~第4回サステナブルマテリアル展(10/29~)で初公開~
100%植物由来樹脂を利用した工業用途向け二軸延伸ポリ乳酸フィルムを新開発
当社はこのほど、100%植物由来のポリ乳酸樹脂を原料とする環境配慮型の二軸延伸フィルムを開発しました。本フィルムは、当社独自の製膜技術により、工業用途に求められる耐熱性や機械特性※1を実現するとともに、高い透明性と表面特性を有するのが特長です。今後、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの代替素材として、光学フィルムや電子機器部材、離型フィルム用基材向けに展開を進めてまいります。本フィルムの試作品は、10月29日(火)~31日(木)まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催の「第4回サステナブルマテリアル展-SUSMA-」の当社ブースで初公開します。
新開発の二軸延伸ポリ乳酸フィルム(試作品)
ポリ乳酸は、トウモロコシなどの植物から生産される生分解性樹脂の一種です。廃棄時の環境負荷が低いことや、原料となる植物の生育過程で光合成の働きによりCO2の排出量削減に貢献することから、これまでサステナブルな素材として食品容器・フィルムなどの包装材用途を中心にさまざまな製品に使用されてきました。一般に透明性に優れるポリ乳酸樹脂は、液晶ディスプレー用光学フィルムなど工業用途への展開も期待されてきましたが、耐熱性が低いため高温下で強度や剛性を得るのが難しく、通常の製膜条件下では本来の透明性が損なわれることや、工業用途での各種加工時の熱や応力が加わることで寸法変化や割れなどが生じやすいことが課題でした。
当社がこのほど開発したのは、独自の製膜技術による二軸延伸処理を施すことにより、工業用途に求められる耐熱性や機械特性を備えたポリ乳酸フィルムです。延伸加工時の条件を精密に制御するとともに、当社が光学用PETフィルムの研究開発で長年培ってきた技術を応用し、フィルム内部に粒子を含まない手法を採用することで透明性の高いポリ乳酸フィルムを実現しました。また、コーティング処理によって平滑性や接着性などのさまざまな特性を持たせることもできるので、フィルムの巻き取りやすさや他素材との貼り合わせやすさ、表面処理剤の塗布しやすさなどにつながり、工業用途での幅広い加工処理に対応できます。当社は今後、製品ライフサイクルにおける環境負荷低減に貢献するポリ乳酸フィルム製品について、従来の包装材向けはもとより、これまで機器内部に含まれることなどから分離・リサイクルが困難だった工業用途向けの展開に注力してまいります。
長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」※2の中で、2030年までにフィルム製品のグリーン化比率を60%とすることを目標に掲げる当社は、フィルム事業において、バイオマス・リサイクル原料の使用促進、減容化、モノマテリアル化など、循環型社会の実現に向けたさまざまな取り組みを推進しています。今後も、素材の一部に植物由来樹脂を使用した工業用高透明バイオマスポリエステルフィルム「コスモシャインバイオ™」や、使用済みフィルムを含むリサイクル原料を100%使用した工業用フィルム「レナシャイン®」※3、100%バイオ樹脂でPETに近い特性とPETを上回る高いバリア性能を持つPEF(ポリエチレンフラノエート)※4などの環境配慮型製品の実用化を通じて、資源循環型社会の実現に貢献できるよう努めていきます。
「第4回 サステナブルマテリアル展」の概要
・会期 | : | 10月29日(火)~31日(木) 10:00~18:00(最終日のみ17:00終了) |
・会場 | : | 幕張メッセ(「高機能素材Week」内) |
・ブース番号 | : | 46-26 |
※1: | 引っ張った際の壊れにくさを表す破断強度や、伸び率を表す破断伸度の値の高さを指します |
※2: | サステナブル・ビジョン2030 https://www.toyobo.co.jp/sustainability/group_sustainability/vision/ |
※3: | 2024年10月28日付 当社リリース:https://www.toyobo.co.jp/news/2024/release_1672.html |
※4: | 2016年9月16日付 当社リリース: https://www.toyobo.co.jp/news/2016/release_140.html |
以上
本件に関するお問い合わせ先
東洋紡株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
TEL 06-6348-4210
MAIL pr_g@toyobo.jp
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