:感じよう!学ぼう!実践しよう!サステナビリティ
- 2022年度:学ぼう! 伝えよう! 拡げよう! サステナビリティ
- 2021年度:ESGについて知ろう!
環境展
当社グループの環境保全への取り組みに関する従業員の理解を深めるため、1996年から年1回の環境展を実施しています(2021年度からウェブを併用し開催)。温室効果ガスの排出等の目標や実績を共有するほか、2024年度は、特集として「地球環境保全と地域共生のための事業所・工場の取り組み」を取り上げ、環境保全や改善、地域との共生のために各拠点で行われている活動の紹介を行いました。
過去の環境展特集テーマ
2024年度:地球環境保全と地域共生のための事業所‧工場の取り組み
2023年度:地球環境保全と地域共生のための事業所・工場の取り組み
2022年度:生物多様性保全への取り組み
入社時環境教育
入社時環境教育は、グループ全体の各拠点において、新入社員だけでなく中途入社の従業員に対しても行っています。「東洋紡グループ地球環境基本方針」の説明のほか、当社グループが取り組む環境保全活動の方針や目標とその実績について説明しています。環境保全活動がなぜ重要なのか、また当社グループの従業員として期待されることの理解につなげています。
経営層向け勉強会
2024年は5月に、外部講師を招き経営層に向けて化学物質の事故に関する法的責任についての勉強会を実施し、特に化学物質の漏出に関する知識を深めました。
過去のセミナーテーマ
2023年度:サステナビリティと企業価値創造
2022年度:サステナビリティの実践と情報開示の勉強会
2021年度:カーボンニュートラルに関する勉強会
その他の取り組み
グリーン購入
事務用品などの一般購入物品については、対象品目を定め「環境ラベル」を活用したグリーン購入を推進しています。2024年度は、対象12品目※中11品目で購入実績があり、グリーン購入率は99.6%となりました。これは、一部の事業所で対象外のコピー用紙購入があったためです。今後も、グリーン購入を通じて、持続可能な調達に努めます。
- コピー用紙、トイレットペーパー、ファイル、ラベルプリンター用テープ、パソコン、コピー機、プリンタ、FAX、照明器具(蛍光灯、ただし防虫対策用は除く)、消火器、エアコン(家庭用)、作業服・制服