女性活躍推進

これまでの歩み・課題

「採用」「育成」「就業継続支援」の三つの視点で推進

当社グループは、2015年当時、男性中心の組織であったため女性が活躍・成長できる機会を十分に提供できていませんでしたが、2015年に専門組織「女性活躍推進グループ」が発足したことで、女性活躍推進活動が本格化しました。

2016年度から2020年度までの第1期行動計画においては「女性管理職(マネジャー職群)の人数」を2015年度比で2倍にし、「総合職※1における女性比率」を15%とする目標を掲げ、「採用」「育成」「就業継続支援」という三つの観点でさまざまな取り組みを推進してきました。その結果、2020年度末において女性管理職は3倍の13人、総合職における女性比率は17.1%となり目標を達成しました。

続く第2期行動計画においては2021年4月から2026年3月末までに、管理職における女性の比率を5.0%以上とし、女性の総合職比率を22%以上とすること、さらに男性の育児休業取得率を80%以上とし、取得日数も2020年度比で20%アップさせるという目標を策定し、公表しました。これらの数値は、現在も順調に推移しています。

グローバルコース※2新卒採用者の女性比率を40%とすることを採用方針の一つとしたことが目標達成に大きく寄与しました。また、平行して女性の職域拡大にも取り組み、これまで女性総合職が配置されていなかった営業部門や製造部門への配属を大幅に増やしました。そのため多くの上司にとって女性活躍推進が「自分ごと」になることで意識改革が進み、組織全体の風土改革につながりました。

今後の課題はこれらの施策の継続に加え、男女を意識せず公平に機会や責任を与えていくことが当たり前になり、ポジティブアクションが不要な状態にすることです。そのためには第2期行動計画の達成が必須であり、ダイバーシティに対する従業員の感度を上げていくことが重要だと考えています。

  • グローバルコース初任等級以上の者 
  • 全社での活躍を期待するコース
管理職に占める女性比率

管理職に占める女性比率

主要施策
  • 女性リーダー育成セミナー
  • 上司向け女性部下のマネジメントセミナー
  • キャリア開発支援プログラム
  • 女性活躍推進プロジェクト6期連続実施(メンバーを替えて)
  • メンター制度(入社2年目までの新卒および中途採用の女性を対象)
  • 男性の育児休業取得率推進のための上司や本人への通知・休業前後の面談の実施推進
  • 若手従業員・女性の働き方の視野を広げるため、他社との「異業種交流会」実施
  • ベビーシッター支援制度 (出張時のベビーシッター費用の会社負担)
  • 企業内保育園設置 (総合研究所、定員10人)

目標と行動計画

2021年4月には、第2期行動計画をスタート。2025年度までの数値目標として、女性管理職※3比率5.0%以上などを設定し、当該目標の達成に向け、グローバルコース新卒採用の女性比率40%の取り組みを推進しています。2022年度は、女性管理職比率4.7%、グローバルコース新卒採用の女性比率35%となりました。

また、エリアコース※4の女性従業員向けに「キャリア開発支援プログラム」を2021年度に開始。上司とともに3年間、育成の計画、OJTをはじめ専門技術・知識教育や自己啓発などをスケジュール化して取り組んでもらい、報告とブラッシュアップを毎年繰り返していくというものです。

これまで見えにくかった、エリアコース女性のキャリア開発の道筋を示し、後続の女性従業員の能力発揮を支援します。

また社外のイニシアチブへも積極的に参画する方針です。すでに一般社団法人経済団体連合会(経団連)の掲げる「2030年30%へのチャレンジ」※5や女性の活躍推進に積極的に取り組む企業の行動原則を示した「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」※6の趣旨に賛同し、同原則に基づき行動するためのステートメントに署名しました。こうした活動を通じ、2021年12月には女性活躍推進に関する「えるぼし(2 段階目)※7」認定を取得しています。

えるぼし

目標と取り組み内容

【目標1】管理職※3 に占める女性の割合を2025年度末までに5.0% 以上にする

2021年4月~ 管理職およびその候補を対象とした女性リーダー育成研修を実施する(2017年8月からの取り組みを継続する)
2021年4月~ 係長およびその候補者を対象とした女性リーダー育成研修を実施する(2019年9月からの取り組みを継続する)
2021年4月~ マネジャー職群相当の女性を中途採用する
2021年9月~ 部門ごとに女性育成のためのアクションプランを立て、実行する

【目標2】総合職※1 の女性割合を2025年度末までに22%以上にする

2021年4月~ グローバルコース新卒採用の女性比率 40%を維持する
2021年4月~ 中途採用において女性を積極採用する
2021年4月~ 女性従業員へのフォローアップ・ヒアリングを実施する (2015年4月からの取り組みを継続する)
2021年4月~ キャリア開発支援の3年間プログラムを立ち上げ、 運用する

【目標3】男性の育児休業取得率を2025年度末までに80%以上にし、取得日数を20%以上アップする

2021年4月~ 対象者に育児休業制度を通知する(2019年4月からの取り組みを継続)
2021年4月~ 対象者の上司宛てに、部下の育児休業取得奨励案内を送付する(2019年9月からの取り組みを継続)
2022年10月~ スムーズな休業の取得・職場復帰をサポートするため育児休業取得前後に上司と本人との面談を義務付ける
※3
課長職以上
※4
各事業所での活躍を期待するコース
※5
経団連が2020年11月に公表した「。新成長戦略」に基づき、持続可能な成長を実現するための鍵としてD&Iをその推進力と位置付けて活動する目標の一つ
※6
2010 年に国連グローバル・コンパクト(UNGC)とUN Womenが共同で作成した「女性の活躍推進に積極的に取り組む企業の行動原則」
※7
えるぼし(2段階目)の取得基準:五つの認定基準のうち三~四つの基準を満たし、その他は2 年以上連続で実績が改善していること

ダイバーシティ推進グループ マネジャーメッセージ

当社グループの女性活躍推進活動は、2015年に専門組織「女性活躍推進グループ」が発足したことで本格化しました。

2023年4月には、ダイバーシティ推進グループへ部署名を変更しました。従来の女性活躍推進に加え、人権問題、障がい者雇用に対象を広げ、新たに外国人従業員の定着、LGBTQに取り組んでいきます。

イノベーションを実現し、サステナブルに企業を成長させていくためには、多様な人材のスキルや知見を得、活用できる企業であり続ける必要があります。女性に活躍してもらうには女性一人一人の能力を自身が気付き、発揮できる場に出ていくことに加え、男女にとらわれず機会や責任を公平に与える上司の成熟度も重要です。

何のためにダイバーシティを実現するのか、それは人に価値を付け、企業の力にすることです。
女性へのポジティブアクションは重要ですので継続していきますが、それだけではなく、若手の意識や価値観が大きく変化していることに上司が気付き、個々に向き合う姿勢と公平に機会を与えることにも重点を置きます。そして属性に関係なく機会や責任を与えられ成長できる職場こそが、多くの知見を持つ従業員を獲得し、活躍してもらえる企業だという信念のもと、従来の女性に向けたポジティブアクションを残しつつ、女性の背中を後押ししながらも、段階的に性別を意識せず活躍できる職場にしてきたいと考えています。

手塚 雅子

人事・労務総括部 労務部
ダイバーシティ推進グループ マネジャー
手塚 雅子